悔しさ晴らす快勝で、最終戦へバトンをつなぐ

女子バスケットボール

 失意の敗戦から一夜明けたきょう。5~8位の順位決定戦に回った早大は東海大九州と対戦した。序盤から前日の悔しさをぶつけるかのようにシュートを浴びせると、昨年度女王としての意地を見せつけ、第1クオーター(Q)から大きくリードを奪う。しかし第2Qは相手にペースを握られ、思うように得点できない時間が続いてしまう。それでも気迫のこもったディフェンスで立て直した後半は、再び勢いを取り戻しさらに点差を広げていく。連戦の疲れを感じさせないような完璧な試合運びで、このゲームを制した。あすは5位の座を懸けて東京医療保健大と対戦する。

 ベスト4を懸けた筑波大との一戦に敗れ、全日本大学選手権(インカレ)連覇への道が閉ざされてしまった早大。やるせない気持ちの中迎えたきょうの一戦は、その悔しさをぶつけるかのように、立ち上がりから積極的な攻撃で相手を圧倒する。C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)のジャンパーで幸先よく先制すると、G田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)の連続スリーポイントなどで一気に点差を離す。また、全員が集中したディフェンスの姿勢を見せ、相手の攻撃を封じ込めた。その後もコートを広く使ったオフェンスで相手を翻弄(ほんろう)し、30-8と大差をつけた。この勢いを維持したい第2Qであったが、ここまで抑え込んでいた相手の攻撃が徐々に機能し始める。開始早々に田中が得点したものの、すぐにスリーポイントシュートを決められ、それを機に連続得点を許してしまう。対する早大は田中やF根岸夢(スポ4=東京成徳大)を中心にポストプレーで攻め込もうとするが、なかなか得点につなげることができない。結局このQを11-20と負け越してしまった。

スリーポイントシュートを多く決め、持ち前の勝負強さを発揮した田村

 序盤の勢いを取り戻したい早大は、第3Qの立ち上がり早々に田村が得点すると、流れを呼び寄せる。今仲がインサイドで得点し、さらにPG本橋菜子主将(スポ4=東京・明星学園)とG高田静(スポ1=山形市立商)のスリーポイントシュートで点差を離した。内外を上手く使い分けた攻撃で相手ディフェンスを切り崩し、まさに早大らしい攻めのバスケットを展開した。そしてこのQをわずか2得点に抑える好ディフェンスを見せ、まさに攻守にわたって貫録を示したQとなった。最終Qも早大の勢いは衰えず、インサイドで田中が躍動すると周りもそれに応えるかのようにディフェンスやリバウンドで相手を圧倒した。最後まで強力な攻めの手を緩めることのなかった早大が84-39の大差で勝利し、5位決定戦に進出した。

インサイドで攻撃の中心となり得点を重ねた今仲

 「みんなで良い顔をして、良い雰囲気で今までやってきたことを出し切れた」(田中)。悔しさの残る敗戦からたった1日で気持ちを切り替えることは、相当な苦労を伴うであろう。しかし田中の言葉通り、選手たちはこの試合で最後まで笑顔を絶やさなかった。残る試合はあと一つ。現行のメンバーで戦う最後の試合になる可能性もある。これまで1年間で積み上げてきたものの集大成を、あすの試合で存分に発揮してほしい。

(記事 橘高安津子、写真 黒田菜々子)

第67回全日本大学選手権 11月27日(vs東海大九州)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

30 11 25 18 84
東海大九州 20 39
◇早大スターティングメンバー◇
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
F#18 関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  田中真美子:18得点
リバウンド  関根彩乃、田中真美子:6リバウンド
アシスト  関根彩乃:3アシスト
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コメント

C田中真美子(スポ1=東京成徳大)

――きのうの敗戦からどのように気持ちを切り替えていきましたか

今までいろいろなことをやってきた上での最後の大会なので良いかたちで終われるように、今までやってきたことが無駄にならないようにみんなでまた頑張ろうとキャプテンから声掛けがあったので。切り替えました。

――きょうの試合を振り返って

コーチからもきょうの試合は大事な試合だと、負けたあとの試合なのでみんなで良い顔してやろうっていう話しになっていました。みんなで良い顔して、良い雰囲気で自分たちが今までやってきたことを、みんなで出せたかなと思います。

――攻守共に活躍されていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

強くやれという指示を受けていたのですが、最近なかなかできていなくて。練習だと思ってやれって言われていたので周りも手伝ってくれていたのできょうは良くできたかなと思います。

――初めてのインカレとなると思いますが、高校の試合と比べて違いは感じられますか

高校とは違うレベルの高さとか、雰囲気の違いもあるので緊張はしましたね(笑)。

――その中で得られたことはありますか

どのチームも対応力とか勝ちたいという気持ちが強くて。まだまだ自分が足りないなと思います。

――あすに向けて意気込みをお願いします

あしたはこのチームで戦う公式戦最後の試合となるので今までやってきたことをしっかりやると同時に4年生の力に少しでもなれるように頑張りたいです。