最後の戦いが幕開け

女子バスケットボール

 涙の全国制覇から1ヶ月。今シーズン最高の成績を収めてきている早大が、ついに現チームで挑む最後の大会を迎えた。皇后杯全日本総合選手権大会(オールジャパン)は、高校、大学、実業団、プロチームが一斉にトーナメントに集結し、正真正銘の日本一を争う戦いだ。今までの大会とは一味違った雰囲気の中で、大学王者の早大はプロ相手にどこまで戦えるのか。最後の挑戦が始まった。

 初戦の相手は、1回戦で実業団を倒してきた大学8位の順大。先を見据えると順当に突破しておきたい2回戦も、安定した力でぶれなく突き進む。第1クオーター(Q)、全員でディフェンスリバウンドに飛び込んでから速攻で得点を伸ばし、流れをつくる。F根岸夢(スポ3=東京成徳大)やF関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)などスターティングメンバーを中心にドライブ、ミドルシュートと柔軟な動きで得点。コートのスペースを自由に使ってノーマークをつくり出すバスケットで、序盤から主導権を奪い続けた。対する順大はオールコートプレスディフェンスで早大の攻撃を崩し、スリーポイントシュートで追随。高さのない順大の十八番だ。ディフェンスの連携ミスで第2Q終盤若干の追い上げを許すも、45−22とダブルスコアで前半を終了する。

ドリブルで相手を切り崩す田村

 失点後のオフェンスをピンポイントで狙ってくる相手に、第3Qは攻撃が少々もたついた。それでも途中出場のC林靖子(社1=福井・足羽)がG田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)のアシストパスに応え、先陣を切って速攻に飛び出して力強く得点。第4QではC今仲杏奈(スポ1=大阪薫英女学院)やF萩尾千尋(スポ1=愛知・桜花学園)がコートで活躍し、若い力も存分に見せつける。最終的に96−58と大差をつけて、堂々の勝利を飾った。

今季急成長を見せた井関

 「一つ一つ目の前にあることと戦っている」と本橋が語るように、常に目の前の敵を見つめ、一戦必勝を掲げて戦ってきた早大。最後の戦いとはいえそのスタンスは崩れない。しかし泣いても笑っても現チームで戦うのはこれが最後。戦いの末には、悔いのない笑顔を見せてくれるだろうか。今年度の集大成を、早大バスケットにかける全ての思いを、コートの上で爆発させてほしい。

(記事 宮西祐香子、写真 橘高安津子)

第81回皇后杯全日本総合選手権大会1月2日(vs順大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

24 21 24 27 96
順大 11 11 22 14 58
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園)
コメント

PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)

――インカレが終わり1ヶ月が経ちましたが、今大会までにどのような練習に取り組んできましたか

実業団相手にもしっかり大学チャンピオンとして挑戦していけるように、しっかり取り組んできました。

――今大会の目標は

実業団相手に挑戦するということです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

ところどころミスが続いちゃったり、甘くなっちゃったところもあったんですけど、練習で取り組んできたことはちゃんとできたかなと思います。

――きょうのご自身のプレー振り返っていかがですか

結構奥を見れていたので飛ばせるところは飛ばせていたと思うんですけど、もうちょっとチームがミスが続いた時に落ち着かせられるように行動とか声かけできればいいと思います。

――4年生とプレーするのも残りわずかですが、4年生への思いはありますか

最後だなーって。でも一つ一つ目の前にあることと戦っているのでちょっと実感がないです。まだいるんじゃないかって。

――次の試合はプロチームが相手ですが、どのように戦いたいですか

ワセダらしいプレーができればいいなと思っていて、後は細かいところのミスとかイージーシュートとかを絶対見逃さないでくると思うので、そこを注意しながら楽しくやりたいです。

――あしたの試合に向けて意気込みをお願いします

勝ちにいけるように頑張ります。

G田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)

——きょうの試合を振り返って

順大は最後まで諦めないチームだし、結構最後まで粘ってくるので、小さいことからやっていこうということでみんなでアジャストとかやってきたので、出だしからしっかり頑張ろうという意識で臨みました。

——出だしから点差を離していきましたが、チームの攻撃はいかがでしたか

アジャスト練習の時にスタメンじゃない人たちが順大の役をやっていてくれたんですけど、その練習で攻め方とかをイメージしてできたので、その通りになれていい出だしだったかなと思います。

——ご自身の攻撃や守備はいかがでしたか

攻撃面ではゴール下とかのイージーシュートを落としてしまったのでそこを決め切ることと、後半の出だしで自分のミスが続いてしまったので、気持ちの部分でしっかり集中して臨みたいです。守備の方はずっとファウルしないようにということを言われているので、それを意識してプレーしました。

——相手の順大は何度も戦っている相手ですが、何か意識したことはありますか

スリーポイントシュートとかがすごく得意なチームなので練習から徹底してハンズアップするとか、その分かっているプレーで絶対やられないようにしようと言っていたので、途中ちょっとやられてしまった時間もあったんですけど、全体的にしっかりスリーポイントシュートを守れたと思います。

——あしたはプロチームとの対戦ですが意気込みをお願いします。

プロのチームの選手はすごい上手いし身体も強いんですけど、学生らしく爽やかに走って身体でも負けないように、チーム全体で頑張って勝ちたいなと思います。

C林靖子(社1=福井・足羽)

――今季最後の大会ということで、意識していたことはありますか

4年生とできるのも最後の大会なので、1年間の集大成として、今まで練習してきたことを出し切れるように意識していました。

――順大とは何度か戦ってきていますが、いつもと比べてできたところ、できなかったところはありますか

できた面としては、今まで以上にスリーポイントを撃たせないように、チーム全体で意識できました。チェックして間合いを詰められたので、そこはいつもと比較してよくできたと思います。できなかったことは、前から当たってくるチームなので、もう少し簡単に、スムーズにボールを運べたのではないかということとです。あとは、身長で勝っているので、オフェンスリバウンドもディフェンスリバウンドももう少し取り切れる部分があったのではないかと思いました。

――きょうは速攻の最後のシューターとしての役目が多かったようですが

相手がシュートを決めたときはプレスでくるということで、相手を最後のディフェンスのところで後ろに引っ張るという指示が出ていたので、その部分をしっかりできるよう、準備をしていました。あとは、トランディションがあったときは、先頭を走って、センターが真ん中を走るというのが一つの流れになっていたので、そこをちゃんと意識できました。

――らいねんのチームに向けての意識はあるのでしょうか

自分としては、この身長で5番のセンターポジションでは低いほうなので、全然できないと言われていました。順天とかはオールアウトのチームなので、そこまでのディフェンスをシュートチェックしに行ったり、ディフェンスの足をつくることという面です。

――あすはプロチームとの対戦ですが、意気込みをお願いします

きょうもミーティングで、しっかり切り替えて臨もうということでした。身体の当たりもシュートも強いし入るし。今まで準備してきたことをコートの中で出し切ろう、という話が出てきたので、スクリーンが多いチームなので、積極的に下から声を出して支えていこうと思います。オフェンスでは、決まった人しか点を取らないのではなくて、みんなで動いて、その流れの中で攻められるチャンスをうかがっていくことを意識していきたいと思います。