延長戦の末に敗戦、4位で今大会を終える

女子バスケットボール

 関東大学女子選手権(トーナメント)の決勝リーグもいよいよ最終戦を迎えた。相手は今大会好調を維持している筑波大。ここまで1勝1敗の早大が優勝するためには、絶対に負けられない戦いとなった。第1クオーター(Q)でリードを許すもその後逆転し、前半を終える。後半は互いの意地を見せるような接戦となり、60-60のまま試合は5分間の延長戦へ。しかしそこで相手のペースを崩すことができず、66-70で惜敗を喫した。この結果、早大は4位という成績で大会を終えた。

 第1Q、決勝リーグを通して活躍を見せているG田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)がミドルシュートを沈めて先制する。高さのある相手に対して外からのシュートで攻めていく早大は、その後も田村やF根岸夢(スポ4=東京成徳大)のスリーポイントシュートが冴えわたる。しかし相手のスピード感ある攻撃に苦しめられ、なかなか点差を広げることができず、リバウンドが取れない時間も続いた。結局15-23とリードを許したまま第1Qを終える。続く第2Qでは徐々にディフェンスリバウンドが安定し、相手に簡単に点を与えない。オフェンスでも根岸のスリーポイントシュートやC今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)のポストプレーからのシュートなどがさく裂し、残り1分40秒のところで逆転に成功する。そのまま6点のリードを守り切り前半を終えた。

F根岸のスリーポイントシュートが冴えわたった

 迎えた後半、今大会抜群の存在感を示している1年生コンビ、G高田静(スポ1=山形市立商)とC田中真美子(スポ1=東京成徳大)がコートで躍動する。高田が放った鋭いパスを田中が受け、そのままシュートに持ち込む場面が何度か続いた。1点リードで迎えた第4Q、両チーム激しい攻防を繰り広げ、残り1分15秒の時点で58-57という接戦になる。残り45秒のところで相手にシュートを許し逆転されるも、21秒残したところで田中がゴール下のシュートを確実に決め、再び1点リードの状態に。しかし相手に与えてしまったフリースローを決められ、60-60の同点のまま延長戦に臨んだ。延長戦でも両者共に一進一退の攻防を見せる。最後までどうなるか分からない中、田村が5ファウルで退場。一気に苦しい展開となる。そして残り16秒のところで相手に痛恨のスリーポイントシュートを決められ、そのまま試合終了。66-71で敗戦し、大会4位という結果で今シーズン初の公式戦を終えた。

最後までチーム一丸となり戦った

 これで三冠の目標は絶たれてしまったが、選手たちは前を向いていた。「これが最終の目標ではない」(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)。早大女子バスケットボール部のシーズンはまだ開幕したばかり。再び日本一の座に輝くため、これからの戦いに期待だ。

(記事 橘高安津子、写真 黒田菜々子)

★田村が3ポイント王などを受賞!田中も新人賞に輝く!

3ポイント王などを受賞し笑顔を見せる田村

 田村が通算13本のスリーポイントシュートを決め3ポイント王とベスト8賞を、田中が新人賞を受賞した。大会を通して得意のスリーポイントシュートを決めていた田村。今後もチームを勢いづける起爆剤となるか。一方の田中は新人賞の発表で自分の名前が呼ばれ驚いた様子であったが、トロフィーとメダルを手にして笑顔を見せた。


第49回関東大学女子選手権 5月17日(vs筑波大)
   1Q 2Q 3Q 4Q OT 合計

早大

15 24 12 66
筑波大 23 10 14 13 11 71
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
F#11 根岸夢(スポ4=東京成徳大)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  田村未来:22得点
リバウンド  田中真美子:8リバウンド
アシスト  酒井愛:5アシスト
コメント

萩原美樹子ヘッドコーチ(平17二文卒=福島・橘)

――優勝を逃した率直なお気持ちは

悔しいですね。選手たちは非常によくやってくれたところもありますが、残り何分かのところで完全に手詰まりになったときに、ちょっと気持ちが逃げちゃったところがあって、それがやっぱり悔しいかなと思います。

――大会を通して接戦が多かったのですが、選手の気持ちの面でのサポートで何か心がけたことは

ケガ人が多くて、どうしてもあまりゲーム経験の無い選手たちを使わざるを得なかったので、普段の練習中は結構叱ることも多いんですけど、ゲームに入ってからはどっちかというと良い気持ちでやらせるように気をつけてやってました。

――特に1年生の田中選手と高田選手の活躍が目立ちましたが、どのようにお感じですか

非常に助かりましたね。私たちも即戦力という認識はあったんですけど、あそこまでやってくれるとは思ってなくて、あの二人に助けられた部分というのは非常に多かったかなと思います。

――きょうの試合に関して、序盤は外からのシュートが多く見られましたが作戦ですか

そうですね。インサイドの中心だった桂(桂葵、平27社卒=愛知・桜花学園)が卒業してしまって、中で起点が作れないんですよ。あとは本橋(PG本橋菜子主将、スポ4=東京・明星学園)がケガしてることもあって中で起点が作れないので、どうしてもアウトサイド頼りになっちゃうんですね。だからあれは作戦というかそうせざるを得ないというか。初めの方は入ってたから良かったけど、後の方になった入らなくなってから厳しくなりましたね。

――相手のディフェンスの印象は

すごくディフェンシブなチームだとは思わないんですけど、全体的に大きいのでそこで躊躇してしまったりシュートを打てなかったという部分はあると思いますね。

――藤岡選手(筑波大)への対応はどのようにしましたか

非常に良い選手なので、気持ちよくプレーさせるというよりは少しプレッシャーをかけてボールを失わせるというか、そういうことを考えてはいました。ただ藤岡選手にマーク付く選手が今まであまりゲーム経験の無い選手だったということと、オフェンスの中心だったのであまりディフェンスばかりやらせるとオフェンスの時に負担がかかってしまうということが嫌だったので、あまり意識させすぎるというのはできなかったという部分はありますね。

――ケガ人が多いというのは今後の懸念材料になると思いますが

まあ捻挫の選手はすぐ戻ってこれると思うので、しっかり再発しないように防止をしたいと思います。ただ、本橋の前十字(前十字靭帯断裂)に関しては多分間に合ってもインカレだと思うので、控えのポイントガードで今ケガをしている中村(G中村和泉、社3=山口・慶進)を早く復帰させるのと、あとは1年生の高田をもう少しゲームに慣れさせて、全体的にフィットさせるようなことを考えていかなければならないかなと思います。

――今後に向けてまず改善すべきことは

オフェンスですね。なんか点が取れないので、オフェンスって楽しいはずなんだけどなんとなく引きながらやっているところがあるので、本橋がケガをしてしまった以上はもうちょっとオフェンスを作ってあげるということが必要なのかなって思っています。

――今後の目標をお聞かせください

きょねんもトーナメントでは悔しい負け方をして、それから課題を克服してリーグ(関東大学女子リーグ戦)、インカレ(全日本大学選手権)と優勝できた経験もあるので、そういう意味ではこれが最終の目標ではないので、リーグとインカレに向けて今回出てきた宿題をクリアしていけるように頑張りたいと思います。

SG酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)

――優勝のためには勝利が絶対条件となる試合でした。どのようなお気持ちで臨まれましたか

きょうはトーナメント最後だったので全部今までやってきたことを出そうっていう気持ちでやりました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

個人的には相手のガードの人をしっかり止められなかったことが反省点として挙げられます。チームとしてはディフェンスは結構抑えられたのですがオフェンスの部分で途中弱気じゃないですけど相手に勢いで負けちゃっている部分があったのかなって思います。そこが勝敗の差だったと思います。

――大会全体を振り返っていかがですか

個人としては初めてこんなに試合に絡んでやってきたんですけど上手くいかないこともあったんですけど練習でやってきたことを出せる部分はあったのでそれはすごく自信につながりました。チームとしてケガ人が多いなかで1ヶ月間トーナメントにむけて練習してきて、きのうとかきょうとかはまとまりがもてて、少し成長できたんじゃないかなと思います。

――藤岡選手(筑波大)とマッチアップしてみていかがでしたか

すごい上手かったです。緩急とかが上手くて。前半結構引いてしまったっていうのがすごく反省ですね。

――ラストイヤーとなりましたが、どのような年にしていきたいですか

悔いのないように自分ができることを全力でやっていきたいです。