関東大学女子選手権(トーナメント)決勝リーグの2日目、早大は日体大と対戦した。日体大は関東大学2部リーグに所属しながら、強豪・白鴎大を破って決勝トーナメントに進出した侮れない相手だ。試合後にG中村和泉副将(社4=山口・慶進)が「前半はオフェンスもディフェンスもバタバタしてしまった」と語ったように、前半は持ち味を出すことができず、リードを奪われたまま折り返す。しかし後半はディフェンスから修正した早大がオフェンスでも流れをつかみ勝利。優勝に向けて大きな1勝を手にした。
試合開始直後、早大の得点源であるC今仲杏奈(スポ3=大阪薫英女学院)が連続7得点を挙げ、きょうは快調なゲームとなると思われた。しかしその後、日体大の体を張ったディフェンスの前にターンオーバーを連発。思うように得点を伸ばせない一方で、勢いに乗る相手を止められない。第2Qはフリースローの得点で何とか食らいついていったものの、フィールドゴールをわずか1本しか決めることができず、前半を26-29とリードを許したまま終えた。
この試合、チーム最多の18得点を挙げた今仲
このまま終わることのできない早大。後半から見せたのは、優勝へ向けた気迫であった。第3Q、ディフェンスではしっかりコミュニケーションを取り、前半苦しめられた相手のドライブからの展開に対応。このQの相手の得点をたった2得点に抑え込む。オフェンスでは今仲、C田中真美子(スポ2=東京成徳大)、C中田珠未(スポ1=東京・明星学園)らインサイド陣が戦場と化したゴール下で奮闘し、得点を積み上げた。最終Qはここまでのゲームから一転しハイテンポなゲームとなったが、良いディフェンスから速攻がつながり始めた早大が徐々にリードを広げ、最終スコア65-55でタフな一戦を制した。
鋭いドライブで切り込むF加藤臨(スポ4=山形市立商)
苦しい試合となったものの、ルーズボールの部分などで随所に気持ちの入ったプレーを見せ、勝利を手にした早大。あすの相手はここまで決勝リーグ1勝1敗の松蔭大だ。優勝を手にするためには確実に勝利する必要がある。負けられないプレッシャーの中での試合は、強豪のワセダは何度もくぐり抜けている。試合終了の笛が鳴り止んだ後、歓喜する選手たちの姿に期待したい。
(記事 秋間勇人、写真 鈴木直人)
第50回関東大学女子選手権 5月14日(vs日体大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
17 | 9 | 13 | 26 | 65 |
日体大 | 18 | 11 | 2 | 24 | 55 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#22 田村未来(スポ4=愛媛・聖カタリナ女) F#7 加藤臨(スポ4=山形市立商) F#10 萩尾千尋(スポ3=愛知・桜花学園) C#24 今仲杏奈(スポ3=大阪薫英女学院) C#14 田中真美子(スポ2=東京成徳大) |
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◇主なスコアリーダー◇ | |||||
得点 今仲杏奈:18得点 リバウンド 加藤臨:8リバウンド アシスト 中村和泉、萩尾千尋:2アシスト |
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コメント
G中村和泉副将(社4=山口・慶進)
――苦しいゲームになったと思いますが、振り返っていかがでしたか
前半オフェンスもディフェンスも結構バタバタしちゃって、ワセダのバスケットができていなかったんですけど、後半でしっかり我慢して自分たちの走るバスケットができたので、そこから流れがつかめたと思います。
――前半のオフェンスが悪かったというのは、どういう所でしょうか
前回の医療(東京医療保健大)戦のときに、オフェンスが悪いときは一人一人がリングを見れてなくて、インサイドにボールが入っていないという反省が出たのですが、きょうの前半も同じようなことが起きてしまいました。
――その点はどのように修正していきましたか
まずボールを貰ったらリングを見るということと、ワセダのバスケットはインサイドが起点なので、5人がインサイドを使って攻めるという共通認識を持つことで修正できたかなと思います。
――後半はスタートから約10分間無失点でしたが、ディフェンスで良かった部分はどこでしょうか
ディフェンスはもちろん個人が1対1を守るのも大事なのですが、コミュニケーションというのも大事な要素で、前半は喋れていなかったという反省が出たので、後半はそこの部分を修正してうまくできました。
――きょうはゲームを通して早大も相手も球際やルーズボールで激しさを見せていたと思いますが、どのような印象ですか
ルーズボールとかリバウンドは技術じゃなくて、気持ちの強さの勝負だと思っていたので、そこでは負けないようにというのを全員で試合前に話したのでそこが良かったと思います。
――中村選手は第4Qの重要な局面で活躍されましたが、どのようなことを考えてプレーしていましたか
前半にシュートが全然入らなくて貢献できていなかったので、ハーフタイムでしっかり切り替えてチームに貢献していきたいなという気持ちで臨みました
――あすの最終戦は優勝のかかった大事な試合ですが、意気込みをお願いします
今まで春からやってきたことをチーム全員で出して、チーム全員で勝ちたいと思います。
F加藤臨(スポ4=山形市立商)
――前半は相手のドライブを基点に苦しい時間が続きましたが、対策や心掛けていたことはありますか
(日体大と)練習時合を今大会の前にやっていて、そのときに1対1を積極的に狙ってくるチームだったので、一人一人守ることを意識してやっていました。前半の得点だけで見ればディフェンスは良かったと思います。
――ディフェンスでよく相手を止めていましたが、どのようなことを思ってプレーしていましたか
相手の7番がポイントゲッターだったのでそこの得点を止めようと頑張りました。合宿などで一緒のチームになったことがある選手だったので負けたくないと思ってプレーしていました。
――後半から早大のペースになっていましたが、チーム内で意識していたことはありますか
走れてないねってみんなで言っていたので、とりあえずブレイクを出して走って流れを作っていこうということと、自分たちはインサイドが強いのでそこに入れていこうという話をしていました。
――リバウンドがなかなか取れない時間帯があった印象でしたが、どのような対策を取りましたか
オフェンスリバウンドは、攻めの流れが悪いままシュートに行くとリバウンドポジションに入れないときがあるので、その流れの中でシュートまで行くということを意識します。ディフェンスリバウンドはずっと課題だったので、ボックスアウトとリバウンドを取り切るというところをこれからも続けていきたいと思います。
――あすの試合への意気込みをお願いします
自分たちの目標である4冠はやっぱり1勝ずつ積み上げていかないと取れないので、目の前の1戦をしっかり戦って勝ち切って優勝したいと思います。