あと1点!両者一歩も譲らない対決は筑波大に軍配

女子バスケットボール

 勝負は最後まで何が起こるか分からない。そんなことを感じさせられた試合だった。相手は強敵・筑波大。前半は早稲田ペースで試合が進んでいった。しかし、少数精鋭で臨んだ7人のフレッシュ早稲田に待っていたのは、負傷交代やファウルアウト。第3クオーター(Q)途中からベンチに交代が1人もいない状況に追い込まれた。第4Q開始直後に逆転されるも、点差を離されずに必死に食らいついていく。息を飲むような攻防が続いたがあと1点及ばず、ベスト16進出はならなかった。

 第1Qは、G河村くるみ(教2=神奈川・座間)のスリーポイントや大原咲織(スポ2=東京成徳大)と桂蘭(スポ1=愛知・桜花学園)のコンビネーションで効率よく点数を重ねる。ディフェンスも厳しいプレッシャーを相手にかけ、楽にシュートを打たせない。完全に早稲田ペースで試合が進んでいった。そんな中、ディフェンス中に桂が足を負傷し、ここで交代。第1Qは23ー13と10点差を付けた。第2Qからはルーキー境美潮(スポ1=神奈川・座間)が登場。「試合に出たら思いっきりやることと、ルーズボールやリバウンドを必死に取りに行こうと思っていた」(境)。その言葉通り、ボールに対して必死に食らいついていった。早稲田は前半6点差をつけて折り返す。

果敢にシュートを狙うルーキー境

 突き放したい早稲田は、再び10点のリードを奪う。しかし、第3Q残り3分40秒、F栗田有子(スポ2=東京・明星学園)が5つ目のファウルを取られ、退場すると流れは一気に筑波大へ。相手の連続ゴールで第3Q終了までに2点差まで縮められてしまう。勝負の第4Q。スタートの得点は筑波大に取られ、追う展開に。それでも河村のミドルシュートやF今井美沙樹(商2=静岡・富士学苑)のドライブなどで5点差以上の点差をつけられずついていく。残り1分5秒、ここまで不調だったC大原咲織(スポ2=東京成徳大)がバスケットカウントを獲得し、ついに同点。落ち着いてフリースローを決め、逆転する。しかし、相手もすかさず反撃し、69ー70。なんとか一本取りたい早稲田だったが、河村が残り27秒で5ファウルを取られ、ベンチへ下がった。1点ビハインドでコートに4人しかいないという大ピンチ。その後、筑波大が2点追加し、3点差へ。残り時間がなくなっていく中、果敢に攻めたのは今井だった。ドライブで相手のディフェンスをかいくぐり、残り6、9秒で再び1点差に。しかし、反撃はここまで。1点差を縮めることができず、宿敵・筑波大に敗れた。

大原の同点に追いつくシュートで盛り上がる選手たち

 最後までどちらが勝つか分からない白熱した試合だった。早稲田は前半試合の主導権を握ってプレーしていただけに、悔しい一敗となった。しかし、1、2年生だけで戦ったこの新人戦は収穫も多い。境は記念すべき公式戦初ゴールを決め、「すごくうれしい」と話す。それぞれが役割を果たし、活躍を見せたフレッシュ早稲田。「トーナメント(関東大学女子選手権)では、他のチームと比べて層の薄さが目立っていると感じた」と言う神山夢来(スポ2=埼玉栄)。新人戦の2試合で得た収穫や課題を秋の関東大学リーグ戦(リーグ戦)にぶつけていきたい。

(記事 瀧上恵利、写真 池田有輝)

第9回関東大学女子新人戦 6月9日(vs筑波大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

23 15 15 18 71
筑波大 13 19 19 21 72
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 神山夢来(スポ2=埼玉栄)
G#17 河村くるみ(教2=神奈川・座間)
F#6 栗田有子(スポ2=東京・明星学園)
F#18 桂蘭(スポ1=愛知・桜花学園)
C#7 大原咲織(社2=東京成徳大)
コメント

F神山夢来(スポ2=埼玉栄)

――きょうの筑波大戦はどのような気持ちで臨みましたか

楽しんで自分たちらしくどんどん攻めていこうと思って臨みました。

――惜しくも1点差で敗れてしまいましたが、チーム全体のプレーを振り返っていかがですか

それぞれのいいところが全部出たなと思いました。この前の試合でもチームのつながりを大事にしていたのですが、きょうは特に一人一人が「もっと頑張ろう」という声かけをしていたので、1、2年生でちゃんとチームになったと感じました。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

1Qで無得点で全然攻められなかったんですけど、自分がダメだからしっかり声出してディフェンスをして他のところで頑張っていました。2Qからはボールをもらってチャンスだったので、決めるしかないと思って何も考えずに攻めました。

――ファウルアウトで人数が減った時のチームの雰囲気はどうでしたか

4人でも関係ないから頑張ろうと声かけていました。ベンチに下がっていた2人も声を出してくれていたので、ファウルアウトしていったことに関しては特に何も思わなかったです。

――相手のプレッシャーもすごい中、フル出場で体力面は大丈夫でしたか

きついという気持ちを通り越して楽しかったです。

――最後のタイムアウトの時にはどんな話をしていましたか

まだ追いつけるということを話していて、誰も諦めていなかったです。ここまで来たら全部出し切ろうということでプレーに入りました。

――何か作戦などはあったのですか

特になかったです。インサイドを攻めるということでセンターを使おうと思っていたんですけど、レン(今井美沙樹、商2=山梨・富士学苑)がドライブに行って決めたので、最後は誰が行っても良かったです。

――秋に向けての意気込みをお願いします

トーナメント(関東大学女子選手権)では他のチームと比べて層の薄さが目立ってチーム全体の底上げが必要だなと感じていました。新人戦を通して自分たちがもっとやらないといけないと改めて思いました。次は3、4年生のレベルに一人一人が追いついてチームを下から勢いづけていきたいです。

境美潮(スポ1=神奈川・座間)

――きょうの試合にはどのような目標を持って臨みましたか

チームとしては、早稲田らしいプレーをしながら楽しむことを目標にしていました。個人としては、今まではそんなにプレータイムがなかったので、試合に出たら思いきりやることと、ルーズボールやリバウンドを必死に取りに行こうと思っていました。

――きょうのプレーを振り返っていかがですか

初めてこんなにプレータイムがもらえた中で、練習してきたディフェンスとかはできていなかった部分がすごく多かったです。でも初めて得点ができたというのはすごくうれしかったです。

――ご自身のアピールポイントを教えてください

ルーズボールを必死に取りに行くとか、誰にでも頑張れるところを誰よりも頑張っています。

――今後に向けて抱負などをお願いします

1年生は2人しかいないのですが、もう1人の子は試合に出ているので、自分もこれからチームの底上げができるように練習から頑張っていきたいです。