痛すぎる一敗。優勝が遠のく展開に

女子バスケットボール

 優勝から遠のく痛すぎる1敗を喫した。関東大学女子選手権決勝リーグ1日目、相手は今まで数々の激戦を繰り広げてきた白鴎大。点差が大きく離れることなく試合は終始拮抗(きっこう)した展開に。果敢に攻め相手からのファウルをもらうもフリースローをなかなか二本連続で決めきれず、守備では軸丸ひかる(白鴎大)を捕まえきれず得点を量産される。F細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)のスリーを中心に反撃するも白鴎大の攻撃を止めきれず、試合終了。65-74で敗れた。

 第1クオーター(Q)、F澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)を中心にボールを動かしながら攻めたい早大だったが、相手のディフェンスを崩しきれない。それでも要所でC中田珠未(スポ4=東京・明星学園)のドライブなどで点数を稼ぎ、少しリードのまま試合を進めて行く。第2Q、中田やC大原咲織(スポ2=東京成徳大)がゴール下で踏ん張り、無類のリバウンドの強さを誇るシラ・ソハナ(白鴎大)に食らいついていく。相手が2分弱でチームファウルになり、一気に畳み掛け点差を離したい早大だったが、思うようにシュートが入らずジリジリと点差を詰められる。早大もチームファウルになると与えたフリースローを二本とも沈められ、33-34と初めて白鴎大にリードを許したところで前半を折り返した。

インサイドの厳しいマークの下、戦い抜いた中田

 流れをものにしたい早大は中田の得点で後半を開始。続いてF内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)のドライブで点差を広げる。その後はお互いディフェンスで粘り続け一進一退の攻防を見せる。またも6分過ぎで白鴎大がチームファウルとなったため、強気で攻め続けたいところだったが軸丸のスリーポイントやドライブに翻弄される。最終Qに入る前に中田、大原の二人が4ファウルになりゴール下に不安を覚えるも内山がディフェンスリバウンドを連取し簡単にはやらせない。迎えた最終第4Q、相手の連続得点で点差を二桁に持って行かれてしまう。内山、澁谷の連携がうまくいかなかった一瞬の隙を突かれ失点し、たまらずTOを取る。細貝のスリーポイントや中田、澁谷のドライブなど何本かいい形で点数を重ね追撃する。しかし、時間を使いながらフリーにした選手を使ってスリーポイントなどを狙ってくる白鴎大の攻撃を受け止めきれず点差は縮まらない。中田が最後まで気を吐くもここまで。65-74で敗れ決勝リーグ1戦目を落とした。

体を張って攻守ともに貢献した内山

 課題の残る敗戦となってしまった。「相手のチームのシュートが入り始めたときにそこを守れなかった」(中田)などディフェンス面での課題があがったが、特に悔いが残るのはフリースローの部分だろう。白鴎大がチームファールになる時間が早かったこともあり、打つ場面が多かったが早大は計11本のフリースローを外している。勝負の世界に仮定を持ち出すのはナンセンスだが、成功率が高ければ十分に早大の勝利も見えていただけに勿体無いと感じてしまう。しかし、収穫もあったはずだ。中田のドライブ、細貝のスリーなど随所で選手たちは持ち味を発揮していた。「それぞれにいいバランスのメンバーがそろっている」(内山)と語るように、それぞれの攻撃のピースがうまくハマればより早大らしいバスケットを見せてくれるだろう。決勝リーグということで、まだ何が起きるかわからない。ここでしっかりと切り替えて残り2戦、存分に早大のバスケットを見せて欲しい。

(記事 森田和磨、写真 瀧上恵利)

第53回関東大学女子選手権 5月10日(vs白鴎大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 15 12 20 65
白鴎大 15 19 17 23 74
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
F#23 澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
C#7 大原沙織(スポ2=東京成徳大)
コメント

F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)

――どのようなゲームプランで臨まれましたか

相手がどうこうというよりも、どんな相手であっても自分たちがやってきたディフェンスやオフェンスを出すだけと主に話していて、その中で相手は高さがあるので、そこに対してどう戦うかと話してはいたんですけど、自分たちのバスケットができなかったのが大きかったです。

――試合を振り返っていかがですか

2回くらい競ったところで、こっちがミスをしたり、相手のシュートを抑えられなかったり、と粘ることができなくて、点差が離れてしまいましたし、個人的にはフリースローとか簡単なシュートの積み重ねが9点差になってしまったと思います。春としては課題がたくさん見つかりました。

――チームとしてもフリースローがなかなか決まっていませんでした

大事なところでなくても決めなければいけないシュートだと思いますし、1点1本は結構大きいので、そこを決め切れるような練習もしなければいけないと思います。

――ソハナ選手(白鴎大)などの高さがある選手をそろえている相手に対して守備のやりにくさはありましたか

そこでくるというのは分かっていたんですけど、後手に回ってしまいました。もっと先手で、中を守って、外に出させて、そこをチェックにいくような攻撃的なディフェンスもできなくて、パスを回されてそれに後手になってしまったので、そこは試合中でもアジャストをしなければいけなかったですし、コートの中でもっと喋らなければいけなかったです。

――自分たちのバスケットができなかったというお話でしたが、どのような攻撃のかたちを目指していらっしゃいますか

まだそこまでメンバーがそろっていない中で、たくさん練習をしてきていないので、これから伸びる部分かなと思っているんですけど、スリーポイントシューターがいたり、中ですごく取ってくれる選手だったり、ドライブが得意な選手だったり、それぞれにいいバランスのメンバーがそろっているので、その良さを生かすオフェンスが自分たちの持ち味だと思います。

――まだ試合は残っていますが、どのように戦っていきたいですか

決勝リーグなので、どうなるか分からないですし、最終目標のインカレにつながるような残り2試合に絶対にしたいので、しっかりと切り替えてやっていきたいです。

C中田珠未(スポ4=東京・明星学園)

――今日の試合を振り返って全体としてはいかがでしたか

最初の方は競っていてそれでもこっちの方がずっとリードしていたにも関わらず、前半詰められてから終えてしまったというのと相手の勢いにやられてしまったことで、勝てる試合を自分たちの良くないところとかのために、相手におされて勝てはずの試合を勝ちきれなかったというのが良くなかったなと感じています。

――流れが変わってしまったポイントなどはありましたか

相手のチームのシュートが入り始めたときにそこを守れなかったのが、やっぱりバスケってシュートを決めるスポーツなのでそれが原因なのかなと思います。

――相手チームは当たりの強さ等が目立つように感じられましたがいかがでしたか

相手は結構チームとして作って来ているしベンチメンバーの活躍とかも結構光っていて、それに対して早稲田は今けが人もいてベンチメンバーも交代もいなくて、代わる代わる出てくる相手に体力面でもフレッシュさにやられてしまったというところはありました。

――自身は試合にずっと出場し続け、終盤に4つ目のファールを取られるなど苦しいところもあったと思いますが、自分のプレー振り返っていかがでしたか

4つ目のファールがちょっと気にくわないというか「うわ、マジか」というようなファールだったのでそこは悔しいというか、してやられたという感じはありました。しかしそれでももし交代メンバーが来たとしても絶対最後まで残ると思いながらプレーしていたので、監督がそれを信じて出し続けてくれたっていうのはすごく良かったなと思っています。自分だけがやらなければいけないっていうことではないけれど、いろんなことを経験しているのでそういうところを表現することが自分の役割だと思っています。ファールが4つになった分みんなもヒヤヒヤしちゃって良くなかったかなというところはありますが、それでも最後まで出し続けられたっていうのは自分としては成長というか今日得たものはあったんじゃないかなと思います。

――明日の意気込みをお願いします

トーナメントですがベスト4以上はリーグ戦で、まだ2試合残っているし、去年も2勝して最後の試合で17点差ぐらいで点差開いて優勝できなかったので、今回は負けてしまったんですけれどもまだ明日明後日自分たちの試合もそうだし、残りの3チームがどうなるかによっても順位が変わってくるので、どんなゲーム展開になったとしてもしっかり自分たちのバスケットを貫いて最後まで諦めずに頑張っていきたいです。