1、2年生が挑む関東大学女子新人戦(新人戦)。決勝へと駒を進めた早大は白鷗大と対戦した。昨年と全く同じカードになった決勝戦は、序盤から早大がリードを奪い試合を進めていく。高さを生かしたリバウンドや、チーム一丸となった堅いディフェンスで相手を寄せ付けない。結局、第1クオーター(Q)にリードを奪ってからは一度も追い付かれることなく、74―57で勝利。新人戦2年ぶり2回目のタイトルをつかみ取った。
昨シーズンの新人戦決勝戦でわずか1点差に泣き、あと一歩及ばなかった。その悔しさをバネに臨んだ決勝戦の舞台。まずはその悔しさを知る2年生がプレーでけん引する。F萩尾千尋(スポ2=愛知・桜花学園)のドライブでチームに最初の得点を生み出すと、C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)も続き得意のジャンプシュートを沈める。さらにその姿に引っ張られるようにルーキーの1年生の活躍も光った。C田中真美子(スポ1=東京成徳大)のオフェンスリバウンドでさらに得点を積み重ねる。第1Qを2点リードで終え、迎えた第2Qはなかなかシュートが決まらない時間帯が続くも、ディフェンスで白鷗大にノーマークのシュートを打たせず、得点を与えない。G長谷川玲子(社1=福井・足羽)のスリーポイントシュートが決まり、34―30で前半を折り返した。
得意のシュートで流れを引き寄せた今仲
後半も早大の流れは変わらない。高田のスリーポイントシュートなどでリードを10点まで広げた。しかしそこから相手も意地を見せ、連続スリーポイントシュートで得点差を縮め流れが傾きかける。だが、G砂川夏輝(教2=沖縄・西原)からC林靖子(社2=福井・足羽)へのコンビネーションで得点を挙げるなど、追い付くことは許さない。第4Qも田中のインサイドでの活躍や、長谷川と砂川の外角のシュートでさらに点差を引き離す。最後の最後まで相手にリードをさせることなく、74―57で完勝。昨年のリベンジを果たし、2年ぶりの優勝を決めた。
攻守にわたり最後まで集中したプレーを見せた砂川
「自分たちのバスケットができたので、すごく見ていて楽しかった」と今大会指揮を取った藤生喜代美アシスタントコーチ(平25スポ卒=福井・足羽)が振り返るように、高さを生かしたインサイドを起点としたオフェンス。さらにはボールマンへプレッシャーをかけてのディフェンスと持ち味を遺憾なく発揮した早大。見事自分たちのプレーを出し切り、優勝へと結び付けた。「3、4年生にも負けないように」(萩尾)。この大会でさらに成長を遂げた1、2年生がチームの力を底上げし、若き力が関東大学女子リーグ戦、全日本大学女子選手権の連覇への原動力となっていくだろう。
(記事 東哲也、写真 橘高安津子、秋間勇人)
2回目の優勝。チームに笑顔がはじけた
★今仲が大会最優秀選手に!その他の選手も続々個人賞を受賞!
今大会を通して安定したパフォーマンスでチームを勢いづけた今仲。「自分が取るような賞じゃないと思うので、周りのみんなに感謝しています。」とまだまだ満足しない、貪欲な姿勢を見せた。また萩尾がアシスト王、田中がリバウンド王、高田がベスト8賞を受賞した。多くの個人賞を受賞した若き才能たちが、秋に向けてさらなる飛躍を誓う。
第5回関東大学女子新人戦 6月21日(vs白鴎大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
22 | 12 | 18 | 22 | 74 |
白鴎大 | 20 | 10 | 14 | 13 | 57 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#2 砂川夏輝(教2=沖縄・西原) G#21 高田静(スポ1=山形市立商) F#10 萩尾千尋(スポ2=愛知・桜花学園) C#16 林靖子(社2=福井・足羽) C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院) |
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◇主なスコアリーダー◇ | |||||
得点 田中真美子:24得点 リバウンド 田中真美子:13リバウンド アシスト 萩尾千尋:5アシスト |
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コメント
藤生喜代美アシスタントコーチ(平25スポ卒=福井・足羽)
――優勝おめでとうございます。今の率直なお気持ちをお聞かせください
最後、自分たちの雰囲気のバスケットができたので、すごく見ていて楽しかったです。優勝できて良かったです。
――チームを率いる立場としてどのようなことを意識して取り組みましたか
新人戦に向けて特別な練習をしていないので、普段の練習でやっていることとコートを繋げるといことと、あとは思い切ってやってほしいので、ポジティブにというところは意識してやりました。
――今大会のチームはどのようなチームだと感じますか
身長が大きくて使えるのが2枚いるので(今仲・田中)、これはいつものチームだとだいたい1枚なので、新しいチャレンジだったんですけど、選手たちも上手く対応してくれて、また新しいスタイルを作り出せたんじゃないかなと思います。
――これまでも接戦になるゲームが多かったですがいかがですか
そうですね。きのうもすごくロースコアで、終盤また追い上げられるかもしれないな~とか思いながら、きょうもきっとこのままでは行かないだろうな~とか思いながら見ていました。でも要所で選手たちがコートの上で頑張れたので、それが何より心強かったですね。頑張りました。
――これまでディフェンスの部分で課題が出ていましたが、きょうの試合ではいかがでしたか
ディフェンスにこだわるというのは、この新人戦のチームだけじゃなくて普段のチームでもすごく大事で、全体のチームになったときでも出ていけるような合格ラインという意味で、これまでは全然足りないって感じで取り組んできました。やっぱり40分通してというのはまだなかなか難しいと思います。でも大事な場面で守るということに意識が向けられていたのは、良かったんじゃないかなと思います。
――今大会を踏まえて秋のリーグ戦までに改善したいことは
ディフェンスのところはやるべきことは明確なのでそれを徹底することですね。オフェンスのところでは、今回新たにチャレンジした、2人のサイドの入り方と3人のサイドの入り方というものを一応持っているんですけど、その辺りで入り方がまだちょっと上手くいかないので、コンビネーションを秋に向けて高めていけたらなと思います。
――最後にリーグ戦に向けての意気込みをお願いします
1、2年生でもこれだけ選手がいますし3、4年生も油断していられないと思うので、チーム内の競争も高めて、優勝目指してチーム一丸となって頑張りたいと思います。
F萩尾千尋(スポ2=愛知・桜花学園)
――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください
めっちゃ嬉しいです(笑)きょねん負けてたので、ことしは勝ててすごい嬉しかったです。
――きょねんのリベンジは果たせたと思いますか
チームとしては果たせたと思うんですけど、個人としてはまだ課題がいっぱい残っているので、それはこれからの自分の糧にして頑張っていきたいと思います。
――具体的にはどのような課題が見つかりましたか
シュートがきのうくらいからずっと入ってなくて、それをきょうも修正できなかったので、まだ打ち込みが足りないかなと思うので、シュートもっと練習します。
――今大会キャプテンとしてどのようなことを意識して取り組みましたか
みんな上手いからプレーで引っ張るとかはできないので、とりあえず流れが悪いときとかも声を出し続けようと思って声掛けをしてきたつもりです。
――アシスト王にも輝きましたが
アシスト王を獲ると思ってなくて、でもみんなが合わせてくれたからこそ獲れたので、みんなに貰った賞だなって思います。
――次のリーグ戦まで時間がありますが、どのようなことを改善したいですか
この新人戦まであまり新人戦の練習をしてこなくて、チームで練習していたのはディフェンスなので、ディフェンスをもうちょっと強化して、ボールマンプレッシャーと厚みのあるディフェンスを練習して、たぶんシュートが入らないこともあると思うので、ディフェンスで崩れないチームを目指していきたいと思います。
――今後ますます層が厚くなると思いますが、競争意識のようなことについてはいかがですか
1、2年生だけになるとのびのびやれるような人とかいると思うんですけど、でもそれだとチームとしては勝てないと思うので、3、4年生にも負けないように、この1、2年生の中からどんどん主力に絡める選手が出てきたらいいなと思います。
――最後にリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
リーグ戦は長丁場になると思うので、スターターの人だけじゃなくて1、2年生もしっかり上級生のサポートをして、チーム全員でことしも優勝を狙いにいきたいです。
C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
――優勝おめでとうございます、今のお気持ちはいかがですか
チームメイトや監督など、周りの人に支えられての優勝だと思います。
――きょうの試合を振り返って
個人的には全然ダメで、きのうはシュートがよく入っていたのですが、きょうは思うように打たせてもらえなかったのですが、センターの田中などがすごく頑張ってくれて勝てたので、自分もこれから後輩に負けず進化していきたいと思いました。
――センター陣のオフェンスリバウンドが勝利のカギだった印象があったのですが、そこに関してはいかがですか
自分がシュートした時もオフェンスリバウンドを取ってくれると思ったので気持ちよく打てたし、これからも武器になっていくと思いました。
――今大会の大会最優秀選手に輝いたお気持ちは?
自分が取るような賞じゃないと思うので、周りのみんなに感謝しています。
――今大会全体を振り返って
1、2年生だけで自分たちが主体で戦って楽しかったし、これからこの大会の経験を糧に3、4年生のチームに入っても1、2年生から発信していけるようにして、チームとして強くなるために、通過点として考えていきたいです。
――大会を通して見つかった課題や収穫は
収穫は1人1人が出番があると絶対にみんな仕事をするし、普段のチームでできないことがいっぱいできて、普段試合に出ていない人の良いところが見つかったことで、課題は…ありすぎます(笑)。チームとしての課題はポジション移動とかディフェンスの面で多く出てきたのですが、きのうときょうはよく出来ていたので、継続してやっていきたいです。
――リーグ戦に向けて、夏の間に強化したいことなどはありますか
自分はもっとセンターらしいプレーをすることと、シュートの精度を上げることで、1、2年のチームとしては、もっと積極的に3、4年生と関わっていって、普段のチームでも1人1人の力が発揮できるように、積極的にプレーしていきたいです。
――リーグ戦に向けて意気込みを
3、4年生には上手い人がいるんですけど、1、2年生ももっと出番をもらえるように1人1人練習でアピールして、全員で2連覇できるように頑張りたいです。