粘りきれず3連敗。収穫と課題が見えた大会に

女子バスケットボール

 いよいよ最終日を迎えた関東女子大学選手権(トーナメント)。白鴎大、拓大に2連敗した早大は東京医療保健大との3位決定戦に挑んだ。第1クオーター(Q)は連戦の疲労からかパスミスやシュートミスが目立ち、一時は18点差まで引き離される。そんな中、G船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)がコートに立つと悪い流れを断ち切り、前半を4点ビハインドで折り返した。後半なんとか逆転したい早大だったが、第3Qの残り3分頃から相手のスリーポイントや速攻が決まり、点差が広がり始める。最後までその差を埋めることができず、64−84で試合終了。今季初の公式戦はベスト4で幕を閉じた。

 第1Qはなかなか流れを掴めなかった。リバウンドを相手に取られる場面が多くなると、自らのシュートも当たらなくなる。7分を過ぎるまでに1ー19と大きく差を広げられ、追う展開に。そこで早大は船生を投入する。落ち着いて一本を取りたい場面で、船生はガードとしてシュートをアシストし、早大に流れを手繰り寄せた。C大原咲織(スポ2=東京成徳大)と船生の連続シュートから流れに乗ると、C中田珠未(スポ4=東京・明星学園)がゴール下で強さを見せ、第1Q終了時点で10点差まで点差を縮めた。第2Qは一進一退の攻防が続くが、大原や中田の活躍で点を稼ぐ早大。ラスト1秒で好調の細貝野乃花(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)がセンターライン付近から放ったボールはゴールに入った。このブザービートは今試合一番の盛り上がりを見せ、前半を28―32で折り返した。

前半悪い流れを変えた船生

 後半は早大ペースで始まった。澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)のシュートで先取すると大原、細貝が続き逆転に成功する。しかし相手の粘り強いディフェンスで得点を重ねられず、木村亜美(東京医療保健大)の連続ポイントですぐに逆転されてしまう。なんとか食らいついていきたい早大だったが、足が止まり、ファウルが重なる。この後ミスが続き、一気に突き放されてしまう展開に。相手のスリーポイントや速攻が決まり始めると、流れに飲み込まれた。64−84と18点差をつけられ、苦杯を喫した。

 「本当に実力の差だった」(船生)。追いつき追い越せるチャンスがあった中で、自分たちのミスから流れを掴めなかった。苦しい時間帯にコートに立っている一人一人がどれだけ自分の役割を果たせるか。スターティングメンバーの5人だけでなく、チーム全員の力が不可欠だ。個人の能力は高い早大。ベスト8賞に中田、3P王に細貝、リバウンド王に大原が選出された。しかし勝敗はチームの中でどれだけ個人が機能できるかで決まる。まだシーズンは開幕したばかりだ。今大会見つかった課題を早慶戦、関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)、全日本大学選手権(インカレ)につなげていきたい。

6試合で23本のスリーポイントを決めた細貝

(記事 瀧上恵利、写真 阿部かれん)

第53回関東大学女子選手権 5月12日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

12 16 12 24 64
東京医療保健大 22 10 22 30 84
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
F#23 澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
C#7 大原咲織(社2=東京成徳大)
コメント

F内山未悠(社4=愛知・桜花学園)

――トーナメント最終戦どのようなお気持ちで臨みましたか

チームみんなであと1試合強いチームと戦えるというところで、勝ちに行くのはもちろんですし、全員が楽しんでインカレにつながるような試合をしていこうと話しました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分たちのディフェンスができなかったりとか、個人の反省にもなってしまうんですけど気持ちの面で負けていたなというところもあって、相手がやってくるとわかっていたところも止めれなかったなという感じです。

――1ピリで離されてからどのように立て直しましたか

出だしがあまり良くなかったんですけど、ベンチからも声かけをしてくれたりとか、みんなで雰囲気を上げて戦えたのが自分たちに波が来たのかなと思います。あと自分たちの走るバスケットができたときにはファウルだったり点数につながったかなと思います。

――後半突き放されてしまった要因は

ひとつひとつのディフェンスもそうですし、決め切るシュートであったりとか、簡単なミスとかもしてしまったのが相手に持っていかれてしまったかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

この大会を通して自分の弱さを痛感したし、全然成長できていなかったなと思ったので、つなげるしかないと思うので、また自分でしっかり修正して色々話したりとかしていきたいなと思います。

――今大会を通して得た収穫は

初めてスタートで大原さん(咲織、スポ2=東京成徳大)が出たんですけど、そこがすごく頑張ってくれて、点取ったりとか活躍してくれたのはチームとしてもひとつ収穫だったのかなと思うし、たくさん一試合一試合でした課題も見えたのでそれもひとつひとつ収穫だったかなと思っています。

――逆にこれから改善していきたい点は

本当にたくさんあるんですけど、ディフェンスもオフェンスも色々ある中で、コートに立った時に自分の役割を一人一人が強気で全うするというのがもっとできていけたら自分たちの良さも出るかなと思います。

――次は早慶戦が待っていますが意気込みをお願いします

早慶戦も大事な公式戦なので自分たちが今回得た課題をしっかりつなげられるような試合にしていきたいと思います。

船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)

――今大会の最終戦でしたが、どのような意識で臨まれましたか

今大会中に、自分は出て流れを変える役割だったのに全然できませんでした。チームに負担をかけてしまっていた部分があったので、最後は自分が引っ張るんだというぐらいの気持ちでやろうと思っていました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最初の出だしで早稲田は1点しか取れなくて、相手はセンターなどを使って点を取ってきました。出だしで点数を取られて、追いついてもまた離れてしまうことの繰り返しだったので、そういう波を少しでも早く切れるようにしたいです。そのためにチーム全体で声をかけて盛り上げる雰囲気を作れるようにしていきたいなと思いました。

――前半で苦しい場面が続いた中、船生さんの出場で悪い流れが変わりました。監督やコーチから何か指示はありましたか

とりあえず前の試合も自分のディフェンスができなくてやられた部分があったので、ディフェンスからしっかり入ろうと思いました。負けていたのでもっと点を取らなければいけないと思っていたし、コート上の選手が暗かったので、率先して盛り上げていけば絶対に波が来るから声かけをしっかりしていこうと思って入りました。

――中盤追いつく場面もありましたが、最終的には突き放された要因はどこにありますか

本当に実力の差だと思います。自分のミスマッチを突かれてやられた部分がありました。ディフェンスでやられた分をオフェンスで取り返すこともできませんでした。相手が走ってきたのに対して自分たちも走れませんでした。もっと相手が走ってきた時に流れを切るように1本作るとか自分がガードとしてやらなきゃいけなかったと思います。そこは本当に反省しないといけません。

――今大会を通しての収穫はありますか

個人的には試合には絡むことができたけど、少し出て下がることが多くて、少しの時間でしっかり自分の役割を果たさないといけないなと思いました。やっぱり5人では戦えないし、そのためには自分や下の学年の人たちがもっと底上げしていかないといけないと思うし、チームとしてもいい流れの時はいいバスケットができているからそこは強みとして今大会でできなかったことをリーグ戦に向けてまた1からしっかり克服していけたらいいなと思います。

――夏に向けて強化したい点はどこでしょうか

個人としては試合の流れを読んでゲームメイクをできるようにガードとして自覚を持ってプレーできるようにして、得点力をつけたいです。チームとしてはオフェンスができなくてもディフェンスができれば負けないと思うし、ディフェンスが崩れてしまうと自分たちは負けてしまうと思ったので、個人のディフェンス力を上げていきたいです。リーグ戦では今までと違ったディフェンスができる早稲田を見せられたらいいなと思います。