第2回に登場したのは、全日本大学選手権(インカレ)では誰よりもリバウンドを取ると抱負を語るF今井美沙樹(商3=山梨・富士学苑)、関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)での悔しさから、インカレでは先頭に立ってプレーすると意気込むG神山夢来(スポ3=埼玉栄)、試合を楽しむことを忘れずに、チームの雰囲気作りに貢献したいと話すG境美潮(スポ2=神奈川・座間)の3人だ。
※この取材は11月27日に行われたものです。
「雰囲気はかなり良かった」(神山)
今井
――まずは、今年のチームを振り返っていかがですか
神山 学年関係なくつながっていることだと思います。プレー以外では学年バラバラで話すこともありますし、プレー中も下級生が多くゲームに出ているので、そのような面でもいいチームです。
今井 人数が少ないからこそ生まれる一体感を試合中でも感じることが多いです。一人一人が主体性を持ってできていると今年は特に思いますね。
境 プレー面では、走れてスピードのあるチームだと思います。
――今年はコロナウイルスの影響でイレギュラーな状況でしたが、どのように練習をされていたのですか
今井 自粛期間はみんなでズームを使ってトレーニングをしていました。6月くらいから全員で集合しての練習を再開しました。
神山 ズームでトレーナーさんが出してくれるメニューをみんなで一緒にやっていました。
――多くの大会が中止になった時はどのようなお気持ちでしたか
今井 私は4年生と試合をすることをずっと楽しみにしていたので、寂しいというか悔しい気持ちが大きかったです。
神山 私も同じですかね。自分がどうこうというよりも、4年生とこのまま試合ができないまま終わってしまうのが怖かったです。だからこそ、リーグ戦はできてとてもうれしいと感じました。
境 私も4年生との時間が少なくなってしまったことは嫌でしたが、できることをやるしかないという気持ちでした。
――自粛期間で一番大変だったことは何ですか
境 体重維持(笑)。
今井 間違いない。
神山 それはあります(笑)。
――それはどのように管理していましたか
今井 食べ過ぎない。ていうか管理できてなかったよね(笑)?
一同 (笑)。
神山 高倉さんという栄養士の方がいるのですが、ここ3人はみんな、あれどうやって言えば良いんだろう?
今井 シーズン前に減量して動きやすくしようということを目標にしていた組が私たちで(笑)。ですが、自粛期間に入ってしまってそれがあまりできなかったのは大変でした。
神山 その中でも食べたものの写真などを送らなければいけなくて、それは頑張っていました。
――リーグ戦を個人として振り返っていかがでしたか
神山 私は最終戦の前に脳振とうをしてしまって、リハビリが間に合わず、試合に出ることができませんでした。その前の試合も全く自分らしさを出せなかったと言いますか、悔しい気持ちのまま最後の試合も出られずに終わってしまったので、全体を通してみると悔しいしか残らない大会でした。
境 最終戦までは自分が出られないことが悔しいと思っていました。しかし、最後の試合で負けが決まった瞬間に初めてチームとして1試合も勝てなかったことが悔しいと思いました。また、そこに一つもプレーで貢献できなかったことも悔しかったです。でも、振り返ってみるとその時は泣いてしまいましたが、全然自分の実力が足りていないことも分かりました。今はもっと頑張らないといけないと切り替えられています。
今井 スタートとして出させてもらっている時に、リバウンドを取り切れないことやシュートを決め切れないことなど、自分に足りないものが見えてしまいました。けがなどで出られない人もいる中で、出ている私がもっとできることはあったと思いますし、そこを突き詰めていたらもっと変わったかなと思っています。私もやはり悔しい思いが多いですかね。
――リーグ戦を通して見つかったチームの課題は何でしょうか
神山 ゲームの出だしの悪さですね。また、外角のシュートが入らないと今年のチームは小さいので、そこで点を取ることが大事になってくると思います。そこで入らない時は、点が伸び悩んできついと思ったので、外角のシュートの成功率も重要だと感じています。
今井 リバウンドの本数がやはり少ないです。オフェンスリバウンドは特にそうですが、入らないで自陣に帰ってしまうことが多くて、そこで相手にそのまま攻められてしまうということも多かったので、リバウンドをもっと詰めていかなければいけないと思います。
――リーグ戦を通して良かったと思うことはありますか
今井 点が入らない時でも4年生が中心となって声を出してくれて、コート内外でいい雰囲気で試合ができていたということはありますね。
神山 レン(今井)と同じで負けていても、雰囲気はかなり良かったのではないかと思います。
境 今まで出ていなかった河村さん(G河村くるみ、教3=神奈川・座間)などが試合に出て活躍していた時に、チームとして盛り上がれたので良かったと思います。
――全員がアウトサイドシュートを狙うシーンがリーグ戦では多く見られましたが、これはチームで意識していたことですか
今井 今年はそうだよね。シュート本数を増やして、一回のオフェンスの時間を短くして攻撃回数を増やすということをシーズンが始まる前に言われていました。それの影響だと思います。
「(神山の)印象は神様みたいな」(今井)
神山
――他己紹介をしてください
今井 私が夢来(神山)のことを紹介するね。夢来とは地区が近くて、ミニバスでも戦うことが多かったです。その時の印象は神様みたいな。
神山&境 神様(笑)!
今井 選抜のキャプテンとかを務めていたりして、本当に手が届かない存在だったので、怖いなと思っていました。実際今、同期として同じチームにいて、とても明るい子です。気づきもあるし、考えていないと思われがちなのですが、ちゃんと心の奥で考えて行動しているからこそ、粘り強さというのが誰よりもあるのかなと思います。
神山 うれしい〜(笑)。次ミッシー(境)は…
境 良いこと言って(ひそひそ声)。
今井 (録音に)入ってる入ってる(笑)。
神山 美潮(境)はとても負けず嫌いで、こっそり泣くこともあるのですが、それを誰にも見せません。誰よりも努力しています。あとは、誰よりもいい脚を持っています(笑)。けがも少なくてそれは本当に良いことだと思いますし、私に「メルさん(神山)」は一番安パイだ」とか言ってしまうくらいで、そういうところかわいいです。
境 ありがとうございます(笑)。今井さんは本当に優しくて怒ったところを見たことがないです。私は今負けず嫌いと言われたのですが、今井さんも同じくらい負けず嫌いで、だけれどもそれを見せないところが格好良いと思います。本当に優しくていい人です。
――この3人で話すことは多いですか
神山 多いよね?
今井 あんまりない?二人ずつとか?
神山 それぞれ二人ずつで話すことはありますね(笑)。
――お互いの尊敬するところはどこですか
神山 レンは、推しへの愛が強いところですね(笑)。
今井 やめてよう(笑)。
一同 (笑)。
神山 押しへの愛が本当に強くて、その愛の強さに引いてしまう部分はあります(笑)。でも本当にすごいと思います。いいことだよね?何かに夢中になれるって素敵。
今井 ありがとう(笑)。
――他の方はいかがでしょうか
境 神山さんの尊敬するところは、安パイとかではなくて(笑)。いつもふわふわしているけれど、やる時はやる!というところが試合中一番頼もしいです。体とかじゃなくて。
神山 余計だわ(笑)。今の言わなかったらわからないよねえ?
今井 今のは馬鹿にしたね。私は美潮のことを話します。美潮の尊敬するところは誰とでもすぐ仲良くなれるところですね。先輩でも後輩でも人の懐に入ることが上手いです。後輩に関しては、ちゃんと先輩らしく?かわからないけど(笑)。色々後輩の相談に乗ることもしますし、先輩に対しても親しみやすい雰囲気と言いますか…
境 (今井のことを指して)でも一番時間かかった(笑)。
今井 え、そう?私はそう思ってないけど。
神山 それはレンがそういうタイプだから。
今井 私後輩苦手だからさ。
神山 ほらね、言ってるよ(笑)。
今井 それでも、美潮は話しかけてきてくれて面白いなと思っています。
――お互いに直してほしいところはありますか
境 (神山に何か耳打ち)。
神山 あっ(境の方を向いて)、なめんなよ(笑)。
今井 耳打ちしてる(笑。)
神山 それは言い過ぎですけど(笑)、安パイじゃないということを伝えたいですね。
今井 夢来に注文?私はもう慣れたので良いのですが、無言でものを渡してくることですかね。
一同 (笑)。
今井 私はそれがわかった時に嬉しいから直さないで良いのですが(笑)。
神山 私何渡してるっけ?
今井 食べたものとか(笑)。
神山 袋に入れてほしいのですが、それを言葉で伝えずに渡してしまうんです(笑)。
今井 直してほしいとかではなくて、面白いなという感じですね(笑)。直さなくて良いです。これはよいところなので。
神山 ありがとう(笑)。
境 私からは何もないです。
神山 本当かよ(笑)。絶対あるよね?
今井 絶対ある(笑)。
境 それでは今井さんに一言。練習前に推しの選手を見る時には、私たちに気づかれないように見てください。
一同 (笑)。
今井 めっちゃ恥ずかしい(笑)。
境 私たちが見えてしまうと、自分が恥ずかしくなるので(笑)。
今井 私も恥ずかしいわ(笑)。
神山 にやにやしてるんだよね(笑)。
今井 自然となっちゃうからしょうがないよね。
――早稲田大学を選んだ理由はありますか
境 自分はスポーツのことが学びたくて、もともと筑波を目指していて筑波と早稲田を受けたのですが、筑波に落ちてしまってここに来ました。
神山 前の監督の藤生さん(藤生喜代美氏、平27スポ卒)が自分のインターハイを見て声をかけてくださいました。そこでこんなに有名な大学を受けられるチャンスがあるなら受けようと思って受験した次第です。それに加えて、早稲田にいるのは全国で見たことのある先輩たちばかりだったので、一緒にプレーできたら楽しいだろうし、自分も成長できると思ったので、選びました。
今井 自分は指定校推薦で早稲田大学に入学して、最初はバスケをやるつもりはなかったのですが、監督に言われたこともあって、最終的にはやりたいということで、バスケットボール部に入りました。
――実際に早稲田でバスケをしてみていかがでしたか
神山 毎日必死だったよね(笑)。
今井 練習がきつかったですね(笑)。
神山 先輩たちがいい人だったので、そのような面できついということはありませんでしたが、やはりレベルの高さですかね。練習についていくのが必死でした。
今井 授業が難しかったこともあって大変でした。
――今の4年生3人はどのような人たちでしょうか
今井 本当にいい人たちですね。私たちが悩んでいる時に相談に乗ってくれて、1年生のころから味方になってくれる存在でした。すごい人たちの一言に尽きます。
神山 本当に良い人っていうのが一番じゃない?
――4年生とはどんな話をするのですか
今井 最近キャプテン(石井香帆、スポ4=岐阜女)がジャニーズにハマっていて、練習前はそのことについて話すことが多いですね。
境 私は、船生さん(船生晴香、スポ4=新潟・開志国際)と蒙古タンメンを食べに行くことがあります。こないだは9の辛さの北極ラーメンを食べました。
神山 美香さん(鈴木美香、社4=東京・早実)は笑いのツボがわからない(笑)。いきなり笑い出すことなどがあるので、美香さんはちょっと不思議でめちゃくちゃ面白いです。
――自分たちはどのような学年だと思いますか
境 自分たちはプレイヤー2人と、学連の子と、トレーナーとの4人が同期なのですが、学連の子があまり練習に参加できていなくて、全員がそろうことはあまりありません。しかし、離れていてもつながっているなと感じられます。いい意味で変わらないで4人で頑張っています。
神山 かなり個性豊かだと思います。それこそ、近くにいるのですが、いい意味で一人一人の良さを出しているので、気を遣わずに素 のままの自分でいられているということはあります。
今井 仲が良くて、お互いに刺激しあえる存在です、ちゃんと尊敬できますし、言いたいことがあればちゃんと言える‥かな?
「チームの人数が少ない分一人一人の持つ力はとても大きい」(境)
境
――インカレでのキーマンはどなたでしょうか
神山 私はレンだと思います。
今井 まじ(笑)?
神山 爆発したら止められないくらいになるので、レンです。
境 私はヤヤ(Gフェスターガードヤヤ、スポ1=宮崎・小林)です。今までの早稲田を知っている訳ではないけれど、スピードや1対1の上手さを持っていて、1年生だけど本当に鍵となる選手です。
今井 私は夢来です。先ほどはリーグ戦に最後に出られなくてとても悔しかったと言っていた分、インカレではすごいことをしてしまうのではないかと思っています。また、ずっと一緒にやってきて、それくらいの強さを持っていると知っているの絵で絶対にチームを勝利に導いていってくれると思います。
――インカレでの「自分のここに注目してほしい」を教えてください
境 私は雰囲気作りです。チームの人数が少ない分 一人一人の持つ力はとても大きいと思うので、試合に出ると出ないに関わらず、ずっと強気でいて、勝ちたい気持ちを、ベンチから声を出すことや試合前の練習で声を出すことから雰囲気を作っていきたいと思います。
今井 私はオフェンスでもディフェンスでも一番リバウンドを撮りたいです。流れが悪い時に流れを作るのはリバウンドだと思っているので、どんなに大きい人がきてもリバウンドに入り続けたいと思います。
神山 私はチームの中で先頭を切って走るということを頑張りたいです。今は3番ポジションでかなり走るのですが、ヤヤとかライさん(船生)はパスを出してくれるので、それをしっかり一試合を通して走り続けることで取って、ゴールにアタックし続けたいと思います。
――チームとしてどのようなバスケをしたいですか
神山 小さい分全員で走って、一人一人がチームのために体を張り続けたいと思います。
今井 今はディフェンスに力を入れて練習をしているので、教えていただいたことを全員で表現できるようにしたいです。
境 先ほど今井さんがおっしゃっていたように、オフェンスがうまく行かなくてもディフェンスで頑張れたら良いと思います。
――最後に意気込みをお願いします
今井 4年生とできるのも。このメンバーでできる大きい大会はインカレが最後なので、今までやってきたことやチームの一体感をコートで全部出せるように声を出して頑張りたいと思います。
神山 レンと同じで4年生とバスケができるのがこれで最後なので、楽しむということと、リーグ戦で勝てなかったのですが、弱いままの早稲田ではないということをしっかり他のチームに見せつけたいと思います。
境 お二方もおっしゃっていたように、本当に最後の大会になってしまうと思うので、全員が楽しむことを忘れずに、リーグではけがも多かったのですが、今回はけがなく全員で最後に笑って終われたらいいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 内海日和、永田悠人)
ボディービルのポーズを取ってくださいました!
◆今井美沙樹(いまい・みさき)(※写真左)
1999(平11)年6月9日生まれ。173センチ。山梨・富士学苑高出身。商学部3年。コートネームはレン。推しへの愛が強いといじられていた今井選手。リーグ戦では悔しさが残ったと語っていましたが、インカレではリバウンドからチームに流れをもたらし勝利に貢献します!
◆神山夢来(こうやま・むく)(※写真中)
1999(平11)年11月6日生まれ。166センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部3年。コートネームはメル。いつもはふわふわしていても、バスケになると一気に集中モードに入る神山選手。けがでリーグ戦には出られなかった分、インカレでは思いをぶつけたプレーに注目です!
◆境美潮(さかい・みしお)(※写真右)
2000(平12)年8月7日生まれ。161センチ。神奈川・座間高出身。スポーツ科学部2年。コートネームはケイ。先輩後輩かかわらず誰とでもすぐに仲良くなれる境選手。インカレでは雰囲気づくりでチームに貢献したいと意気込みを語ってくださいました。