インカレ制覇の夢、ベスト8で終わる

女子バスケットボール

 今年のチーム目標である全日本大学選手権(インカレ)制覇の山場となる三回戦、早大は前回大会で準優勝している愛知学泉大に挑んだ。序盤から相手にリードを許すが、第2Q(クオーター)では2点差に詰めよるなど食い下がる。しかし、エース・C中田珠未(スポ4=東京・明星学園)が負傷離脱し、流れに乗り切れない。課題のリバウンドで終始相手に主導権を握られ、終盤でも点差を縮めたが力尽き67-79で敗北。日本一への挑戦はここで終わってしまった。

 「出だしが悪かった」とC中村美羽(社4=千葉・昭和学院)が振り返るように早大は序盤シュートが入らない苦しい立ち上がり。相手に先制されると徐々にリードを広げられ自分たちのペースに持ち込むことができなかった。連続でシュートを決められるなど相手を波に乗せてしまい8-21で第1Qを終える。迎えた第2Q。早大は中村のシュートで反撃開始。中田を中心に猛攻を仕掛け、F澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)からアシストを受けた中村が沈め2点差にまで詰め寄る。しかし、畳み掛けることができない。「もう一歩頑張れば逆転できた」と大原咲織(スポ2=東京成徳大)。フリースローを決めきることができずに流れを奪われる。愛知学泉大はリバウンドを早大に許さず、3Pシュートも沈めて点差を再び広げ、28-35で試合を折り返した。

厳しいマークに合いながら、ディフェンスを交わしゴールに向かう中田

 第3Qでもリバウンドをとれない苦しい展開。そんな中、前半から厳しいプレッシャーをかけられていた中田が負傷し、早大はエースを失う。だが、F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)を中心に意地を見せ、3連続得点に成功し愛知学泉大に食らいつく。一方、愛知学泉大も負けじとF髙橋華菜主将(4年)が軸となり得点を重ね一進一退の試合展開となった。46-60で始まった最終第4Q。後がない早大は内山のシュートで先制。愛知学泉大にファウルが散見されるようになると早大は追い上げを見せる。F細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)が2本連続、その後内山も1本3Pシュートを成功させ9点差に詰め寄った。しかし、反撃もここまでだった。フリースローを決めることができず、点差を縮められない。ついにはパスカットを許し、引導を渡された。最終スコア67-79で早大はインカレを終えた。

第4Qで2本連続スリーポイントを決める細貝

 『インカレ制覇』を目標に今年戦い続けてきた早大。リバウンドをはじめとした1年を通じての課題を最後まで解決しきれなかった。内山は「気持ちの部分の差だった」と反省を口にした。しかし、評価すべき内容もある。勝利を信じ、追い上げ続けたことだ。あと一歩で逆転には届かなかったが、終盤まであきらめないプレーを見せた。4年生が主体だった早大は、来季に向け一からチームを再建する。今年苦しんだリバウンドといった宿題を確実に克服し、日本一を目指せるチーム作りを期待したい。「悔いのないように頑張ってほしい」(細貝)。先輩たちのエールを胸に突き進む。

(記事 永田悠人、写真 町田華子、内海日和)

第71回全日本大学選手権 12月12日(vs愛知学泉大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 18 21 67
愛知学泉大 21 14 25 19 79
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
C#25 中村美羽(社4=千葉・昭和学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
G#26 船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)
コメント

G船生晴香(スポ3=新潟・開志国際 )

――今の率直なお気持ちを教えてください

終わっちゃったなあという感じです。ずっとこの1年間日本一をとるために色々頑張ってきたので、リーグで悔しい思いをした分、絶対ここで勝って日本一になりたかったのですが、日本一に4年生をさせてあげることができなくて本当に悔しいし、申し訳ないです。

――きょう負けてしまった要因は何だとお考えですか

やはりリバウンドで、簡単に取られてしまって、相手の方が球際が強かったというのもありますが、リバウンドの面で勝っていれば絶対に勝てていた試合だと思います。そこはリバウンドとまたフリースローの差だったなとすごく思います。

――4年生に伝えたいことは何ですか

4年生がいなければここまでこれなかったし、自分はガートとして何かすることはできなかったけど、支えてくれました。感謝ではないけど、感謝してもしきれないです。逆に4年生がこうやって作ってくれたチームを来年は自分がしっかり引っ張っていきたいなと思います。

――新しい体制になりますが、どのようなチームにしたいですか

今年は4年生が主体で出ていたチームだったので、それが抜けるとガラッと変わるし、チームのカラーも変わってくると思います。しかし、そこで今まで出てない人達がこれから出られるようになるわけなので、ポジティブに捉えて、何でもできるくらいの気持ちで、戦力が落ちるとかではなく、チームとして全員で戦っていけるような、1から4年生全員が楽しんでバスケットができるようなチームを作りたいと思います。

C大原咲織(スポ2=東京成徳大)

――今の心境を教えてください

けがもあって、あまりチームのために表すことができなくて申し訳ない気持ちと、終わってしまったという感情です。

――きょうの試合は振り返っていかがですか

リバウンドなどの今年ずっと課題としていたものが最後に出てしまったと感じていて、そこが回り回ってきたので敗因だと思います。

――リバウンドはきょうもだめだったという印象ですか

入りから1つ取られてそこから何回もとられて、高さでは勝っていたはずなので、勢いに差があったのかなと思います。

――第2Qでは2点差まで詰め寄りましたがあの場面は振り返っていかがですか

そこは早稲田の流れにできていて、流れのまま逆転できれば良かったのですが、最後の2点で逆転しきれなくて、もう一歩頑張れば逆転できたかなと思います。

――インカレ全体を振り返っていかがですか

リーグの最後からチーム力を大事にしてきて、いい場面もたくさんあったのですが、リバウンドやフリースローを決めきれないなどの反省点が出てきてしまったのが、最初の2試合も突き放せなかった要因だと思います。

――4年生に向けて一言お願いします

4年生には感謝したいというのが一番で、最後はけがでチームに全然貢献できなかったし迷惑をたくさんかけてしまったので申し訳なかったのですが、やはり4年生と一緒にできたことは楽しかったし、試合にもたくさん出させてもらってたくさんいい経験ができました。これからチームの中心になっていくと思うので、責任感を持ち、4年生を見習っていければなと思います。