接戦を制し、優勝へ望みをつなぐ

女子バスケットボール

 前日、白鴎大に対して今大会初の黒星を喫した早大。優勝への望みをつなぐため、東京医療保健大との負けられない一戦に臨んだ。立ち上がりから相手の勢いあるプレーに押し込まれ、第1クオーター(Q)終了時点で3点のリードを許してしまう。しかし後半、早大が攻守ともに集中力を存分に発揮して得点を量産し、逆転に成功。両チームとも最後まで粘り強くゴールを狙い試合は均衡状態となるも、早大が逃げ切り最終スコア64-56で接戦を制した。

 両チームとも負けるわけにはいかない一戦。立ち上がりから先制点を許してしまうと、そこから相手の激しいプレスディフェンスに苦しめられ、なかなかインサイドで攻め切ることができない。F根岸夢(スポ4=東京成徳大)とF関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)のスリーポイントシュートなどで食らいつくも、勢いある相手のプレーに飲みこまれてしまう。3点ビハインドのまま迎えた第2Qでは、両者互角の戦いを演じた。着実に得点を重ねていく相手に対し、根岸とG田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)が続けてスリーポイントシュートで応戦する。ディフェンスでも早いローテーションで相手にシュートを打たせない。じわじわと点差を縮めていくなか、終了間際に田村がスリーポイントシュートを華麗に沈めて逆転に成功。しかし相手も負けじとすぐにミドルシュートを決め、27-27と同点で前半を折り返した。

リバウンドも積極的に取りに行き、攻守にわたる活躍を見せたF根岸

 第3Q、先に流れをつかんだのは早大だった。C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)がインサイドで得点を演出すると、そこからスリーポイントシュートを含む連続9得点を挙げる。勢いづいた早大は「逃げずにやろう」(田村)と相手のプレッシャーにも負けず、積極的に攻めの姿勢を貫いた。その集中力はディフェンスでもさえわたり、相手に24秒バイオレーションを誘発させる。しかし簡単にリードを許す相手ではない。激しいオフェンスで外角のシュートを確実に決められ、約4分間無得点に抑え込まれてしまう。45-43の2点差で迎えた最終Q、先制点を奪われ横並びの状態からスタートした。その後も両者ともに得点を挙げ、一進一退の攻防戦が続く。残り1分、C田中真美子(スポ1=東京成徳大)が相手ボールをブロックし、そこからパスをうまくつないで田村が5本目となるスリーポイントシュート。相手の攻守ともに勢いあるプレーに対しても、点差を守り切るためオフェンスリバウンドに果敢に飛び込みセカンドチャンスを作った。最後はノータイムで田村が放ったスリーポイントシュートが再びリングに吸い込まれ、会場の熱気は最高潮に。全員バスケで最後まで粘り強く戦い、最終スコア64-56と接戦を見事に制した。

チーム最多となる6本のスリーポイントシュートを決め、勢いをもたらしたG田村

 接戦をものにする強さを見せた。相手の強気なプレーにも冷静に対応し最後まで攻守ともに集中力を発揮。持ち前のチーム力で勝利をつかみ取った。この時点で決勝リーグに進んだ4チームすべてが1勝1敗となるため、あすの最終戦にすべてが託されている。積み上げてきた全ての力を出し切ることができるのか――。頂点まで残すはあと一戦、負けるわけにはいかない。

(記事 黒田菜々子、写真 橘高安津子)


第49回関東大学女子選手権 5月16日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

11 16 18 19 64
東京医療保健大 14 13 16 13 56
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
F#11 根岸夢(スポ4=東京成徳大)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  田村未来:22得点
リバウンド  根岸夢:10リバウンド
アシスト  田村未来、酒井愛:3アシスト
コメント

F根岸夢(スポ4=東京成徳大)

――きのうの敗戦を受けてどのように気持ちを立て直しましたか

自分自身、全然仕事ができてなかったので、自分のやれることをちゃんとやろうと思いました。

――立ち上がりから苦しい展開になりましたがいかがですか

きのうよりは動きの中で攻めれていたと思うんですけど、シュートを決め切れない中でリバウンドが取れないと自分たちのリズムがつかめないと思うので、オフェンスもディフェンスもリバウンドをしっかり取りにいくことが重要かなと思いました。

――スリーポイントシュートも何本か決めていましたが

きのうまではほとんど打っていなかったので、きょうは積極的に打つことを意識して、全然入ってはないんですけど、リズムはつかめたかなって感じています。

――相手のディフェンスはいかがでしたか

丁寧に中から絞って守っていこうっていうのと、あとはあとはリバウンドのところを意識してて、試合を通してリバウンドを抑えられてしまったというのは大きいと思います。

――早大のリバウンドに関してはいかがですか

たぶん各自すごい意識してたところがあると思うので、いつもならあんなにオフェンスリバウンドいないなってくらい、みんな取りに行ってた印象があるので、それはすごく大きかったなと思います。

――激しい攻防が多く見られましたが、運動量はいかがでしたか

相手の当たりがすごい強かったので、前半はそれが分かっていたんですけどその当たりの強さに嫌になっちゃった部分があって、後半は慣れたというか、みんなちゃんと戦えてたと思います。

――あしたの最終戦に向けて意気込みをお願いします

まだ優勝の可能性が残っているので、勝つことがまず第一なので、しっかり守りながらリバウンドのとこ
を勝負していきたいと思います。

G田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)

――きょうはどのようなお気持ちで臨まれましたか

きのうは自分の得点が少なくてその分の点差で負けたかなって思っていたのですが、萩原(美樹子ヘッドコート、平17二文卒=福島・橘)さんと話し合いとかして今チームに必要なことや自分がすべきことを意見交換できたので不安とかはなくて、気持ちがすっきり
した状態で試合に臨めたので良かったです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

東京医療大はすごく当たりが強くて危ないプレーが多くて前半それに対して自分もなんですけど怖くて戦えてなかったんですけど、後半から全員足腰低くして逃げずにやろうということにしました。
そしたら後半は対等にやりあえて点差がついたので良かったです。

――激しい試合でしたが意識した点はありますか

東京医療大は決まったプレーとかが多くて、セットプレーとかが多かったので抑えどころはチームでしっかりアジャストしていたのでそこのところをしっかりやって練習通りに
やってきちんと守っていけばちゃんと勝利がついてくるという話しあいをしていました。アジャストの部分を抜かりなくみんなで声出して守るっていうディフェンスの面での意識が多かったです。

――チーム全体として攻めの姿勢が多く見られましたがいかがですか

一人一人がちゃんと戦えとか、リング向いて1対1いけとかベンチからの声が多かったので相手のボールのプレッシャーが強い分しっかり逃げずに戦えば
抜けるっていう風に言われていたので一人一人が戦ってゴールに向かっていけたと思います。

――相手のディフェンスについてはいかがですか

プレッシャーも激しくついてくるけど、嫌がれば相手の思うツボなので戦えば簡単に抜けるのでそこの部分の対応が自分の中でちょっと遅かったなと思いました。
もっと前半から意識的に戦って抜いていけばよかったなと思います。

――シュートについてはいかがですか

きのうはシュートを外しても結構下向きな気持ちでいました。何で入らないんだろうとか絶対次はいれなきゃとか。きょうはシュートを外しても
次絶対入ると思って前向きな気持ちでいきました。そう思ってたら自分の中でリズムができて、練習通り打てたのでそういう気持ちが大事だなと思いました。

――あしたは大事な一戦となりますが、意気込みをお願いします

得失点差とかで勝利とか優勝が決まってくるのでとりあえず点差をつけて勝ちたいです。