猛追を見せるも、因縁の相手に敗戦

女子バスケットボール

 4年ぶりに春の頂点へ――。関東女子選手権大会(トーナメント)4日目、決勝リーグに進出した早大が第1戦目に対峙(たいじ)したのは、因縁のライバル・白鴎大。前半から相手の高さに苦しめられ得点を挙げられない時間が続く。最終クオーター(Q)で一気に攻勢をかけるものの及ばず58-63で惜敗。優勝から一歩遠ざかる結果となった。

 立ち上がりの悪さが課題として上げられている早大。F根岸夢(スポ4=東京成徳大)が開始早々ゴール下のシュートで先制点を奪ったものの、テンポよく試合を運ぶことができない。12-16と4点ビハインドで迎えた第2Q、序盤は拮抗(きっこう)したプレーを展開する。今大会活躍中のルーキーG高田静(スポ1=山形市立商)がスリーポイントシュートで点差を縮め、一時は同点まで追いつくも流れは次第に白鴎大へ。得点を立て続けに挙げる相手に対し、早大も積極的にシュートを狙うがリングに嫌われてしまう。「いつもなら取れるリバウンドが取れなかった」(高田)と高さで勝る相手にリバウンドを支配され、攻撃の機会をなかなか見いだせない。選手を入れ替え、何とか悪い流れを断ち切りたかったがボールが上手く回らず攻守ともに重苦しい雰囲気に。そのまま約4分間無得点の状態が続き、21-33で前半を折り返した。

高さのあるディフェンスに苦しめられた

 流れを変えたい後半だが、相手の強いオフェンスリバウンドや高さを生かしたディフェンスに苦しみ攻め切ることができない。コンスタントに得点を重ねる白鴎大に対し、ようやくF関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)が約10分ぶりにフィールドゴールを決める。その後もC今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)がスリーポイントシュートを沈めるが、いまひとつ波に乗り切ることができず。第3Q終了時点で31-48と17点差をつけられてしまう。しかし、三冠達成という目標に向けて早大が諦めることはなかった。迎えた最終第4Q、C田中真美子(スポ1=東京成徳大)がインサイドで得点を奪ったことにより攻撃の口火を切ると、早大らしい攻めのバスケットを展開。高田の的確なアシストから、田中がシュートを決めるなど、勢いのあるプレーで得点を量産していく。終了間際、高田のスリーポイントシュートで4点差まで詰め寄る猛追を見せるも一歩及ばず。最終スコア58-63と今大会、初黒星となった。

1年生ながら堂々としたプレーを見せたG高田

 第3Qまでは本来の力が発揮できず早大にとって我慢の展開が続いた。しかし最終Qだけで27得点を挙げられたことは、「粘って戦ってくれたのが良かった」(今仲)と早大の強みの一つである、最後まで諦めず攻めの姿勢を貫くことの結果だ。自分たちの強みをどこまで存分に生かしていけるかが勝利への大きなカギとなるだろう。決勝リーグも残すはあと2戦。昨年の雪辱を果たすため、チーム一丸となり負けられない戦いに挑む。

(記事 黒田菜々子、写真 橘高安津子)


第49回関東大学女子選手権 5月15日(vs白鴎大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

12 10 27 58
白鴎大 16 17 15 15 63
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
F#11 根岸夢(スポ4=東京成徳大)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  酒井愛:10得点
リバウンド  今仲杏奈:7リバウンド
アシスト  高田静:4アシスト
コメント

C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

大会直前にケガ人とかが出て、あんまりよくない状況だったのでチャレンジャー精神で負けて元々という気持ちでみんなでチャレンジャー精神でやったので、結果負けちゃったんですけどそれぞれのいいところとか出たので、また明日に向けて頑張ろうと思います。

――いいところというと具体的にどんなところですか

最初オフェンスでスタートのメンバーが重たくてあんまりよくなかったんですけど、交代で出て最後に出たメンバーで粘って戦ってくれたのがよかったです。

――第2Qの最後など得点が止まってしまうところもありましたが、要因はどんなところですか

オフェンスがみんなもわかんなかったんですけど、いつもみたいにボールが回らなくて、一人一人が重たかったので、原因も監督もわからないって言っていたので、もうちょっと気楽にいつも通り練習通りにできたらよかったなと思いました。

――マッチアップは馬選手(白鷗大)でしたが、意識していたことは

周りがカバーに寄ってくれるのを約束事にしていたので、でもなるべく1対1で守ろうと思っていたので、馬さんは1本目のシュートを外すことが多いと聞いていたので、もし打たれたとしても2本目のリバウンドを取ってやろうと思っていました。

――リバウンドというところに関してはいかがですか

自分はリバウンドそんな得意じゃないんですけど、オフェンスリバウンドの面では結構飛び込めたと思うので、継続していきます。

――個人の手応えは

もうちょっとやりたかったこととか用意していたことがあって、できなかった部分もあるんですけど、馬さんが気を抜いてオフェンスリバウンドに入らせてくれる時とかそういう小さいチャンスは狙えたかなと思います。

――あしたに向けて意気込みをお願いします

状況があまりよくないので、でもそれは言い訳にならないのでチャレンジャー精神でみんなで明るく戦っていきたいです。

G高田静(スポ1=山形市立商業)

――敗戦してしまいましたが今の率直な気持ちをお聞かせください

やはりきょうはオフェンスが試合全体を通して上手くいかなくて、ディフェンスでも相手の強いリバウンドにやられてしまったなと思いました。

――相手はライバルである白鴎大でしたが、何か意識したことなどありますか

相手の林選手(白鴎大)がよくシュートが入るので、そこでシュートをあまり打たせないということと、センターの馬選手(白鴎大)のところを全員で守るということを意識してやりました。

――体の強さまたは大きさの違いなどは感じましたか

やっぱり相手は大きい選手が揃っていて、いつもなら取れるリバウンドとかが取れなかったと感じました。

――ハーフタイムはどのような話をしましたか

オフェンスが重い感じになってボールが止まってしまって、ボールが孤立しているということだったので、しっかりレシーバーが早めに受けてどんどん繋いで、ボールを早く動かそうということを言われました。

――終盤アシストやシュートを決めて追い上げる場面もありましたが

試合に出たからには思い切ってプレーしようと思ってやってました。

――あした以降に向けて意気込みをお願いします

きょう色々と課題が出たので、しっかりと次の試合までになぜだめだったのかを考えて、次の試合では修正してあと2戦どっちも勝てるように頑張ります。