史上最高得点で慶大を一蹴

女子バスケットボール

 まさに圧勝。『女王』ワセダの歴史にまた新たな1ページが刻まれた。きょねん26勝目を達成し、女子部の常勝が続く第72回早慶定期戦(早慶戦)。第1クオーター(Q)開始から猛攻をしかけ、5分間で24-0と慶大に大きく差をつける。相手もアウトサイドシュートで反撃するが、圧倒的な得点力によって67-24で前半を折り返した。後半はディフェンスでも波に乗り、慶大を完全に封じ込める。最後まで主導権を明け渡さず、130-39でタイムアップ。早慶戦史上最高得点となっていた第65回の129点を1点越え、27連覇を達成した。

 『女王』の実力を見せつけた。序盤では高い位置からプレスをかけ、相手のボールを奪って確実にゴールを奪う。第1Qで立て続けに得点を重ね、慶大がたまらずタイムアウトをとった後もシュートまで行かせない。しかし8分、慶大にスリーポイントシュートを決められると直後のパスをカットされて速攻を許す。ここで流れを断ち切ったのはG中村和泉(社2=山口・慶進)。落ち着いてミドルシュートを沈め、再び流れをワセダへ引き戻した。第2Qでは相手に外からの得点を決められる場面も見られたが、9分終了間際の速攻は完全にシャットアウト。要所を締めるプレーで、前半を67-24で終えた。

アシストパスを狙う伊沢

 後半もワセダの勢いは止まらない。第3Qでは1、2年生の活躍が光った。F加藤臨(スポ2=山形市立商業)は左サイドからスリーポイントシュートを決めると、続けてゴール下で2点を追加。さらに前半よりもディフェンスを強化し、相手にリバウンドを取らせない。103-32と慶大を大きく突き放して臨んだ第4Q。最後に登場したのは3、4年生のベテラン陣だった。C桂葵(社4=愛知・桜花学園)、G本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)を中心に多彩な攻撃で慶大を翻弄する。試合終了間際、本橋のミドルシュートがアーチを描き、130点目。早慶戦史上最高得点で早慶戦27連覇を飾った。

ゴール下に飛び込む井関

 4年生にとってはことしで最後となる早慶戦。主将のG神﨑由香(スポ4=福岡・中村学園女)を欠く中で、チームが一丸となって戦った。その結果としての史上最高得点という大記録について、G伊沢なつみ(スポ4=東京成徳大)は「点数というより内容の良い試合を意識していた」と語る。下級生はひたむきに戦う上級生たちの姿勢から何を学んだのか。あすの新人戦でその真価が試される。

(記事 丸山美帆、写真 宮西祐香子)

第72回早慶バスケットボール定期戦
早大 130 40-14
27-10
36-8
27-7
39 慶大
【スターティングファイブ】
G#22田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
PG#15本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25桂葵(社4=愛知・桜花学園)
コメント

G井関夏美(社4=神奈川・金沢総合)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

私個人としては、最後の早慶戦だったので悔いなく戦えましたし、チーム全体としては全員出場することができて、みんなが自分のプレーをすることができたので、良かったと思います。

――今シーズンから副将に就任されましたが

今は主将の神﨑(由香、スポ4=福岡・中村学園女)がいないので、しっかりその部分を補えるようにしていかなくてはと思っています。特に練習では、表現力が足りない、と言われるので、そこを意識しています。

――第4Qでは4年生4人がコートに揃う場面が見られましたが

毎年最後の学年はみんなで出してくれることになっていて。ことしも来るかなと思っていたんですけど、ちょうどベンチで4人並んでいたので、オーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)も出してくれて。本当はイフ(神﨑)がいれば全員で出られたんですけど。でもこの4人で出るのはあまりない機会なので、嬉しかったです。

――実際にプレーしてみていかがでしたか

ガードは3年生だったんですけど、最後の方は4年生は体力がない、とオーさんに言われてしまって。でも楽しくできました。

――秋のリーグ戦に向けて、4年生としてどんなことを意識していきたいですか

個人としては、少しの時間など間の時間で出ることが多いと思うので、その短い時間の中でも自分の役割を果たせるようにしたいと思います。あとはやはり副将なので、存在感を発揮して、チームをまとめて盛り上げていきたいと思います。

F平田彩乃(社4=長崎西)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

12番に何度もスリーポイントシュートを決められてしまったので、はやくアジャストして止められるところは止めるっていうのと、後はスイッチミスとかディフェンスのミスが多くてやられていたのが多かったので、そういうちょっとしたところに気を付けた方がよかったかなと思います。

――きょうのご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

2週間教育実習で、きのうやっとワセダの練習に参加してきょう試合という感じだったんですけど、それまでずっと高校生とバスケをしてきて、その中ですごい1つ1つを頑張ることだとか、そういう高校生の時の気持ちを思い出して、自分が点を取らなくてもできることをやる、ディフェンス、リバウンド、走る、そういうのを頑張ろうと思っての試合だったので、すごくきつかったんですけど割と表現はできていたかなと思います。

――4年生で迎えた最後の早慶戦でしたがいかがでしたか

キャプテン(G神崎由香主将、スポ4=福岡・中村学園女)が教育実習で不在だったので4年生が5人揃って出るということができなくて残念だったんですけど、3年間ずっと代々木で早慶戦があったんですけど今回初めて日吉ってことで、また違った雰囲気の早慶戦を味わうことができたのでよかったかなと思います。

――きょうは4年生が4人一緒に試合に出た場面もありました

4年生全員が揃って試合に出るということがないので、まだ1人足りていないのでリーグ戦とかでは揃って出られたらいいなと思います。

――最終学年となりましたが意識していることは

客観的にチームを見るということと言われたことを表現することが1番大事かなと思っていて、やっぱり先輩の背中を見て後輩はついてくると思うので、そういった面でもっと表現していかないといけない部分、気付いてあげないといけない部分というのはあると思うので、頑張っているんですけどまだまだです。

――今後に向けて改善していきたいことは

個人的にはディフェンスですね。オフェンスはシュートの確率を上げるっていうことに尽きると思います。チームとしてはトーナメントで出た課題っていうのをいかに1つずつクリアしていってリーグ戦の時にはまた変わったしっかりとしたワセダになるべきだとは思います。

――秋に向けて抱負をお願いします

リーグ戦はまだ優勝したことがないので、全員で一丸となってリーグ戦優勝できるようにこの夏頑張りたいと思います。

G伊沢なつみ(スポ4=東京成徳大)

――早慶定期戦ということで特別な気持ちで試合に臨まれましたか

私は4年で最後の年でした。だから、早慶戦という歴史ある試合に出られたらしっかり戦い、出ていなくても4年生としてしっかりと頑張っていこうと思いました。

――試合を振り返って

チームですと、ディフェンスがしっかりできていて、これほどの点差を開くことができました。個人としては、きょうはシュートが全然入らなかったので、でフェンスを継続しつつオフェンス面をもう少し工夫できたらと思います。

――本日の試合では早慶戦歴代最高得点となりましたが、ご感想は

点数というより内容の良い試合を意識していたので、驚きました(笑)

――本日の試合で見えた課題は

きょうでなくて、いつも課題としていることは、リバウンドです。ボックスアウトからのディフェンスリバウンドのように、ディフェンスの面が課題だと思っています。本当に練習したことしか試合には出ないため、オフェンスでもディフェンスでも今より強くできるように、日々の練習を頑張っていきます。

――これからの試合では4年生としてチームにどのように貢献されていきたいですか

4年生の力は大きいです。大きな大会というのは4年生の力がカギだと思っています。試合に出る出ないは関係なく、4年生がしっかりしていかないと勝てないと思います。練習から率先して、精神的な面でも技術的な面でも大げさに表現していきたいと頑張っていきます。