見事にきょねんのリベンジを果たした!大勢の観客が見守る中行われた関東大学女子選手権(トーナメント)決勝戦。早大の対戦相手は、強豪である東京医療保健大だ。試合は終始拮抗(きっこう)した展開に。特に後半はファウルがかさみ我慢の時間帯が続く。それでも勝利への強い執念を見せた早大が67-59で勝利し、トーナメント優勝を決めた。これで6年ぶり3度目の快挙となる。
東京医療保健大は一番のライバルだ。早大は昨シーズン全日本大学選手権(インカレ)や関東大学女子新人戦で敗れており、悔しい思いをしている。その因縁の相手ということもあってか、試合序盤は動きに固さが見られる。G砂川夏輝(教4=沖縄・西原)がスリーポイントを沈めてチームを勢いづけるもすかさず相手に点を返されてしまう。点差を放しきれない早大は、G岩田千夏子(社2=岡山・明誠学院)を投入。岩田は体を張ったディフェンスや鋭いドライブからチャンスを作り、チームに流れを引き寄せた。第2クオーター(Q)、まずはディフェンスで魅せる。砂川、F萩尾千尋(スポ4=愛知・桜花学園)のディフェンスから相手のミスが生まれ、速攻につなげていく。C中田珠未(スポ2=東京・明星学園)のブロックショットも炸裂した。しかしここで相手がオールコートディフェンスをしかけ、勝負をかけてくる。それでも早大は焦らなかった。落ち着いてボールを運び、G高田静(スポ3=山形市立商)のアシストからF細貝野乃花(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)が得点。前半を29-25で折り返した。
高田のプレーがチームを支える
後半開始から2分半、果敢に攻めてくる相手に、一時は31-34とリードを許してしまう。試合のリズムを掴みかけている相手のベンチは大盛り上がりだ。そんな苦しい時間帯に頼りになるのはやはり上級生だった。「シュートを決めきるということをずっと考えていた」と語るC今仲杏奈(スポ4=大阪薫英女学院)がミドルシュートを決めると、C田中真美子(スポ3=東京成徳大)が体を投げ出してルーズボールに飛び込んでいく。さらに、萩尾がスリーポイントシュートを沈めると、続けて相手のパスをスティール。上級生の気迫のこもったプレーで再びリードを奪った。その後は砂川、田中、今仲といった中心選手のファウルがかさんでしまう。非常に苦しい状況だったが、全員で声をかけあって必死にディフェンスをし、相手の得点を抑えていく。そして高田の3連続得点などでじわじわと点差を放し、67-59でタイムアップ。試合終了のブザーとともに、優勝を決めた早大の選手たちの顔に笑顔があふれた。
喜びを見せる選手たち
今回のトーナメント優勝は、早大女子バスケットボール部のチーム全員でつかんだものだ。「良いチームだと思った」と選手たちは口をそろえる。本当にそう感じざるを得ない試合内容であった。苦しい時間帯にはリバウンドやルーズボールに飛び込んでいき、勝利への執念を見せる。プレー面だけではない。コート内外の選手全員が声を出してチームを盛り上げ、良い雰囲気を作り上げた。優勝という最高の形でトーナメントを終えたが、長いシーズンはまだ始まったばかり。最大の目標であるインカレ優勝に向けて、早大はチーム一丸となって歩んでいく。
(記事 下長根沙羅、写真 下長根沙羅、加藤佑紀乃)
表彰式後の選手たち
★早大の選手が様々な賞を席巻!
高田が最優秀選手賞とアシスト王を受賞。今大会を通して、鋭いドライブや鮮やかなパスが持ち味である高田の活躍は目を見張るものがあり、トーナメント優勝に大いに貢献した。また萩尾がベスト8賞、細貝がスリーポイント王を受賞した。得点が欲しい場面でしっかり仕事を果たしてチームを引っ張る最上級生の萩尾、そして2年生ながら数多くのスリーポイントで得点を量産し、チームに勢いを与えた細貝に今後も期待したい。
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第51回関東大学女子選手権 5月14日(vs東京医療保健大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
21 | 8 | 21 | 17 | 67 |
東京医療保健大 | 13 | 12 | 20 | 14 | 59 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#2 砂川夏輝(教4=沖縄・西原) F#10 萩尾千尋(スポ4=愛知・桜花学園) G#21 高田静(スポ3=山形市立商) F#5 細貝野々花(スポ2=愛媛・聖カタリナ女) C#33 中田珠未(スポ2=東京・明星学園) | |||||
コメント
藤生喜代美ヘッドコーチ(平25スポ卒=福井・足羽)
――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちは
んー、疲れました(笑)。ほっとしました。
――今大会全体を振り返って
1試合1試合練習だと思って取り組んできたので、選手たちも積み重ねが少しずつ上積みされてきているトーナメントだったと思います。
――きょうのチームの雰囲気はいかがでしたか
もうやりきろうって感じだったと思いますし、あとは選手たちの話の中でもやるべきことをしっかり確認していたので良いかなと思ってました。
――きょうは4ファウルになってしまった選手が何人かいましたが、その時のディフェンスにはどのような指示をしましたか
手でファウルなので、常に足でということで。うちの課題ですね。
――次は新人戦があります。意気込みをお願いします
1、2年生で悶々としてベンチで悔しい思いをしている子がたくさんいるので、しっかり練習してその子たちに頑張らせたいと思います。
C小島由希子主将(教4=岩手・一関学院)
――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちは
本当にコートに出てくれた選手が踏ん張ってくれたなって思って。出られない選手とか、外で応援してくれてた選手とかがいたんですけど、その人たちの思いを全部コートに出し切ってくれました。嬉しいというのもあるんですけど、感謝の思いがあります。
――きょうのチームの雰囲気は
きょねんインカレの時に東京医療保健大に負けてしまって順位決定戦にまわってしまったりとか、新人戦の時も負けて2位になったりだとか悔しい思いをしたので、絶対にチームで勝ち切るんだって思いで臨めました。
――主将として心がけていたことは
自分はあんまり試合に絡む選手ではないんですけど、いかに出てる人たちが良い顔で戦えるか、どんな時でも帰ってきたら絶対声かけてあげようって心がけてました。いかに支えられるかということです。
――きょうの試合を外から見ていていかがでしたか
ルーズボール、リバウンドルーズのところで飛び込んで行って、ボールへの執着心というか絶対に負けないという思いが表れていたので、そういう姿を見られて良いチームだなって思いました。
――これからのシーズンへの意気込み
トーナメントは少ない人数で戦い切ってくれて、そこはまあ踏ん張れたっていうところでは良く頑張れたなっていうのはあるんですけど、リーグ戦は長い期間続くので、そのためにもっともっと戦える選手、もっともっと試合に絡んでいける選手を増やして全員で戦えるチームにしたいと思います。
F萩尾千尋(スポ4=愛知・桜花学園)
――今のお気持ちはいかがですか
4年間で初めてトーナメントで優勝できたので素直にうれしいです。
――優勝の実感は沸いていますか
あまりないのですが(笑)、本当にみんなが一人一人の役割を果たしてくれて優勝の実感というより、本当にいいチームだなという思いが強いです。
――きょうの試合はシーソーゲームとなりましたが、振り返っていかがですか
ルーズボールにみんなが飛び込むなど気持ちが見えるプレーが多く、コートの中でもずっと声も掛け合えていたのでそこは良かったかなと思います。
――きょうは4ファウルでしたが、ディフェンスできていました
きょうは全体的にチームとしてもファウルが多くて、手のところを審判に厳しく引かれていたのでそこを練習で取り組んで改善しなきゃいけないと思っています。
――ファウルが積み重なり、プレッシャーはありましたか
結構相手にフリースローを与えることが多かったです。最後はどうなるか分からなかったので、ファウルをとっておきたいというのはあったのですが、ちょっと引かれちゃいました。
――大会全体を通して振り返っていかがですか
ケガ人がいたりとかであまりセンターがそろわなかったり、いろいろあったのですが、下級生もすごく踏ん張ってくれて、エントリーは入れなかった子もアジャストしてくれたり、一人一人がチームに貢献しようと思って役割を全うしてくれたので、その結果かなと思います。
――個人でもベスト8を受賞されました
もらえると思っていなかったです。みんなすごかったですし…。みんなの支えがあったから頂けたものだと思います。
――今後のシーズンに向けて、意気込みをお願いします
目標は日本一になることなので、今回のトーナメントの結果はきょうは喜んで、ただ、まだ甘い部分や徹底しなきゃいけないところもあったので、そこをもう一度ミーティングして、また次につなげていって最終的にインカレで優勝できるようにみんなで頑張っていきたいと思います。
C今仲杏奈(スポ4=大阪薫英女学院)
――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちは
トーナメントで優勝したことが無かったので、(シーズンの)出だしから優勝できて、自分は特にすごくチームに支えてもらったので、みんなにありがとうっていう気持ちでいっぱいです。
――大会全体を振り返って
私はケガでずっと出られなくて、きのう初めて出て、最初力んじゃって全然ダメで、きょうは切り替えようと思ってたので、出してもらった時から絶対勝つっていう強気で行ったんですけど、ファウルトラブルとかであんまり出られなくて、最後出してもらった時に絶対このチャンスを手にしたいと思って、シュートを決めきるということをずっと考えてました。
――きょうの試合を振り返って
きょうの相手はやっぱり一番のライバルだったので、みんなもトレーニングとかしてきたので、体の強さとかでも絶対負けないっていうのが大前提だったし、チーム力でも絶対負けたくないっていうのがあったので。ところどころ改善しなきゃいけないところがあるんですけど、勝ててよかったです。
――きょうはインサイドだけではなくスリーポイントも決められていましたが外でフリーになったら打つと決めていらっしゃいましたか
はい、そうですね。
――4ファウルになった時のディフェンスに関しては
丁寧に足で守るっていうのが大事で、手が出がちなのでファウル取られたので、きつくても足で、泣いても笑っても最後だから、きついけど足で守ろうっていうのをみんなで声掛けできてたので、よかったなって思います。
――これからのシーズンへの意気込み
練習のやり方とかも最近変えてて、変えた直後に優勝という結果が残せたので、このやり方を極めていって、きょねんは結果が残せなかったので、ことしはどうやったら結果を残せるかっていうのにすごくこだわって練習してきてるので、4年生として考えることもいっぱいあるんですけど、チームのためにみんなで頑張っていきたいです。
F細貝野乃花(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
――今のお気持ちはいかがですか
やはりすごくうれしいのですが、上級生の3、4年生の力が本当に頼もしくて、すごく背中が大きく見えました。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
スリーはきょうはゼロなのですが、やはり(相手が)来るかなと思っていましたし、そこで決め切れなかったのは自分としての反省点なので、そこは修正していきたいです。あとは、スリーだけにこだわらず2点とかも取りに行けたのは良かったと思います。またやはり接戦だったので、そういうの時に頑張るのはリバウンドとルーズボールと決めていて、オフェンスがいくらダメでも我慢して我慢してディフェンスは崩れないように決めていたのでそこは徹底してできたかなと思います。
――大会全体を振り返って
新チームになってからずっとシュートにこだわってきました。スタッフさんとか試合に出ていない子達が拾ってくれて、それに返すのってシュートを決め切ることだと思っていました。みんなアシストパスをしてくれる分、決め切ることが自分の仕事と考えてそこはこだわりを持ってできました。今後新人戦リーグ戦とマークはきつくなると思いますが、それを生かしてまた頑張っていきたいです。
――スリーポイント賞は周りのおかげと思う部分が大きいですか
そうですね。自分の力でなくて本当にやはりいつも拾ってくれてパスしてくれる人がいて、またリバウンドからインサイドアウトのかたちにしてくれるので、自分のシュートが生まれてると思います。やはり感謝の気持ちを持って絶対決め切るというのは、これからも継続していきたいです。
――今後に向けて意気込みをお願いします
今まではチャレンジャーとして追ってきたのですが、追われる立場になると思います。ここが目標じゃないですし、最終的な目標は新人戦もリーグ戦も勝ってインカレで日本一になることなので、この結果に満足せず、個人としては最後全然ダメだったので満足していないので、また上に向かって頑張っていこうと思います。