関東大学女子リーグ戦2戦目は、昨日と同じく日体大が相手だ。1戦目は95-45と圧勝し、きょうも早大が優位に試合を進めると思われた。しかし予想に反して試合は拮抗(きっこう)した展開に。流れが悪い時間帯もあったが、第3クオーター(Q)から本来の動きを徐々に取り戻し、73-56というスコアで早大が地力の差を見せつけた。
第1Q開始序盤、相手にバスケットカウントを奪われ、出鼻をくじかれてしまう。さらにはオールコートディフェンスを仕掛けられ、なかなか思うような攻撃ができない時間帯が続いた。相手の厳しいチェックに合いながらも、F細貝野乃花(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)のスリーポイントや、C中田珠未(スポ2=東京・明星学園)の高さを生かしたプレーで得点を重ねる。相手のパスコースを読んでいたG高田静(スポ3=山形市立商)もパスカットからレイアップシュートをしっかりと決め、前半を38-22で折り返した。
視野の広さを見せた高田
第3Q、早大側にファウルがかさんでしまい、相手に点差を詰められてしまう。「ちょっと受け身になってしまった」とC田中真美子(スポ3=東京成徳大)が語るように、追い上げモードの相手に対して攻めきれない時間帯が続いた。獲得したフリースローもリングに嫌われ、コート上に嫌な空気が漂う。そんな中でG砂川夏輝(教4=沖縄・西原)のスピードを生かした1対1や細貝のスリーポイントでなんとか立て直すと、丁寧なディフェンスからチャンスをつくり出した。C今仲杏奈(スポ4=大阪薫英女学院)のスリーポイントも決まり、73-56でタイムアップ。苦しみながらも勝利を手にした。
相手を抜き去る砂川
きのうと比べるとリズムに乗れない時間帯も長かったが、リーグ2連勝をあげた早大。攻撃の起点であるインサイド陣が相手の徹底マークに合ったが、落ち着いた対応を見せた。日体大のようなシュート確率の高い相手に対してしっかりと勝ちきったのは大きな収穫だ。次の対戦相手は、勢いのある松蔭大。スピードがあり、1対1を生かしたプレーが持ち味の相手に対して早大がどのようなプレーを見せるか注目したい。
(記事 下長根沙羅、写真 森田和磨)
★田中、中田が世界で躍動!
8月に行われた第29回ユニバーシアード競技大会に、早大バスケットボール部からは田中、中田が出場。また田村未来(平28スポ卒=現デンソー)、加藤臨(平28スポ卒=現トヨタ紡織)も日本代表に選出された。4人が同時にコートに立つ場面もあり、「とても嬉しかった」と中田は最高の笑顔を見せた。日本代表は抜群のチームワークを見せ、見事銀メダルを獲得。惜しくも目標としていた優勝には届かなかったが、過去最高位に並ぶ第2位は50年ぶり。バスケットボールの歴史をつくったと言えるだろう。ユニバーシアードに出場した12人のメンバーのうち、5人の選手が現在関東大学女子リーグ戦を戦っている。大学女子バスケットボール界を盛り上げるために、ぜひ体育館に足を運んでほしい。ハイレベルな戦いに魅了されることだろう。
(記事 下長根沙羅 )
第67回関東大学女子リーグ戦 9月3日(vs日体大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
22 | 16 | 16 | 19 | 73 |
日体大 | 14 | 8 | 19 | 15 | 56 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
C#24 今仲杏奈(スポ4=大阪薫英女子学院) C#14 田中真美子(スポ3=東京成徳大) G#21 高田静(スポ3=山形市立商) F#23 澁谷咲月(スポ2=大阪薫英女学院) F#5 細貝野乃花(スポ2=愛媛・聖カタリナ女) | |||||
コメント
C田中真美子(スポ3=東京成徳大)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
チーム的にはきのうあれだけ圧勝できたんですけど、きょう日体があれだけ気合を入れてくるってわかってたんだけどそこでちょっと受け身になってしまった部分があって、点差はついていたんですけどやっぱり内容でたくさん課題が見つかったので、それはしっかり次に生かしたいと思います。
――昨日と比べて厳しい時間帯が長かった一番の原因は
個人的に無駄なファウルをしてしまってコートに立てない時間が多くて申し訳ないなと思いました。ディフェンスで圧倒できたけどオフェンスで上手くつくれなくてなかなか点差が離れないという時間があったのでそこはしっかりオフェンスでシュートを決めきるというのを徹底していたいと思います。
――チームとしても個人としてもファウルが重なってしまったと思いますが
個人的には出だしで2回ファウルをしてしまったというのは自分の準備の仕方が悪かったのと、あとファウルをしてしまっているのに簡単に手を出して無駄なファウルをしてしまったのが良くなかったので、次に生かします。
――ユニバーシアードで世界2位という結果についてはどう思いますか
結構下の学年だったので先輩について行くって感じですごくいい経験をさせてもらったなという気持ちが多くて、自分が世界1位を目指してるっていう環境にいられることが自分でもあまり実感がなくて、でも今考えると感謝すべき経験だったなと思います。
――大会中のご自身とプレーについてはどうお考えになりますか
周りのプロの人たちがつくって自分たちをノーマークにしてくれてそのノーマークのシュートを撃つっていう攻めがほとんどだったんですけど、そこで決め切れるか決めきれないかっていうのがすごい試されているところで、決めきれた部分もあるんですけどまだまだたくさん課題はあるなって感じました
――ユニバーシアードの大会を通しての一番の収穫は
自分はオフェンスリバウンドに入れって言われるポジションで、自分的にも挑戦で相手は大きいんですけど、入り続けたらけっこう取れたので、それはここでも活かせるなと思ったのでオフェンスリバウンド入り続けたいと思います。
――水曜日の試合への意気込みをお願いします
相手は松蔭ですごい勢いがあるチームなので、それをしっかり受け身にならず自分たちもチャレンジャーとして立ち向かっていけたらいいなと思います。
C中田珠未(スポ2=東京・明星学園)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
点差だけ見たら、昨日の方が圧勝してる試合だったので、別にゆるくなったところもないし、逆に昨日のきょうだから相手もアジャストしてくるのでそこはしっかり自分たちでやろうと心がけてきました。でもそこを徹底できなかったっていうのは良くなかったけど、リーグっていうのは長い戦いなのでそういう中できょう勝ちきれたのは良かったと思います。
――昨日と比べて流れをつかみきれなかった原因は何ですか
昨日は自分たちのシュートがよく入りました。自分たちは出だしがすごく良かったのでその勢いでいけたっていうのがありました。1ピリで点差を離せたのが一番大きかったです。きょうは1ピリでそこまで離せなかったし、1本目やられてしまったので自分たちのペースで入れなかったのがちょっと良くなかったかなと思います。
――相手は早大のインサイドの選手にダブルチームで対応してきました
ユニバーシアードでやってた時は、(自分のポジションが)4番、5番だけど2メートルの選手にマークされるのでポストアップするプレーがあまり無くて。自分的には(ポストアップのプレーが)久しぶりだったので、きょうは逆に相手がそこまで大きくなかったから気持ちとしてはすごくやりやすくて、そういうところは良かったかなと思います。ダブルチームで来られた時に、周りの合わせとか、自分の(パスを)裁くところだったりといった精度は上げていかなきゃいけないと思います。
――きょうは苦しい時間帯もあったかと思いますが意識していたことは
ユニバの話になっちゃうんですけど、一緒にプレーした藤岡さん(麻菜美、JX)のようなプロの人たちが、どんなに苦しい時間帯でも声を出し続けていて。自分はまだ難しかったけどプレーの面で、やっぱり外国人が多かったので、ガードとかはしっかり自分が決めきるとか、自分でドライブしてしっかり合わせのパスを出すとか、プレーでも引っ張ってくれるし声掛けとか行動の部分でも引っ張ってくれる人がたくさんいました。そういった面でも、いい刺激をたくさんもらいました。チームに戻ってきて、そういうチームに入ってプレーできたのは本当に初めてだったので、そういう存在がたくさんいるチームだからあそこまでいけたと思うので。そういう人たちに対していいな、すごいなと思うのでは無くて自分がこのチームでそういう存在になれたらもっと強くなると思うので。ちょっとうまく表現できなかったですけどそういうところを意識したいです。
――ユニバーシアードでは準優勝という素晴らしい結果でした。2位という順位に関してはどのように捉えていますか
今までのバスケの歴史とかを見ると、すごいことだと思います。50年前とかは出ていた国が4カ国とかだったから、比べるとやっぱり価値も全然違うしメダルをしっかり取れたというのは嬉しかったです。チーム自体もすごく良いチームで、スタッフさんとかも優しくて楽しくて。そういう思いがあるから、目標としては金メダルが取りたかったなという気持ちです。
――他の国と差を感じた部分はありましたか
やっぱり相手はすごく大きくて、とにかく大きいっていう感じでした(笑)。日本のバスケはトランジションが早くて、逆に自分たちが海外と戦う時は攻め方が分かったんですけど。逆に海外の人たちはステップをしっかり踏んでリングに近づくというイメージでした。自分たちがちっちゃいからなおさらだと思うんですけど。スピードというよりかはしっかり点を取るって感じでした。シューターの制度もすごく高くて、私と同じくらいの身長で外角をやっている人もたくさんいたので。自分が逆にこの環境で、2番とか3番をやるのは環境的にも難しいことだけど、他の世界を見るとそういうのが普通でした。そう考えると自分の努力でどうにでもなるなって思いました。
――大会を通して得られた収穫は
ずっとスタートで出させてもらっていて、(自分は)本当に下級生だったし、引っ張ってくれる人たちがたくさんいたので自分は結構自由にできました。上で引っ張っていく人たちの存在の大きさっていうのをすごく知りました。大きい選手に(ディフェンスで)つかれることがあって、(日本では)そこまで大きい選手がいないので、プレーしていく中で、普段普通に打てているシュートが打てないから、カットされると思った時に自分が普段と違う工夫をしたりだとか、ある意味ちょっと楽しかったです。
――中田選手、田中選手(真美子、スポ3=東京成徳大)、田村選手(未来、平28スポ卒=現デンソー)、加藤選手(臨、平28スポ卒=現トヨタ紡織)が4人でコートに立つ場面がありました。どのようなお気持ちでしたか
素直に嬉しかったです(笑)。また一緒にプレーできると思ってなかったし同じチームで出られると思っていなかったので。まずユニバーシアードにワセダから4人選ばれたのもすごく嬉しかったし、そこでまた同じコートに立てたっていうのは本当に嬉しいなっていう思いが強かったです。
――最後に、水曜日の松蔭大戦への意気込みをお願いします
まずは先を見ないで一戦一戦ということを意識したいです。きょうもそうやってやってきたので。水曜日の試合に向けてしっかりアジャストして、きょうも相手はずっと試合を見ていたので自分たちの良いところを消してくると思います。きょうも日体大がインサイドをつぶしてきたようにそういう風にやってくるので、松蔭大はすごく1対1のチームなので、ワセダにいないプレイヤーがすごくいるので。止まってジャンプシュートを打ってくるタイプとか。普段やっていないと守りきれないことが多いと思うので、そこをしっかり2日間チームで練習していきたいです。