関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)も各チーム10試合を終え、残るは4試合といよいよ佳境に入った。全勝で首位を走る早大は、2敗で2位につける白鷗大との直接対決。勝ち点が並んだ場合は当該チームの対戦結果で順位が決まるため、今週は早大の2勝ならば優勝が決定、逆に2敗ならば白鷗大が首位に躍り出る大一番だ。
大事な1戦目、先に流れをつかんだのは早大だった。萩原美樹子ヘッドコーチ(平17二文卒=福島・橘)が白鷗大の起点として挙げる3選手への組織的なマークがうまく機能、失点を抑える。攻めてはメンバーがバランスよく得点を重ね、ディフェンスに的を絞らせない。23-10で第1クオーター(Q)を制し、これ以上ない立ち上がり。しかし、昨季のリーグ戦王者・白鷗大は簡単に勝たせてはくれなかった。
攻守で苦しめられた桂
第2Q、白鷗大の猛攻を受ける。早大のスコアが止まり、相手の中心選手たちに立て続けに決められた。流れが変わり始めたところで早大はタイムアウトを要求。しかし、相手の勢いは止まらない。結局、このQの30失点は全て3人の起点から奪われた。「第2Qで30点取られたというのは誤算」(萩原ヘッドコーチ)。逆転を許し、試合は白鷗大ペースで進み始める。
第3Qも白鷗大の勢いを止められない。強力な相手センターにボールが入ると早大は複数のマークをつけたが、結果的にフリーになった外からのシュートで失点した。早大もC桂葵(スポ4=愛知・桜花学園)、F根岸夢(スポ3=東京成徳大)や流れを変えるべく投入されたG中村和泉(社2=山口・慶進)が奮闘する。終了間際にはG田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)とPG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)が決め、54-63と何とか1桁の点差で持ちこたえた。/p>
後半アグレッシブな動きを見せた関根
第4Q、なかなか点差を詰められない。残り8分31秒となったところで早大はタイムアウトを取ると、センターをベンチに下げる 策に出た。白鷗大相手には準備してこなかった作戦だが、「追いつかなきゃならなかったので、ラインナップを小さくせざるを得なかった」(萩原ヘッドコーチ)と、高さを捨ててでもスピード勝負ならば早大に分があると判断して踏み切った。本橋やF関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)が中心となり、展開の速いバスケットで、一時7点差まで追い上げ執念を見せる。しかし、イチかバチかの試みも逆転には至らず、72-85で試合終了。第2Q以降は見せ場なく完敗、スコア以上にダメージの残る敗北だった。
初黒星となった早大。あしたは勝ったほうが優勝に大きく近づく首位攻防戦となる。「ここで勝たないと優勝はない」(根岸)。リーグ戦初優勝へ向け、いざ正真正銘の頂上決戦だ。
(記事 森健悟、写真 藤巻晴帆、宮西祐香子)
第64回関東大学女子リーグ戦10月4日(vs白鷗大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
23 | 15 | 16 | 18 | 72 |
白鷗大 | 13 | 30 | 20 | 22 | 85 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#14 神﨑由香(スポ4=福岡・中村学園女) PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園) F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大) F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院) C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園) |
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コメント
萩原美樹子ヘッドコーチ(平17二文卒=福島・橘)
――白鷗大戦ということで、どんなことを準備して臨みましたか
白鷗大は起点が3つあって、そのうちの1つを潰そう、ということを言っていたのですけど、そこを割と1ピリから気持ちよくシュートに行かせてしまっていたので、そこがまず原因かなと思いますね。あとは出だしがすごく良かったんですけど、良かったことで、守りに入っちゃったというか。それで2ピリからちょっと重かったかなと思いますね。
――白鷗大の3つの起点というのは
鶴見と林と馬のところですね。
――第1Qは馬選手を抑えられていたように見えましたが
そうだったんですけどね。2ピリはもう一対一で守り切れないところがあって。1Qはヘルプに回っていたので上手くいった部分があったんですけど、2ピリからは桂(葵、スポ4=愛知・桜花学園)のところがやられちゃったので。ちょっとあそこの馬のところでやられて、2ピリで30点取られたというのは誤算ですね。
――第4Q最後で桂選手を起用しなかったのはそういった理由からでしょうか
はい、守れないので。あんなに守れないとなるとちょっとやっぱり。というか、追いつかなきゃならなかったので、ラインナップを小さくせざるを得なかったですね。でもやっぱり小さくすると追い詰められる部分があって、本当は今週練習していなかったことなので、ちょっと可哀想だったかなと思いますね。
――相手のスリーポイントシュートにもやられてしまいました
そう、1ピリまではね、すごくいいディフェンスをして結構止められていたんですけど、2ピリちょっと息を吹き返させてしまったかなというのがあって。もうああなると落ちないですよね、やっぱり得点力があるチームなので。
――あすはどんな対策をして臨みますか
ちょっとやっぱり馬のところの得点を抑えることを考えるということと、スリーポイントですね、そこが危険になっているので。ボールが入っちゃうと、馬には警戒させられて、気持ちよくスリーポイントをやられてしまうというところがあるので、そこはもうちょっと頑張らなきゃいけないかなと思います。
F根岸夢(スポ3=東京成徳大)
――昨年優勝の白鷗大ですが、どのように臨もうとチームでは話していたのですか
練習でやってきたことをやろうということと、リバウンド勝負なのでそこをしっかりやろうと話していました。
――第1Qは23-13と制して立ち上がりは良かったのではないでしょうか
いつもと比べたら出だしは良かったと思うし、ディフェンスで守れていたので良かったと思いますね。
――第2Qでひっくり返されました。コートの中にいて、変わったと感じたことはありますか
ディフェンスで、第2Qは30点くらい取られたんですけど、守れていなかったことが追いつかれた原因かなと思います。
――第2Qになって相手のポイントゲッターである馬選手に点を取られ始めました
そこに寄ったり、周りがカバーする練習をしていたのですが、そこができていなかったと思います。
――相手のもう一人の得点源である林選手のマークにつくことが多かったですが、対戦してみていかがでしたか
守れているときもあったんですけど、やっぱり良いところで決められていたし、やられてしまったなという印象です。
――第4Qで3分間ほど退いたのみで、長時間の出場でした。これまでにあまりなかった起用方ですが、予定通りだったのですか
出るだろうというのは覚悟していたので、想定内ではありました。
――体力面ではいかがでしたか
一番最後の1分くらいは足が止まっている感じがしたので、向こうは交代する中でもタフに動いてくるし、リバウンドの面で、うちは小さいので自分が飛び込まなくてはいけなくて、そういうところは自分が頑張っていかないといけないなと思いました。
――リーグ戦初めての敗戦ですが、チームの雰囲気はいかがですか
落ち込んでいる人もいるし、でも、ここで勝たないと優勝はないというのは同じ条件なので、あしたはきょうよりもやりやすいというか、気持ちの面ではわかりやすいんじゃないかと思います。
――あしたの試合はどう臨まれますか
やっぱり気持ちの面で向かっていくこと。後がないというか、絶対に負けられないので。きょうディフェンスとリバウンドのところで負けてしまったですが、しっかり頑張りたいと思います。
PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
――きょうの試合への意気込みは
この1週間、白鷗大に向けてのアジャストをしっかり練習でやってきたので、練習でやってきたことをやれば大丈夫だと思ってやっていました。
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
出だしが良くて点差が離れて、途中にプレッシャーかけられた時に1人1人が逃げてしまって向かっていけなかったのであしたは強くいければいいなと思います。
――前半は良かったリバウンドですが後半は相手に取られることが多くなってしまいましたが
センターのところを1人にしてしまって、センターのところでボックスアウトした時に周りもディフェンスのリバウンドを増やして全員で取りに行ければよかったなと思います。
――ディフェンスでの反省点は
フォワードとセンターの所が起点なのですが、そこの所でしっかり守れなかったのであしたはそこをしっかり守れるようにしたいと思います。
――あしたに向けての修正点は
その起点の所を自分がしっかり守れるようにするのと、オフェンスはもうちょっと縦の動きを増やして動きの中でそれぞれが一対一やシュートを狙っていけるようにしたいと思います。