リーグ戦開幕!女王の挑戦が幕を開ける

女子バスケットボール

 ことしも関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)が開幕した。きょねん創部以来初の優勝という快挙を成し遂げた早大は、気持ちを新たに初戦の順大戦へと臨んだ。立ち上がりこそ重い展開になるも、徐々に早大らしさを取り戻し得点を量産。51-36というスコアで折り返した後半は、攻守ともに安定した試合運びでその差を引き離す。最終スコア83-56という大差で大事な初戦を白星で飾った。

 長く熱い戦いが幕を開けた――。昨季女王として臨むことしのリーグ戦。どうしても勝ちたい大事な初戦、立ち上がりで動きが重くなってしまい、ミスを連発してしまう。高さで圧倒的なアドバンテージを持つ早大だが、相手の堅守に苦しみなかなか得点することができない。しかしチャンスをうかがう早大は4分にG田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)がバスケットカウントを決める。ようやくペースをつかむと、そこからC今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)やC田中真美子(スポ1=東京成徳大)らがゴール下で得点をマーク。試合はハイペースな展開で接戦になり、第1クオーター(Q)を22-20で終えた。続く第2Qでは田村の活躍が光る。ゴール下に構える田中へのアシストや、SG酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)へピンポイントのパスを送るなど、得点以外のプレーで仲間を引き立たせた。ディフェンスも集中して守りきり、相手に序盤ほどの勢いを与えない。この日チーム最多得点の15点を挙げたF関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)の活躍などもあり、51-36までリードを広げたまま前半を終えた。

田村の活躍がチームを勢いづけた

 後半も早大の勢いは止まらず、C林靖子(社2=福井・足羽)のリバウンドシュートや田村のスリーポイントシュートなどで差を広げる。最終4Qでも攻守にわたり早大らしいバスケットを展開し、相手のミスを見逃さず自分たちのチャンスへと変えていった。関根のミドルシュートや今仲のゴール下での得点などが積み重なり、最終スコア83-56で初戦に勝利した。

チーム最多15得点の関根。ディフェンスでも健闘した

 初戦ということで多少の硬さはあったものの、女王の強さを見せつけた早大。立ち上がりの部分での課題はあるものの、今後に向けてどのように修正していくのかがカギとなるであろう。「自分たちがチャレンジするという気持ちで」(酒井)。女王ワセダの戦いは幕を開けたばかりだ。

(記事 橘高安津子、写真 中安咲里)

第65回関東大学女子リーグ戦 8月29日(vs順大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

22 29 19 13 83
順大 20 16 10 10 56
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
F#18 関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  関根彩乃:15得点
リバウンド  田村未来:8リバウンド
アシスト  田村未来:5アシスト
コメント

SG酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)

――リーグ戦が始まりましたが、これまでどのような準備をされてきましたか

チームとしては合宿とか練習試合で、インサイドでのディフェンスにしっかり対応するということをやってきました。個人としては、ガードなのでミスをしないということと、しっかりフロントコートまでボールを運んでそこからペースをつくるということを意識して、ここまで取り組んできました。

――初戦ということで立ち上がりは硬くなってしまう部分もあったのでしょうか

私自身はあまり緊張とかもしていなかったですけど、ベンチからは硬くなっているという話もありました。アップのときからすごく重くて、体があまり動いてないなという感じのまま、出だしの硬さにつながってしまった部分はあると思います。あとはラリーになったときにしっかり点を決め切れないとか、ミスになるとか、そういった部分でちょっと重さが出たのかなと思っています。

――ディフェンスに関してはチームとして、または個人的にいかがでしたか

出だしで相手のスリーポイントが多く決まってしまって、そこでハンズアップが甘かったので、相手に流れを渡してしまったかなと思います。途中で1対1のときに厳しく行ったり修正できたと思うんですけど、出だしでそれを実践できなかったのがちょっと遅かったかなと思います。

――リーグ戦は連覇も懸かっていますが、残りの試合に向けて意気込みをお願いします

チームでも話しているんですけど、きょねん優勝したからって受け身になるのではなくて、自分たちがチャレンジするという気持ちを忘れずにこれからもやっていきたいです。

G田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)

――このリーグ戦に向けてどのような準備をしてきましたか

トーナメント(関東大学女子選手権)では試合に波があったり、スリーポイントは良くてもツーポイントの確率がすごく悪かったので、どの試合もコンスタントに点を取りたいという思いがありました。なので得点の割合をスリーポイントばっかりじゃなくてツーポイントもバランスよく取っていきたいというのをトーナメント終わってからずっと心がけてきたので、それができるように頑張りたいです。

――きょうは初戦ということでどんな意気込みで臨まれましたか

きょねんもそうだったんですけど、初戦がすごく重くなってチームみんなが硬くなりがちだったので、自分はそういうのをあまり考えずに自分は自分と思って臨みました。初戦始まったときからずっと意識して得点取りに行ったり頑張ろうって思ってました。みんなの硬く重い流れに惑わされないように自分の意志をしっかり持って自分のプレーを、という意識で取り組みました。

――きょうのディフェンスの方針を教えてください

相手が背の低いチームだったので、外回りのシュートとか1対1が強くて、しっかりハンズアップしてシュートを打たせないということと、変に寄りすぎて外に出されるのもだめなので、しっかり1対1で自分がやられないという意識を強く持ってディフェンスしました。

――オフェンス面でチームの中での連係はどうでしたか

きょうはいい人と悪い人との差が結構あったので、チーム全体的にはまだまだだなって所があります。でも個人的に、合宿中に重ねてプレーしてきたものが随所で出てきたり、連係プレーの話し合いとかもしてたものが出てきたので、その点では自分的にはすごい良かったなと思います。

――コーチから「任せるな」という指示が頻繁に飛んでいましたが、これはチームの今の課題なのですか

みんなが点を取れるんですけど、絶対的なエースがいない分それが裏目に出てしまって、誰かがやってくれるだろうっていう気持ちになってしまって、1対1行かずにパスばっかり回したりする場面があるのかなと思います。誰かに頼るのではなくて、まず自分がやれって言う意味で「任せるな」という指示があったのだと思います。

――残りの試合への意気込みをお願いします

1年生のときも2年生のときもリーグ戦中にケガしたり、病気になったりして、全期間を通してリーグ戦に臨んだことがなくて、そういう悔しさもあったので、ことしは健康でケガしないように一戦一戦戦っていきたいです。あとは、試合を重ねるごとに良いチームになっていけたらいいなと思って、きょうもたくさん課題が出たけれど、その課題をあした少しでも修正するとかいう風に、きょうよりもあしたとか来週の試合、というように少しずつでいいのでみんなが1つにまとまって良いチームになったらいいなと思います。