関東大学女子選手権(トーナメント)決勝リーグ2日目、早大は山梨学院大と対戦した。きのうの勝利の勢いそのままに試合に入りたい早大だったが、前半は相手のディフェンスに苦戦する。しかし、徐々に対応していくとC中田珠未(スポ3=東京・明星学園)の31得点24リバウンドの活躍も目立ち、93-67で勝利し二連覇へ王手をかけた。
試合の出だしはなかなかペースをつかめなかった。「不思議な守り方をしていて、ちょっと構えてしまった」と中田が話すように、攻めあぐねてしまいインターセプトを食らう場面も多く点差をつけることができない。しかし第2クオーター(Q)、F澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)の気持ちの入ったディフェンスや中田のシュートブロックで流れをつかみ始める。後輩に負けじとG高田静(スポ4=山形市立商)もパスで魅了し、C田中真美子(スポ4=東京成徳大)が得点を重ね、38-28で試合を折り返す。
きょう一番の立役者、中田
後半開始前、早大はベンチの声出しで会場の雰囲気を作っていく。そんな声に後押しされるように攻撃の歯車がかみ合っていく。F内山未悠(社3=愛知・桜花学園)を筆頭に全員が懸命に走り、パスの出所を絞らせない。「インサイドがコンスタントに点数を取ってくれた」と渋谷が話すように、中田の3連続得点などゴール下で山梨学院大を圧倒し得点を重ねていく。山梨学院大のシュートが落ちても中田と田中のセンター陣がボールを渡さない。第4Qは高田のパスもさえ渡り、相手に点差を保った。終盤にはF細貝野乃花(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)とG長谷川玲子(社4=福井・足羽)もそれぞれスリーポイントシュートを沈めるなど最後まで高い集中力を維持した早大は最終スコア93-67で勝利した。
攻守ともに落ち着いたプレーでチームを支える澁谷
きょうの試合で特筆すべきなのはやはり中田のプレーだろう。ワセダのゴール下に中田あり、そんなことすら感じさせてしまうほどの存在感を放っていた。しかし、早大の強みは中田だけではない。今大会チームを抜群の得点力で引っ張ってきた内山は献身的な走りでチームを支え、田中はオフェンスとディフェンスでうまさと安定感を兼ね揃えながらもタフに戦い続ける、チーム一人一人が勝利のために自分にできる役割を全うする姿勢こそが今年の早大の最大の強みだろう。いい流れに乗ってむかえることが出来る最終戦、二連覇はすぐそこだ。
(記事 森田和磨、写真 阿部かれん、石井尚紀)
第52回関東大学女子選手権 5月12日(vs山梨学院大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
17 | 21 | 32 | 23 | 93 |
山梨学院大 | 16 | 12 | 22 | 17 | 67 |
G#21 高田静(スポ4=山形市立商) C#14 田中真美子(スポ4=東京成徳大) F#23 澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院) C#33 中田珠未(スポ3=明星学園) F#37 内山未悠(社3=愛知・桜花学園) |
コメント
F澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
出だしがあまり良くなくて自分たちのペースになかなか持ち込めなかったんですけど、インサイドを起点に得点を取ることができたのは良かったんですけど、外の得点があんまりだったかなと思います。
――第1クオーターでは競りましたが
いつもと違うディフェンスの形だったので攻めの切り口がわからなくて攻めることができなかったという部分と、ディフェンスでも相手の勢いを殺せなくて受け身になっていたかなと思います。
――早大の流れにできた要因は
インサイドがコンスタントに得点を取っていてくれていたのと、第3クオーターで内山さんが走ってくれてそこから流れが作れたかなと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
後半は走れて得点も取れたんですけど、一試合を通して得点を取り続けることができなかったので、アウトサイドのシュートもきょうは全然だめだったかなと思っていて、ディフェンスもできた部分とできなかった部分が両方あるので「うーん」という感じです(笑)。
――明日はいよいよ最終戦ですが意気込みをお願いします
ワセダらしいプレーでしっかり戦ってチーム全員で勝ちたいと思います。
C中田珠未(スポ3=東京・明星学園)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
リーグ戦なんですけど、トーナメントは負けたら終わりというのがあって、一戦必勝で、完全優勝を目標にしてやっていて、きのうの白鴎大戦がヤマ場のような感じで、一番みんな気が引き締まっていて、そこで結構点差をつけて勝てたんですけど、その中で倉石さん(平氏、昭54教卒)も足元をすくわれないようにという声掛けがあったので、またきょうは改めて気持ちを引き締めてみんなできたかなと思います。
――きょうのオフェンス面の出来はいかがでしたか
相手がチームファウルが混んでいる時があったので、しっかりそういう時はリングに向かって行けたかなと思うんですけど、相手がゾーンなんですけどゾーンじゃない、ちょっと不思議なディフェンスをしていて、ちょっと戸惑っちゃって、1ピリはあんまり自分たちらしいプレーもできなくて、そういう意味では相手の守りにアジャストするのが遅かったかなというのが反省です。
――その苦戦された1ピリ後にチーム内で話し合われたことはありますか
最初はゾーンだけど不思議な守り方をしていて、ちょっと構えちゃった部分があったので、逆にもう気にしないで、マンツーマンだと思って攻めようといって、自分たちのセットを使うようになってからは相手がゾーンだけど、中を中心にして守ってるというのが動いていて分かったので、みんなそこから大丈夫だという気持ちになって、思い切りプレーできたのかなと思います。
――ご自身はきょうリバウンドなどで活躍されました
きのうは黒人の選手とかがいて、すごく大きかったんですけど、きょうはそれに比べたら一番自分が自分のチームでも相手のチームを入れても大きかったので、そういうところでは一番有利かなという気持ちがあったので、勢いよくリバウンドにも飛び込めたし、ドライブも行けました。
――最後に、あしたの最終戦に向けて一言お願いします
去年も優勝しているので、連覇が懸かっているというのもあるんですけど、今回は去年と違ってあんまりシード校が上がってきていない中で、しっかりワセダは勝って上がれているというのは強みだと思うので、そんなに人数がいるわけではないんですけど、しっかり全員で戦って、きょうは(声が)少ないとコーチに怒られたので、試合に出ている人もベンチの人も全員で声出して、外も中も全員で守って、オフェンスは自分たちらしいプレーをして、しっかり完全優勝をしたいと思います!