【連載】インカレ直前特集『Counterattack』 第3回 F萩尾千尋×C今仲杏奈×G崎上あやね

女子バスケットボール

 最高学年としてチームをけん引してきた4年生。主力としての活躍が期待されるF萩尾千尋(スポ4=愛知・桜花学園)、センターでありながらシュートレンジの広さが持ち味のC今仲杏奈(スポ4=大阪薫英女学院)、明るい声かけでベンチからチームを支えてきたG崎上あやね(スポ4=東京・早実)にお話を伺った。4年生として迎える最後のインカレに懸ける思いはどのようなものなのか。

※この取材は11月8日に行われたものです。

「リーグ戦で出た反省をインカレに生かしたい」 (今仲)

悔しい結果に終わったリーグ戦を振り返る今仲

――リーグ戦を振り返っていかがですか

崎上 結果から言うと準優勝ということで、4連覇が懸かっていて、先輩たちのおかげでこれまで優勝させてもらっていたように後輩にも優勝を味合わせてあげたかったですけど、得失点差での準優勝ということで悔しかったです。また、リーグ戦の前半は去年とは違って平日にも試合があったり、ゾーン(ディフェンス)をしてくる相手が多かったので、練習でゾーンのアジャストをしなければいけなかったり例年と違う突き詰め方をする必要があったので、試合で(練習が)足りなかった場面を見ると悔しい気持ちがありました。

萩尾 やはり結果が準優勝だったので悔しかったんですけど、自分としては、今年はゾーンをしてくる相手が多かったり、3敗もしてしまうなど色々な経験をする中で、今までのリーグ戦で一番収穫というか学ぶことが多かった期間だったので、これをしっかりインカレに繋げていけたらインカレでも良い結果を残せるんじゃないかなと思います。

今仲 最終戦がすごく印象に残っていて、チームとして良い試合ができたのに、優勝に結びつかなかったということですごく悔しかったです。リーグ戦で出た反省点をインカレに生かしたいと思います。

――リーグ戦で得られた収穫とは具体的にはどのようなものですか

萩尾 ゾーンやゾーンプレスっていうのは普段はワセダはやらないので練習の中ではそういうシチュエーションが生まれなくて、(試合前の)アジャストの期間で合わせるだけではうまくいかなかったです。また負けた試合っていうのはスタートからずっと相手ペースで試合が進んでしまって逆転できなかったんですけど、自分たちのペースで入れた試合は強いチームにもいい内容で勝つことができていたので、試合に入る勢いの大切さというのはリーグ戦で学べたことだと思います。

今仲 今年からダブルセンターということをチームとして意識してきたんですけど、まだ安定していなくてうまくいかなかった場面も多かったです。特に自分が4番(ポジション)で出ている時はミスマッチになることが多いので、そういう時にチームの軸になれるようにインカレまでに極めていきたいです。

崎上 試合の中で、相手にいかに対応していくのかということにフォーカスしがちだったんですけど、チームとしてぶれないことをもう一度徹底させることだったりワセダとしての武器を貫くことが大事だと思いました。自分はベンチにいることが多いんですけど、試合中に何が起きているのかということを冷静に見ていこうとキャプテン(C小島由希子主将、教4=岩手・一関学院)とも話しました。あとは、コート上でうまくいっていない時にベンチも暗くなってしまうことが多かったのでベンチから盛り上げていこうということはリーグ戦を通して改善してきました。

――4年生から見て今年はどのようなチームですか

萩尾 プレー面でいうとやはりダブルセンターが特徴的で、センター陣も色々なタイプの選手がいることが強みです。

崎上 チーム全体としては後輩が頼もしくて、ミーティングでも意見をたくさん出してくれたり、チームのことを真面目に考えてくれる子が多いなということは感じます。主張する選手が少ないことは4年生としてもチームとしても課題なので、インカレまでにコミュニケーションの部分は改善していきたいです。

「みんなと仲が良い」(萩尾)

真剣に質問に応じる萩尾

――ここからは少し話題を変えて、オフの日は何をしているかなどをうかがっていこうと思います

萩尾 来た。

崎上 来たよ(笑)。

今仲 きのう言ってたやつ言いなよ。

萩尾 オフの日は、自分の欲に従って行動してます(笑)。

一同 (笑)。

萩尾 寝たい時は寝るし、買い物行きたい時は行くし、遊びたい時は遊びます。

――1人で行くことが多いですか

萩尾 あんまりみんな一緒に遊ばないよね(笑)。

――皆さんで集まったりはあまりないですか

崎上 ことしは免許を持っている子が多いので、ドライブ行ったりしてます。

――どこへ行かれたのですか

崎上 山梨とか湘南とか。でも大抵雨が降るので(笑)。誰が雨女なんですかね。後は、あれだよね。

萩尾、今仲 あれね。

崎上 そのためにやるってわけじゃないんですけど、何やるかってなった時に、メダルゲームが4年生の中で流行っています。ちょっとやっちゃってます。

――崎上選手はオフの日は何をされるのですか

崎上 最近ちょっとカフェ巡りにハマってます。本当だから(笑)。渋谷のカフェを発掘してます。おすすめは、モジャカフェってとこです。行ってください、みんな。店内がすごくカラフルでおしゃれだったり、椅子とかもおしゃれで、あとWi-Fiとかコンセントとかあるので。そこも重要ですね(笑)。

――今仲選手は何をされていますか

今仲 一日の大半はユーチューブを見てて(笑)。でもなんかそれだとオフを無駄にした感があるので、1人で出かけます。オフの日は何かを買うっていうのが気分転換になるので、とりあえずちっちゃいものでもいいので何かしらを買いに行きます。

――最近は何を買われましたか

今仲 ちょっと待って。

崎上 買ってないでしょ(笑)。あれじゃん、スケジュール帳。

今仲 あ、そうだ。スケジュール帳。

崎上 人のバッグに入れて持たせるっていう(笑)。

今仲 その時持っていたカバンが小さくてスケジュール帳が入らなかったので、その日はみんなでビュッフェに行っていたので。

崎上 世田谷のね。去年の4年生の先輩に連れて行ってもらって。

今仲 ちょっと入らなかったので崎上さんのに入れてもらいました。

崎上 手に持てばいいじゃん(笑)。

今仲 ずっと崎上さんのに入れてました。

――じゃあ皆さんではそんなに頻繁に集まるっていうわけではないのですね

萩尾 でも鍋パするよね。

崎上 鍋パとか、DVD鑑賞とか。一人暮らししている子が多いので、家に行って。

――さっき4年生の中でメダルゲームが流行っているという話がありましたが、皆さん個人的なマイブームはありますか

今仲 欅坂46っていうグループがすごく好きで、CDとか発売されたら店舗がポスターだらけになっているのでそれを見るためだけに渋谷に行ったりします。

――欅坂46の中で推しメンとかはいらっしゃいますか

今仲 平手友梨奈ちゃんです。大好きなんで。

崎上 待ち受けもね。

今仲 待ち受けも平手友梨奈ちゃんです。毎日何かしら見てます。

今仲 恥ずかしいねこれ。

一同 (笑)。

――他のお2人は何かありますか

萩尾 何だろう。

崎上 ゲームじゃない?

萩尾 ラインバブル2。

一同 (笑)

萩尾 元々ツムツム派だったんですけど、同期の夏輝(砂川、教4=沖縄・西原)がやってて、(砂川に)「やって」って言われたのでダウンロードしたらバブル派になっちゃいました。2個下のののちゃん(細貝野乃花、スポ2=愛媛・聖カタリナ女)も始めて、「やって」って言われてハマってます。

――崎上選手はいかがですか

崎上 マイブームは、最近ちょっとワインが好きだなって。

今仲 今なんかうちらと差つけてきてるよね(笑)。

崎上 週1いったら良い方で、ワインを嗜むことを。

萩尾 言い方(笑)。

崎上 (お酒を)飲めるようになった。

萩尾 本当にこの前もね。山梨のワイン工場に行く前日に夏輝の家に行ったときにね。

崎上 (砂川は)沖縄なんで。うちなんちゅーなんで。お酒強いんで。一緒に飲みます。

――ワインのおつまみには何を

崎上 おいしいポテチを最近見つけて。どこにあるか分かんないんですけど。チーズのめっちゃおいしいやつがあるんで。名前はちょっと覚えてないんですけど(笑)。150円くらいの。めっちゃおすすめです。

――皆さんスポーツ科学部でいらっしゃいますが、普段どのようなお勉強をされていますか。卒論のテーマとかは決まっていらっしゃいますか

崎上 卒論は、何をしようかなって考えたんですけど、自分の就職先についてと、ゼミがスポーツ経営についてなので、その2つを絡めたくて。アプリを調べたいなと思って、スポーツ系で考えたら、ランニングをしている人がアプリを使ったら継続意欲が続くのかとかを調べてます。社会人対象で、アプリを使ったらモチベーションはどう変わるかとかを調べようかなって思ってます。

萩尾 私は大学でスポーツカウンセリングとか心理学とか、内面的なものの方に興味を持ちました。自分がバスケをしているというのと、卒論で何万字も書くのに興味ないのでやっても絶対書けないと思って。バスケットボール選手の性格特性についてやってて。バスケのポジションは大きく分けたら5つくらいに分かれるので、ポジションごとに性格特性があるのかってことをやってます。

今仲 卒論は今カベにぶつかっているのであまり詳しく言えることだないんですけど、スポーツ障害について書こうと思っています。スポーツの心理面と、あと自分が1、2年生の時にケガが多かったのでケガについては絶対に絡めたいなと思ってます。

――特に仲の良い選手はいらっしゃいますか

萩尾 ここ(崎上、今仲)じゃん。

今仲 仲良しだね。

萩尾 もう本当にやばいです(笑)。いつも部室でいきなり意味の分からないゲームを始めるんです。(卒業式の)袴を決める時にカタログとかをたくさんもらってきたんですけど、(そのカタログを見て)「この子の名前何だと思う?」とかをやってます。

今仲 「せーの」で言います。

崎上 「せーの」で言うゲームをやってます。

今仲 例えば、インドカレーは何パーセントの人が好きかっていうゲームとか(笑)。それで「せーの」で言います。「80パー」でそろったら「イエーイ」みたいな感じです。

崎上 本当にしょうもないゲームで。(今仲が)そういうのを思いつくのが得意なんです。

今仲 一緒にやってます。

萩尾 本当に意味わかんないです(笑)。でも2人がすごい楽しそうなんで楽しそうだなって思います。

――崎上選手と主務の森田さん(真彩、商4=東京・早実)は中学の時から一緒ですよね

崎上 めっちゃ仲いいってわけじゃないです。

萩尾 2人はタイプが違うよね。

今仲 でもなんか通じ合ってるよね。

崎上 もう分かり合ってるって感じですね。自分がちょっと意味が分からないことを言っても、一番くみ取ってくれるのが真彩だったりするんで。

――萩尾選手はいかがですか

萩尾 私はみんなと仲いいです。

今仲 みんなと程よい距離感にいるよね。

萩尾 一押しの後輩は、2年生の岩田千夏子(社2=岡山・明誠学院)です。

崎上  え、そうだったんだ。

萩尾 知らなかったの?(笑)。バスケ部の中で一番かわいいって思ってる。サイズ感と、キャラと。でもなんかまだ全てを見せてくれてないらしいです。

崎上 良かったね、(岩田が)喜んでくれるよ。この記事を見て。

――学年の分け隔てなく仲が良い感じなのですね

萩尾 (後輩が)めっちゃグイグイ来ますもん(笑)。中田さん。(珠未、スポ2=東京・明星学園)

「インカレ優勝を目標に頑張ってきた」(崎上)

インカレに懸ける思いを崎上

――インカレを目前に控えて、今のチームの雰囲気はいかがですか

萩尾 相手チームを意識したアジャストはまだ始まっていなくて、自分たちのバスケを見つめ直そうと練習しているので、特別な緊張感はないですけど、自分たちがこだわる部分にきちんとフォーカスして練習できていると思います。

――リーグ戦が終わってから特に強化してきているところはありますか

今仲 リーグ戦で負けた医療(東京医療保健大)との試合で、早いタイミングで飛び込んでくるオフェンスリバウンドを止めることができなかったので、ボックスアウトだったりリバウンドの部分は意識して練習しています。

崎上 練習中から声掛けの部分だったり雰囲気作りを意識してやっています。

――インカレでのご自身の役割は何だとお考えですか

崎上 4年生として最後の大会ですし、チームもインカレ優勝を目標に掲げて頑張ってきたので、4年生としての姿をコートの中でも外でも責任を持って見せて勝利に貢献していきたいです。

今仲 4年生として試合に出る立場なので、どんな状況でも慌てることなく冷静な判断をしていきたいですし、コート上で後輩ともしっかりコミュニケーションを取っていきたいです。

萩尾 リーグ戦でチームが上手くいっていない時にコートにいながらみんなに声をかけてあげられなかったな、ということを後から後悔したので、自分は全体に向けて発信することは得意ではないんですけど、場面場面でコミュニケーションを取ることを常に意識していきたいです。あとは、自分が楽しんでプレーしている時は見てて嬉しいと周りから言ってもらえることが多いので、最後っていうこともあるので楽しむことを忘れないでその姿で周りを勇気づけることができたらいいかなと思います。

――インカレでキーマンになる選手はいますか

崎上 やはり試合に出る4年生がキーマンになるかなと思います。大事な場面では4年生がチームを支えてきてくれたと思うので、インカレでもチームを引っ張ってくれることを期待しています。

萩尾 自分で言うのはあれなんですけど、自分がキーマンにならなきゃということは4年生になってから思い始めて、プレーでもプレー以外の面でもチームを引っ張れるように頑張りたいです。

今仲 周りから4年生の頑張りが大事だということを言われて責任感はあるんですけど、一緒にコートに立つ4年生と声をかけ合いながら引っ張っていきたいです。

――特に意識している対戦校はありますか

萩尾 自分としては、リーグ戦でも医療(東京医療保健大)に得失点差で負けて準優勝で、去年のインカレでも医療に負けて決勝に行けなかったので、ことしはしっかり勝ち上がって医療に決勝で勝ちたいなと思います。

崎上 医療はずっとライバル視していますし、年々レベルも上がっているのでそれに対して自分たちが上回った時が日本一かなと思います。

――ずばりインカレの目標を教えてください

萩尾 せーの!

一同 日本一!

――最後に意気込みをお願いします

崎上 日本一になってお世話になった人たちに恩返しができるように頑張りたいと思います。

萩尾 学生での最後の大会なので楽しむことを忘れずに、今まで支えてくれた方々への恩返しもしたいですし、後輩たちにも日本一の景色を見せてあげたいのでしっかり準備して絶対優勝したいと思います。

今仲 去年はインカレで準決勝で負けて、今までで一番悔しくて泣いたので、ことしはそれ以上に嬉し泣きできるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉田寛人、下長根沙羅)

インカレの目標を書いていただきました!

◆今仲杏奈(いまなか・あんな)(※写真左)

1995(平7)年7月18日生まれ。身長178センチ。大阪・薫英女学院高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはセンター。コートネーム『ロイ』。一つ一つの質問に丁寧に答えてくださった今仲選手。インカレでもチームの柱として得点を量産できるか注目です!

◆萩尾千尋(はぎお・ちひろ)(※写真中央)

1995(平7)年11月21日生まれ。身長171センチ。愛知・桜花学園高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはフォワード。コートネーム『メア』。言葉を選びながら丁寧に答えてくださった萩尾選手。コート上では安定感抜群のプレーでチームメートからの信頼も厚いです。

◆崎上あやね(さきがみ・あやね)(※写真右)

1995(平7)年5月24日生まれ。身長160センチ。東京・早実高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはガード。コートネーム『アス』。試合ではいつも積極的な声かけを心がけている崎上選手。明るさとユーモアで対談を盛り上げてくださいました!