いよいよベスト8が出そろい、佳境を迎えた関東大学女子選手権(トーナメント)。今大会で初となる1部リーグ所属のチームとの対戦となったが、序盤からインサイドとアウトサイドをうまく生かし、シュートを決めていく。後半は自らのミスからテンポを崩してしまう場面もあったが、序盤に作った圧倒的なリードを守りながら、試合を優位に運んでいった。88ー53で見事松蔭大を破り、ベスト4進出を決めた。
圧巻の立ち上がりであった。先制点をF澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)が決めると、その後は終始早稲田のペースに持ち込んだ。「きのうはリバウンドも取れず、ディフェンスもできなかったので、自分たちのオフェンスに繋がらなかった」(澁谷)という反省を生かし、きょうはオフェンスリバウンドを取り、セカンドチャンスからの得点が多かった。またインサイドからの攻撃が増えると、ディフェンスが薄くなるアウトサイドからの攻撃も生きてくる。きのう5本のスリーポイントを決め、「今シュートタッチが非常に良い」と話していたF細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)はきょうも前半に5本のスリーポイントを決めた。インサイドとアウトサイドの両方で得点を重ね、前半で50ー14と一気に相手を突き放した。
司令塔としてチームに指示を与える澁谷
前半の流れのまま後半もゲームを支配したい早稲田だったが、第3クオーター(Q)からはオフェンスリバウンドも奪われるようになり、なかなか思うようにシュートを決めきることができない。シュートミスで相手に攻撃のリズムを渡してしまう場面も見られ、高林奈々(松蔭大)の連続スリーポイントなどで点差が縮まる。しかしそんな場面では「ディフェンスからしっかりやろうと声をかけていた」(澁谷)と焦ることなく、ディフェンスから持ち直した。C大原咲織(スポ2=東京成徳大)や澁谷が第4Qに得点を重ねていく。またフレッシュな桂蘭(スポ1=愛知・桜花学園)の堂々としたプレーも光った。「大学では高校よりも当たりが強くなっている」(桂)と感じながらも、恐れずにインサイドへ切り込んでいった。最後は早稲田のかたちを取り戻し、88−53で試合終了。ベスト4進出が決まった。
1年生ながら果敢に攻めていく桂
オフェンスとディフェンスが噛み合った前半の戦いぶりは、まさに圧巻。この早稲田を止めるのは容易ではないだろう。きょうの勝利で決勝リーグ進出が決まった。次のステージである決勝リーグの初戦の相手は白鴎大だ。高さのある相手に対してどのように挑んでいくのか。リバウンドやディフェンスから足を動かして流れを作れるかどうかが勝負のかぎになるだろう。トーナメント優勝まであと3試合。早稲田の負けられない戦いが続く。
(記事、写真 瀧上恵利)
第53回関東女子選手権 5月9日(vs松蔭大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
19 | 31 | 19 | 19 | 88 |
松蔭大 | 9 | 5 | 10 | 29 | 53 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園) F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女) F#23 澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院) C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園) C#7 大原咲織(スポ2=東京成徳大) |
コメント
F澁谷咲月(スポ4=大阪薫英女学院)
――きのうは前半からうまく流れに乗れなかったという反省がありましたが、きょうの試合はどのような意識で臨まれましたか
きのうはリバウンドも取れず、ディフェンスもできなかったので、自分たちのオフェンスに繋がらなかったという反省がありました。きのうはブレイクも少なかったので、とりあえず走ってディフェンスから流れを作ろうと言っていました。オフェンスのタイミングには気をつけていたので、きょうの出だしは流れに乗れて良かったです。
――きょうの試合全体を振り返っていかがですか
前半はみんなが積極的にシュートを狙ってディフェンスもうまくいきました。しかし後半は自分たちのミスが目立って相手のペースになってしまう場面があったので、そこが自分たちの課題だと思います。
――後半シュートが決まらず、苦しい展開になった場面ではどのような声をかけていましたか
コートの中には4年生が中心として出ているので、とりあえずディフェンスからしっかりやろうと声をかけていました。
――苦しい場面でも澁谷選手のスリーポイントや速攻などが決まっていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
試合が始まる前にコーチからガード陣がもっと切り込んでいかないといけないという話をされていました。自分の攻めから始めるということを意識していました。前半も切れたということは良かったと思います。しかしゲーム全体をあまりコントロールができず、流れに乗れるようなプレーもできなかったかなと思っています。そこを反省して次に生かしたいです。
――きょうは1年生の活躍も光りました。先輩の目からどのように見ていましたか
すごく頼もしいです。1、2年生が試合に出てのびのびとやってくれることで、私たち上級生も元気が出ます。「よし、いけいけー」と気持ち的に乗れるのでがんがん行ってほしいと思います。
――明日の試合への意気込みをお願いします
何事も挑戦だと思うので、チャレンジャー精神を持って挑みたいと思います。
F桂蘭(スポ1=愛知・桜花学園)
――これまでの3試合戦ってみてどうですか
先輩方に助けてもらっている場面が多かったので、もっと自分の良さがあとの3試合で出せたらいいなと思います。
――きょうの試合を振り返ってどうでしたか
最後のシュートの精度が良くなかったので、もっと精度を高めていきたいと思いました。
――1年生ながら堂々としたプレーが光りましたが、大舞台では緊張しないタイプですか
そんなことないです。めちゃくちゃ緊張しています。
――高校と大学のバスケはどんなところが違うと思いますか
当たりの強さが全然違いますね。大学の方がシュート際での当たりが強くて、最後のシュートを決めきるのが大変だと思います。
――練習からそういう部分を意識しているのですか
そうですね。当たって負けないようにやっています。
――先輩などで憧れている選手はいますか
主将の内山さん(未悠、社4=愛知・桜花学園)です。当たりの強さがすごくて、当たってもバランスを崩さずに自分の体勢で打てているのがすごいです。そんな選手になりたいと思います。
――あしたの試合に向けての意気込みをお願いします
あしたから決勝リーグが始まりますが、先輩方に助けてもらうばかりではなく、自分も少しでもチームに貢献できるようにしたいです。