後半突き放し白星、ベスト8進出

女子バスケットボール

 新人戦2日目、優勝を目指す早大にとって順当に勝ち進みたいこの1戦。第1クォーター(Q)の立ち上がりに苦しみ相手を突き放すことができずにいたが、G田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)が積極的に声を出してチームを鼓舞し、早大らしい走るバスケットの流れを取り戻す。後半はベンチメンバーがコート上で躍動し、最終スコアで30点以上の差をつけて勝利。ベスト8へと駒を進めた。

 試合が始まると同時に先制を許し、出ばなをくじかれた。シュートがリングに嫌われリズムをつくることができず、立ち上がりの重さに開始3分でタイムアウトを要求。その後は13−14とリードを許していた早大であったが、第1Q残り3分となったところでG中村和泉(社2=山口・慶進)、G田村が続けてスリーポイントシュートを沈めるなどで12連続得点。26−16と10点差をつけ第1Qを終える。続く第2Q、徐々にブレイクが増えてくるもターンオーバーが減らない。このQだけの得点で見ると15−15と、いまひとつ波に乗れぬままで前半を終えた。

キャプテンらしくチームを支えたG田村

 前半の重い雰囲気を断ち切ったのは、早大の元気印・G田村だ。第3Q8分、バスケットカウントで得点を稼ぎ仲間に声をかける。それに呼応してG中村がスリーポイントシュートを決め、ようやくチームが活気づいて早大らしい走るバスケットが見られるようになった。C林靖子(社1=福井・足羽)がオフェンスリバウンドからバスケットカウントで3点プレーを見せ、第3Q開始7分までで相手の得点をわずか2点に押さえる。その後G阿部真紀子(スポ2=福島・磐城)、G山田桃子(教2=千葉・幕張総合)がコートに入り、パスアンドランでオフェンスに動きをつけた。65−42と一気に差を広げて第4Qへ。最終Qもスターティングメンバー以外の選手で戦いに挑んだ。ゾーンディフェンスを取り入れて相手の攻撃を崩し、オフェンスではセンターを要にG阿部がアシストパスで得点を演出。G崎上あやね(スポ1=東京・早実)のスリーポイントシュートも見られた。チームファウルがかさんだ相手に対しG山田は落ち着いてフリースローを沈め、最終スコア93−62で試合終了。全員バスケで2日目の白星を手にした。

速攻で何度も先頭を切って走ったG阿部

 出だしの重さを断ち切って自分たちの流れをつくる力を発揮した早大。「普段からチームでやっていること、そこしか徹底できない」(藤生学生コーチ、スポ研1=早大)ことを再確認する試合となった。またこの試合後半は、普段は出場機会の少ない選手も中心となってプレーし、全員にとって何らかの収穫があっただろう。あすはベスト4をかけて日本女子体育大学と対戦する。先月の関東大学女子選手権大会でも接戦を演じた相手だが、優勝のためには確実に勝利を手にしなければならない。毎日成長を続ける早大に、あすも注目だ。

(記事、写真 宮西祐香子)

第4回関東大学女子新人戦
早大 93 26-16
15-15
24-11
28-20
62 関東学院大
【スターティングファイブ】
G#22田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
G#17中村和泉(社2=山口・慶進)
F#7加藤臨(スポ2=山形市立商業)
F#10萩尾千尋(スポ1=愛知・桜花学園)
C#24今仲杏奈(スポ1=大阪薫英女学院)
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コメント

藤生喜代美学生コーチ(スポ研1=早大)

――きょうの試合、立ち上がりに苦しみましたが、原因はありますか

1、2年生だけの練習というのをしていなかったので、指示の方で、1本のときは2対2、3対3というのを意識してやってみようか、と言ったら、ちょっとそれを意識しすぎて、足が止まってしまって。悪かったなと思ったんです。なので後から、それはやめてディフェンスからブレイクで動きの流れを作っていこうと言いました。前半はちょっとそれを引きずっちゃったので、そこだと思います。

――波に乗れず迎えたハーフタイムにはどんな声かけをされましたか

空気がとても重かったので、そもそも私たち1、2年生ですよね、と。もうちょっとフレッシュな気持ちを持って、自分たちのやれることをやっていこう、練習通りやってチャレンジしてシュートを思いっきり打ってみて、そしたらリバウンド取るから、という感じで。もう少し、自分たちらしいバスケットをしていこう、という声かけをしました。

――後半はスターティングメンバー以外の選手の起用が見られましたが、どういった意図がありましたか

きょう、あすとあるので、できれば全員で戦いたいというのは最初から言っていたんです。本当は前半から上手くいけば、もう少し使えればなとは思っていたんですけど、ああいう形になってしまいました。でも後半で点数も取れて流れもつくれましたし。そして、やはりなかなかこういう機会ってないと思うので、点数的に大丈夫であれば、チャンスを経験させてあげたいと思いました。その中で、やることはやろうね、という話をしました。

――後半にゾーンディフェンス(ゾーン)を取り入れて相手の得点が止まりましたが

それについては2つ意図があって。ゾーンを練習したいというのは1つなんですけど、全員でやる中で、マンツーマンディフェンスだけで回すと守りきれないかな、というのがあったので。こちらとしてもゾーンを持っていれば、この先を戦うのにもプラスかなと思いました。

――次戦への意気込みをお願いします

あしたは日本女子体育大学なんですが、きょう私も確認できたことが、特別なことをやろうとするのではなくて、やはりディフェンスもオフェンスも、普段からチームでやっていること、そこしか徹底できないということです。相手がどうのこうのの前に、それをあしたは出だしからやれるように頑張っていけたらなと思います。

G阿部真紀子(スポ2=福島・磐城)

――新人戦で上級生がいない状況ですが、いかがですか

学年の雰囲気的に、私たちの学年は元気なので最初からもっと元気良くやりたかったんですけど、きょうは出だしが重くなっちゃって。そこからはみんなで、いい顔してやろう、と言って立て直せたんですけど。きょうは出だしが重かったです。

――ご自身がコートで上級生として中心となる場面がありましたが、どんな気持ちでしたか

自分も山田(桃子、教2=千葉・幕張総合)もあまり試合に出ていなかったりけがをしていたりして久しぶりだったので、とりあえず2年生が声を出して引っ張っていきながら、元気だしていこう、という気持ちでした。

――後半のゾーンディフェンスが上手く効いていましたが

始めてやったんですけど、とりあえずポジション移動を速くして、相手にシューターがいたのでそのシュートチェックだけはしっかりやって。あとはリバウンドは絶対取られないように頑張ろう、とい感じでやりました。

――この試合での収穫は何ですか

変にセットオフェンスとかをやるより、自分たちらしく、走ったり、1対1だったり、パスアンドランとか、そういう簡単なプレーでシュートまで行けるので、自分たちらしいバスケができたら、勝てるなというのが分かりました。

――個人としては

とりあえずディフェンスがもっとできないとダメだなと思ったのと、自分が速攻で前に走って、とりあえず走って走って、という役割だったので、これからもそれをやっていこうと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

あしたもみんなで元気出して、いい顔で、頑張りたいです。