先週白鷗大との熱戦を制し、優勝まであと1勝という緊張感の中で臨んだ拓大戦。決して油断の許されない相手ではあったが、今大会11勝1敗と圧倒的な強さを見せている早大に死角はなかった。第2クオーター(Q)でペースを崩すものの後半立ち直り、18点差をつけて勝利。この勝利で関東大学女子リーグ戦創部初優勝を決め、栄誉をたたえるギャラリーに対して選手たちは安堵の表情を見せた。
第1Q、先制点を奪い一歩先に出るも、拓大に食い下がられる。「ガードのところが起点になって、そこから1対1とかパスがさばかれる」とG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)が振り返るように、トップで正確なスクリーンを多用してくる相手の攻撃に、早大ディフェンスは後手に回った。守備を起点とする早大のバスケットができず、オフェンスでもミスが出始める。それでもF関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)のスリーポイントシュートや本橋の速攻で得点を返し、さらには関根がタップシュートでブザービートを決めて35−38と3点ビハインドの状態で前半を終える。
1対1でディフェンスを切り崩す関根
後半に入ると早大ディフェンスが機能し始める。ガードとセンターのスクリーンから始まる相手の攻撃を本橋、C桂葵(スポ4=愛知・桜花学園)のコンビプレーで確実に止めた。相手のゾーンディフェンスに攻め手を欠いていた早大であったが、このQでインサイドにボールが入り始め、桂のバスケットカウントなどで波に乗る。スピード感のあるオフェンスで一気に点差を広げた。最終Qで流れをつくったのは、F加藤臨(スポ2=山形市立商)を中心とする力強いオフェンスリバウンド。加藤はこのプレーでチームを盛り上げ、連続攻撃権を獲得する以上の貢献をした。残り時間が少なくなると拓大はオールコートのプレスディフェンスを仕掛けてくるも、早大は緩急をつけた攻撃で撃破。第4Qの失点を5点に抑え、76−58で12個目の白星を獲得した。
加藤は守備とリバウンドで流れを引き込む
ついに悲願の優勝を勝ち取った。喜びに沸く周囲に対し、当の選手たちは「まだ実感がない」(加藤)様子だ。さらには、「まだあしたの試合がある」(本橋)と一分の隙も見せない。きょうの試合で得られた課題もあり、あすの試合で得られる収穫もあるだろう。歓喜の表情は表彰式で見せてもらうとして、まずはあす、あくまで貪欲な姿勢でバスケットをする早大の最終戦を見届けたい。
(記事 宮西祐香子、写真 巌千咲)
第64回関東大学女子リーグ戦10月11日(vs拓大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
18 | 17 | 27 | 14 | 76 |
拓大 | 17 | 21 | 15 | 5 | 58 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#14 神﨑由香(スポ4=福岡・中村学園女) PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園) F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大) F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院) C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園) |
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コメント
G本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
――まずは優勝おめでとうございます。いまの気持ちはいかがですか
ありがとうございます。まだあしたの試合があるのでちょっと実感湧かなかったんですけど、みんなが喜んでいたので嬉しかったです。
――相手はスクリーンプレーを上手く使っていましたが、どのように対処していましたか
ガードのところが起点になって、そこから1対1とかパスがさばかれるので、そのころをまず1回目に止めようという対策をしていたんですけど、前半部分はそれについていけなくて、後半でやっと機能し始めたので、あしたは前半からできるようにしたいと思います。
――ゾーンアタックも後半から機能し始めました
ゾーンには対してもしっかり練習していたんですけど、上手く間の空いているところへのちょっとしたパスの選択ミスだったりとかが目立ってしまったり、あとは自分が空いているのにパスばかりを見てしまったりとかがあったので、もうちょっと自分でシュートに向かうことと、あいだあいだを攻めることと、あとはパスを丁寧に出すことが大切だと思います。
――後半巻き返したきっかけは、機能し始めたディフェンス以外にもありますか
要所要所で決めるべきシュートをみんながちゃんと決めていたことが良かったと思います。
――あすの最終戦へ向けて意気込みをお願いします
優勝は決まったんですけど、最後負けて終わると後味が悪いので、あしたもちゃんとしっかり勝って、終わりたいと思います。
F加藤臨(スポ2=山形商)
――アウェイでの試合でしたが、やりにくさは感じましたか
自分はそんなに感じなかったです。
――前半、競った展開の中でどんなプレーをしようと考えてコートに入りましたか
いつも通りということを考えていました。自分は控えだったので、ディフェンスからチームの流れを戻すことを考えてプレーしていました。
――相手の注意点はありましたか
14番の選手がシューターで、きょうも何本もスリーを決めていて調子のいい選手なので、シュートを打たせないことを考えていました。でもやられてしまった部分もあってそこをきょう指摘されたので、あしたは改善したいと思います。
――ビハインドの時間もありましたが、点差を開かせてしまった原因は
オフェンスがうまくいかない時に、ディフェンスでの細かいミスが相手の得点につながってしまったので、そこが原因だと思います。
――そこから逆転、そして点差を広げることができた要因はどこだったのでしょうか
まずディフェンスのところで、相手の11番のピックをセンターとガードで連携して守ることができるようになってからブレイクもありましたし、ディフェンスから確実にシュートにつなげられたところがよかったと思います。
――今シーズンはきょうのような試合展開が多いですが、チームとして成長したと感じた部分はありますか
最後まで諦めない気持ちが勝利につながっていると思います。
――優勝が決まりました。率直な気持ちはいかがですか
まだ実感がないんですけど、きょうの勝利は喜びつつまたあしたに向けて気を引き締めて、勝ってリーグ戦を終えられるように頑張りたいと思います。