インカレ初戦、関東王者の貫禄見せる

女子バスケットボール

 女王を決める戦いが、ついに始まった。関東のトップに輝いた早大がその舞台を日本全国しへと広げ、全日本大学選手権(インカレ)優勝を目指す。3年前に一度日本一を経験して以来、2位、4位と王座からは遠のいている状況だが、ことしの早大は一味違う。その勝利への執念深さから、どんなプレーを見せてくれるのだろうか。

 初戦の相手は中国地方2位の環太平洋大。オールコートプレス・ゾーン・マンツーマンディフェンスを駆使した守備が特徴的だ。インカレ独特の雰囲気の中で、序盤は攻守ともにうまく回らない。しかし第1クオーター(Q)の中で、F根岸夢(スポ3=東京成徳大)やPG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)の1対1で点数が入り出すと、徐々に試合は早大ペースに。前からの当たりが強いディフェンスにミスが誘発されつつも、ロングパス・ショートパスを使い分けて相手の間をついた。ここでは本橋のアシストパスが炸裂。プレスディフェンスをコンビネーションを利用したブレイクで突破し、55−28と大きくリードを広げて後半へ突入する。

ボールを運ぶ本橋

 後半は下級生が中心となって試合を進めた。下級生は相手のプレス・ゾーンに苦戦する。第4Qをスコアだけで振り返ると13−19と、相手に軍配が上がっている。今回プレスディフェンスを切り崩すカギを握っていたG砂川夏輝は「全然自分の役目を果たすことができなかった」と悔しげな表情を見せた。インカレという大舞台で経験を積み、今後の成長材料としてくれることだろう。とはいえ第3Qまでの大量リードをしっかりと守りきり、最終スコア90−61で堂々の初戦突破を果たした。

後半コート上で活躍した井関副将

 関東大学女子選手権大会や関東大学女子リーグ戦とは異なり、インカレは1週間という短期間で開催される。そのためいかに短時間で修正を効かせられるか、そしてブレなく戦い抜けるかが勝敗を分かつだろう。今試合はリバウンド・ルーズボールの面で不安が残った。次なる相手は関西3位の奈良学園大だ。2日後の2回戦では、また一回り成長した早大の姿が見られるに違いない。

(記事 宮西祐香子、写真 東哲也)

第66回全日本大学選手権11月24日(vs環太平洋大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

26 29 22 13 90
環太平洋大 14 14 14 19 61
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園)
コメント

G本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最初の入りでちょっと慌ててしまった部分があったので、後半はだんだん修正できたんですけど、前半の出だしから後半のようなプレーができるようにしないといけないなと思います。

――インカレの初戦でしたが、初戦独特の緊張感はあったのでしょうか

ありました。相手の勢いに飲まれた訳じゃないんですけど、浮き足立っちゃって自分たちのバスケット、ゲーム運びができなかったかなと思います。

――相手のプレスディフェンスで苦しんでいた印象ですが

やってくることはわかっていて練習していたんですけど、ボールの扱いが弱くて引っ掛けられて取られているところがあって、球際のところとか、私がもうちょっと上手く空いている人のところにボールを飛ばせることができればよかったと思います。

――全体を通してミスが多かった印象を受けましたが

球際は本当に弱くて簡単にボールを扱っちゃっていたところがあったので、普段の練習でそういう場面がなかったので、本当にきょうはそういうところが出ちゃったのかなと思います。

――逆にきょうよかったことは

前半でダメだったところを後半しっかり修正できたのはよかったです。ちょっと遅かったんですけど、まあよかったと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

きょうまたたくさん課題が見つかったので、あした一日練習があるので修正していって次の試合に臨みたいと思います。

G砂川夏輝(教1=沖縄・西原)

――このインカレに向けて、どのようなことを意識してきましたか

自分はスタートの相手役として、アジャストするために相手を再現することをやってきていて、その中で大事なことを自分のものにしていったり、チームで、スタートの人たちもそうじゃない人たちもやり合えるように、自分たちは相手役をやっていました。

――きょうの環太平洋大に対してはどのような準備をして臨んだのでしょうか

ダブルチームのプレスディフェンスと、オフェンスがディフェンスを上手く利用してやってきて、すぐリバウンドに来て、ルーズも強かったので、そこを優先的に取り組んできました。

――初めてのインカレは他の大会とは違いましたか

はい、でもトーナメント(関東大学女子選手権大会)のときほどは緊張しなかったんですけど、自分が出れたときに全然自分の役目を果たすことができなかったので、次にチャンスがあったときには頑張りたいと思います。

――先ほどの言葉通り、特徴のあるディフェンスでしたがそれへのご自身のオフェンスはいかがでしたか

奥の方を見てしまったりして、空いている人というか、隣の人に、地味なパスじゃないですけど、細かくつないでいけば良かったのかなと思っています。試合がばたばたしちゃったので、そこはもうちょっと、近くの人だったり、プレスにかからないようにスムーズにできたらなと思います。

――次も出場機会があることが予想されますが、意気込みをお願いします

とにかくディフェンスを抜かさないことを頑張ることと、自分はガードとして出るので、他の4人と合わせて5人でやりたいことをしっかりやって、ワセダのバスケットができたらいいなと思います。