今年度初めての公式戦となる関東大学女子バスケットボール選手権大会が始まった。感染対策のために全ての試合は無観客での開催となる。初戦の国学院大戦で勝利を収め、流れにのった早大はこの日、江戸川大に挑んだ。序盤は2部Aブロック所属の江戸川大相手に9点のリード得る。ところが、迎えた第2クオーター(Q)。相手の4連続スリーポイントなどに苦しめられ、リードから一転、10点ビハインドで前半を折り返すことに。その後は相手を追う苦しい展開となるが、オフェンスリバウンドやディフェンスで集中力を見せ、試合時間残り3分には最大14点あった点差をついに逆転。65-62というスコアで接戦を制した。
第1QはG江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)を中心にドライブで果敢に攻め込み、相手のファールを誘った早大。突き放せはしないものの、着実に点差を広げ、18-9で第1Qを終える。第2Q開始直後には2連続得点を許すも、どうにかリードを保っていた。しかしその後、速攻でのミスが目立ち始める早大に、江戸川大の樋口栞帆(3年)らの4連続スリーポイントが追いうちをかける。焦りを見せた早大は相手に完全にペースを握られ、第2Q終盤には逆転を許し24-34で前半を終えた。
ドライブで果敢に攻めこむ江村
第3Qに入ってもなかなか点差が縮まらず、我慢の時間帯が続いた。F桂蘭(スポ3=愛知・桜花学園)らの粘り強いリバウンドで雰囲気を盛り上げるが、シュートを決めきることができない。それでも、第3Q終了直前にG神山夢来(スポ4=埼玉栄)が技ありのバックシュートを決め、良い流れを作って第4Qにつなげる。最終第4Q開始時点で早大は8点ビハインド。あとがない早大は集中したディフェンスから流れを作り、確実に主導権を奪い返す。江村のドライブや神山のシュートなどでじわりじわりと点差を詰め、試合時間残り3分で逆転。すかさずタイムアウトを取る江戸川大だが、タイムアウト明けには切り込んだ江村に合わせたF今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)から桂への連携などパスを繋ぐ安定感のあるプレーが増える。試合終了間際まで1点を争う攻防が続くものの、残り10秒時点でファールを受けた江村がフリースローを落ち着いて2本決めて、勝負あり。65―62というスコアで勝利を掴んだ。
積極的なリバウンドでチームに貢献した桂
劇的な逆転を果たした早大は、この試合に勝利したことで決勝リーグへと駒を進めた。次戦はベスト4をかけて、日体大と対戦する。コロナウイルス蔓延によって昨年は開催できなかったこの大会。「今できる早稲田のバスケットを全て体現していきたい」(神山)とかける思いは大きい。より高みを目指すため、早大はチーム一丸となって戦いに挑む。
(記事 冷水睦実、写真 落合俊、宮島真白)
第55回関東大学女子バスケットボール選手権大会 5月6日(vs江戸川大) | |||||
---|---|---|---|---|---|
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
18 | 6 | 22 | 19 | 65 |
江戸川大 | 9 | 25 | 18 | 10 | 62 |
◇早大スターティングメンバー◇ G#11 神山夢来主将(スポ4=埼玉栄) F#34 今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑) G#21 中山桂(スポ2=愛知・桜花学園) G#23 江村優有(スポ1=愛知・桜花学園) F#32 江頭璃梨(スポ1=宮崎・小林) |
コメント
F神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)
――今日の試合を振り返っていかがですか
ビハインドの状況から最後は逆転して勝ちきれたことはよかったです。ですが、オフェンスもディフェンスも自分たちのやるべきことを徹底できなかったのが反省点です。
――2Q苦しい展開になった理由はなんだとお考えですか
ディフェンスで相手のやりたいことを簡単にやらせてしまったことと、オフェンスで点を取ることに意識が走ってしまったことです。
――ハーフタイムには大原選手が声をかけている場面が見られましたが、どのようなことを言われたのでしょうか
喝を入れてもらいました。気持ちの部分で負けているとか、もっとチームのために各々がやれる事をしっかりやっていこうと言ってくれました。
――逆転できた要因は何ですか
ディフェンスをハードにやって流れを作れたことと、オフェンスではペイントアタックし続けられたことだと思います。
――2試合を終えて見えてきた、チームの課題はありますか
チームディフェンスの細かい所までの徹底が足りないことや、イージーシュートを決めきることです。試合の中で、自分たちのいい流れもあるし、逆に相手の流れになっている時もあるのでそういう悪い流れの時に、我慢してディフェンスを徹底することや、そういう状況の時にこそチームが一つになって戦うことをもう一度、一人一人が考えてコートで表現していきたいです。
――今後の意気込みを教えてください
どんな状況でも、自分たちがやってきた事に自信を持って試合が出来ることを心から楽しみたいです。各々がチームのためにという気持ちを持って、コートの中も外も全員がつながり続けて、今できる早稲田のバスケットを全て体現していきたと思います。
F桂蘭(スポ3=愛知・桜花学園)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半はチームのディフェンスを徹底できず、流れを作ることができなかったことが1番の反省点です。攻守ともにチームがひとつになって戦うことが大切だと改めて感じさせられた試合でした。
――前半リバウンドで苦しんでいた印象でしたが振り返っていかがですか
ディフェンスが思い通りにいっていなかったところからリバウンドが苦しくなっていました。チーム全体として身長が高くないので、後半のようにBOXOUTから全員でリバウンドすることが大切だと感じました。
――12点の差がついてしまった瞬間はどのように感じましたか
自分たちがやらなければいけないことができていなかったので、ひとつずつ修正していかなければいけないと感じました。積極的な気持ちで最後までバスケットを楽しもうと前向きに捉えていました。
――逆転した瞬間のお気持ちを教えてください
保守的になるのではなく、しっかりとディフェンスで守り切って、さらに点差を離すことだけを考えていました。ドライブが得意な選手が多いので、私は必ずオフェンスリバウンドに入って攻めの回数を増やそうと思ってプレーしていました。
――今後の意気込みを教えてください
あと3戦あるので、日を追うごとに個人としてもチームとしてもどんどん調子を上げていきたいと思います。怪我で試合がしたくてもできないチームメイトのためにも、コートの上で自分のできることを最大限表現していきたいです。そしてなによりも試合ができることに感謝して、最後の最後まで楽しむ気持ちを忘れずにプレーしたいです。