関東大学女子選手権(トーナメント)も残すところ2日となり、決勝リーグでは熱戦が繰り広げられている。きのう惜しくも白鷗大に敗戦を喫した早大は拓大との試合に臨んだ。出だしは拓大の留学生選手によるゴール下のプレーに苦しみ、スタートダッシュに失敗するが、第2クオーター(Q)ではディフェンスを修正し、1点ビハインドで前半を折り返した。勢いそのままに試合を制したいところだったが、後半ミスが続き流れは拓大のものに。一気に波に乗った拓大を抑えることができず、どんどん点差は開いていき66-86と決勝リーグ2つ目の痛い黒星となった。
前半は出だしで乗り遅れるも拮抗(きっこう)したゲームを展開した。第1Q、拓大の留学生選手にゴール下でポジションを取られ、何度も裏にパスを通され序盤から苦戦を強いられる。オフェンスでもなかなか早大のシュートは当たらず、リードを奪われてしまう。しかし第2QではC中田珠未(スポ4=東京・明星学園)とC大原咲織(スポ2=東京成徳大)のセンター陣が積極的にリバウンドへの飛び込み、ゴール下のディフェンスも修正。早大に流れを引き寄せ、29-30と1点差まで詰め寄り前半を終えた。
うまく相手をかわしシュートを放つ中田
「自分たちの流れになりかけて流れを引き寄せられないことが多い」とF細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)が語ったように、後半は再び拓大のリズムに持っていかれてしまう。第3Qではゴール下でノーマークができてしまうなど連携ミスが目立ち始める。拓大はインサイドだけでなくアウトサイドからもゴールを射抜き、このクオーターのみで36失点。あとがない最終Q、巻き返しを図るが拓大の勢いは止まらずなかなか点差は縮まらない。終盤にF桂蘭(スポ1=愛知・桜花学園)のスリーポイントが2本決まるも追い上げは空しく、66-86と20点差で敗戦を喫した。
細貝はきょう4本のスリーポイントを決めた
ゴール下での失点について「今年度課題になっているコミュニケーションが取れていなかったことがノーマークを作った原因」と大原は振り返った。トーナメントの決勝リーグでは留学生センターの活躍が目立つ中で、インサイドをどれだけ抑えられるかがカギになるだろう。日本代表候補にも選出された中田、現在トーナメントのリバウンドランキング1位の大原と期待の高いセンター陣が揃う中、あすの試合ではどのような展開を見せるのか注目したい。
(記事 阿部かれん、写真 瀧上恵利、森田和磨)
第53回関東大学女子選手権 5月11日(vs拓大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
13 | 16 | 21 | 16 | 66 |
拓大 | 20 | 10 | 36 | 20 | 86 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園) F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女) F#23 澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院) C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園) C#7 大原咲織(社2=東京成徳大) |
コメント
F細貝野乃花(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きのう負けてしまってチームとしてどんよりしていたんですけど、勝ち負けではないと思うので今後につながるような試合ができたらいいなと思って、自分たちがやってきたことを40分間徹底しようって話し合っていたんですけど、1試合通してできなかったのはまだまだ課題かなと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
出だしは簡単なシュートを外してしまったこと、ノーマークのスリーも含めてレイアップなどのイージーシュートを決め切れなかったことが自分たちの波に乗れないところだったと思うし、最初結構中でやられていたと思うんですけど自分たちが攻められていなかったわけではないからこそ、決め切る場面で決め切ることができなかったことが課題だなと思いました。
――相手のゴール下へのパスからやられる場面が多かったと思いますが
きょうはずっとボールマンプレッシャーを意識しようとやってきたんですけど、どうしてもやられてしまう場面はあると思うんですけど、やっぱりそこでやられすぎました。ただそれだけではなくリバウンドを取れなくてセカンドチャンスにやられたり、チームとして決まりごとが出来ずにドライブでやられたり速攻で走られたりと、全体的に最後の方は気持ちで崩れてしまっていたと思いました。そういう時はコートに出ている4年生がもっと引っ張っていけないのかなと思いました。
――第2ピリオドでは守れていた印象でしたがなにか差はありましたか
自分たちの流れに一瞬なりかけたと思うんですけど、きのうとかこの前はなりかけて流れを引き寄せられないっていうのがすごい多いので、その2ピリはなりかけた時に畳み掛けるように走ったり自分たちのやることを徹底したりとかが出来たら良かったなと思うので、あしたまだラスト1試合あるのでそこを修正できるように頑張ります。
――後半に点差を広げられたことについてはどうですか
やばいなって思った時に自分自分自身もファールしてバスカンを与えてしまったその前後から崩れ始めてしまったので、ゾーンになった時の攻め方だったり逆にゾーンとか意識せずにゴールにアタック出来たら良かったなというのと、オフェンスでシュートが入らない時にディフェンスで我慢出来ずに連続失点してしまったというのは多かったなと思って、そこをしっかり受け身にならずに先手で守れれば良かったかなと思います。
――あすへの意気込みをお願いします
シーズンインしてから今までやってきたことがしっかり発揮できるようにやりたいなというのと、自分自身これまでやってきたことをしっかり出して次につながる試合が出来たらいいなと思います。
C大原咲織(スポ2=東京成徳大)
――マッチアップする拓大のクンバ選手をどのように抑えてようと思って臨みましたか
裏パスなどの留学生選手を中心としたプレーで攻めてくるというのは分かっていたので、そこばかりでやられないようにしようとしていました。またアコさん(C中田珠未、スポ4=東京・明星学園)とコミュニケーションを取りながら、守っていけたらいいなと思っていました。
――きょうの試合全体を振り返ってどうですか
自分たちの流れになった時に思いっきり点差を引き離すことができなかったということと、相手の流れになった時に相手のリズムになってしまい、粘ってくっついていくことができなかったことで最後に離されてしまったのかなと思います。
――相手にゴール下に走られる部分が多かったですが、いかがですか
今年度課題になっているコミュニケーションが取れてなかったと思います。自分が遅れた時に喋ってお願いすることができなかったので、コミュニケーション不足がノーマークを作る原因となってしまいました。
――第2ピリオドではそこの部分が改善されていましたが、どのような意識を持って臨まれましたか
ベンチでここから悪い流れを切っていこうとムウさん(内山未悠、社4=愛知・桜花学園)から話がありました。みんなで自分たちの流れに持っていこうという意識が高まったと思います。
――後半に点差を離されてしまいましたが、その要因は何ですか
自分たちのミスが続いてしまって気持ちの面でも落ちていった部分があると思います。ベンチでもコート上でももっとコミュニケーションを取って自分たちの流れに持っていけたら良かったなと思います。もっと声を出して強気でいければ良かったです。
――あすの試合に向けての意気込みをお願いします
2敗してしまって最後の試合になるので、しっかり勝って終わりたいと思います。また個人的には東京医療保健大と戦うのは初めてなので、チャレンジャーとして思いっきり自分のプレーを出して行きたいです。