最後の大舞台が幕開け。早稲田らしさを存分に発揮し初戦突破

女子バスケットボール

 全日本大学選手権(インカレ)の開幕戦に登場した早大女子バスケットボール部。初戦は、九州地区でリーグ3位の鹿屋体育大と対戦した。鹿屋体育大は昨年、1回戦で名古屋経済大学を相手に20点ビハインドから逆転に成功したという経験を持つ相手。互角の勝負が予想されたが、試合開始直後からアウトサイドのシュートで得点を積み重ね、相手を突き放す。ゲーム中盤以降も力を入れて練習してきたディフェンスで簡単にシュートチャンスを与えず、中と外を織り交ぜた攻撃でリードを保った。最終スコア88―59で、見事初戦を突破した。

 関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)で白星を挙げることができなかった早大だが、この試合は序盤から相手を圧倒する展開になる。先制されてしまうが、F石井香帆主将(スポ4=岐阜女)のスリーポイントで反撃。そしてけがによりリーグ最終戦出場を果たせず悔しさを噛み締めたG神山夢来(スポ3=埼玉栄)が止まらない。第1Q(クォーター)だけで3本のスリーを決める。さらに関東のスリーポイント女王・石井主将がもう1本スリーを決め、2人だけで15点を獲得。続く第2Qでは、鹿屋体育大のG松本みずき(1年)にいくつかスティールを許し失点するも、内と外のバランスが取れた攻撃で徐々に得点を重ねる。その後もポジションに関係なく、フリーになれば全プレーヤーが積極的にアウトサイドシュートを狙ったこの日は、全員のシュートタッチが好調で、徐々に点差を広げていった。最後はGフェスターガードヤヤ(スポ1=宮崎・小林)がブザービーター。41―19とダブルスコア以上の差をつけて前半を折り返す。

リーグ戦でシュートを狙う石井主将

 後半も大きく相手を突き放すことはできないものの、ディフェンスが効果的に作用する。インサイドを崩させずに、外から打つしかない状況を作り、無理な体勢でシュートを打たせてリバウンドを取るという流れで、終始早大が主導権を握っていた。この試合がインカレデビュー戦であるヤヤの活躍も光り、アウトサイドではコート内の誰もがスリーを狙い、シュートチェックのために相手が外に出てきたところをドライブで切り抜けるなどリズム良く攻撃を進める。前半のように大量得点はできずに、得点が伸び悩む時間はあったものの、試合終盤には神山のこの日5本目のスリーが決まって勝負あり。88ー59で今シーズン公式戦初白星を挙げた。

東京六大学対抗戦で、シュートする神山

「今シーズン公式戦で勝てていなかったので、勝つことができて素直にうれしい」と石井主将が話すよう、暗闇の中で光が差した早大。「もっともっとハードにできる」(石井)と目指す場所は高い。次戦は昨年早大のベスト4進出を阻まれた愛知学泉大と対戦する。この試合で大活躍した神山は「相手がどうこうというより、早稲田らしいバスケットを40分間して全員で勝ちにいく」と語るように、負けたら終わりのこの大会。自分たちの力を出し切るのみだ。あと何回彼女たちの笑顔が見られるか。まだ早大の戦いを終わらせるわけにはいかない。

(記事 内海日和、写真 永田悠人)

全日本大学選手権 vs鹿屋体育大
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

25 16 22 25 88
鹿屋体育大 11 22  18 59
F#12 石井香帆主将(スポ4=岐阜女)
G#26 船生晴香副将(スポ4=新潟・開志国際)
G#11 神山夢来(スポ3=埼玉栄)
G#3 フェスターガードヤヤ(スポ1=宮崎・小林)
F#34 今井美沙樹(商3=山梨・富士学苑)
コメント

F石井香帆主将(スポ4=岐阜女)

――今の率直な感想を教えてください

今シーズンまだ公式戦で勝てていなかったので、勝つことができて素直に嬉しいです。

――今日の攻撃を振り返っていかがですか

スリーポイントが決まっていたのは良かったのですが、外だけでパスを回してしまったりと自分たちのリズムではない時間帯もあったので、そこは次に向けて修正していきたいです。

――ディフェンスではどんなことを意識していましたか

<pとにかく中を厚く守ること、声を出し続けること、あとはリバウンドを取り切ることを心掛けました。

――その方針は実行できましたか

まだ徹底しきれない部分もあったし、もっともっとハードにできるとも思うので、次の試合もディフェンスから流れをつくれるようにしていきたいです。

――課題をあげるならばどこにありますか

オフェンスで点が伸びない時間が長く続いてしまったこと、あとはリバウンドを一回で掴み切ることだと思います。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

次の試合もチーム全員でとにかく楽しんで、自分たちの良さを40分間出し切りたいと思います!

G神山夢来(スポ3=埼玉栄)

――勝利した今の率直な感想を教えてください

とても嬉しいですし、試合していて楽しかったです!

――多く得点に絡んでいましたが、今日はご自身でどんなことを意識して試合に臨まれたのですか

思いっ切りプレイしようと今日の試合に臨みました。シュートが入らなくてもシュートを打ち続けることと、とにかく1試合通してオフェンスもディフェンスもハードワークすることを意識しました。

――ディフェンスではどんなことを意識していましたか

相手のアジャストをしてきたので、得意なプレイをやらせないことを一番意識しました。自分より大きい選手にマッチアップしていたのでポストプレイを簡単にさせないようにしました。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

とてもよかったです。一人一人が声を掛け合っていて、コートの中もベンチも繋がり続けられていたと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

相手がどうこうというより、早稲田らしいバスケットを40分間して全員で勝ちにいきます!