因縁の相手に劇的勝利!優勝に向けて望みつなぐ

女子バスケットボール

 劇的な結末だった。前日、まさかの黒星を喫した早大。背水の陣で迎えたこの試合の対戦相手は因縁の相手である白鷗大だった。白鷗大は昨シーズン、関東大学女子選手権、秋季リーグ戦、全日本大学選手権の全てで早大に勝利を挙げた難敵。因縁の相手に何としても勝利したい早大であったが第1クォーター(Q)、ミスから大きく点差を広げられてしまう。しかし、第2Qに15ー0のランで逆転。すると後半、試合は緊迫した大接戦へ。同点で迎えた残り6秒の場面でG田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)がフリースローを獲得。これを1投沈めリードを奪うと、白鷗大のラストプレーを執念で守り切りタイムアップ。65ー64で激戦を制し、優勝に向けて望みをつないだ。

 絶対に負けることはできなかった。昨シーズン白鷗大には主要大会で4戦4敗。これ以上白鴎大相手には苦杯を味わう訳にはいかないと選手たちは強い気持ちを持ってこの1戦に挑んだ。しかし第1Q、連続ターンオーバーを喫するなど波に乗ることができない。逆に相手にバスケットカウントとスリーポイントシュートを許し主導権を握られてしまう。F根岸夢(スポ3=東京成徳大)のスリーポイントシュートなどで得点するものの17―26と9点のビハインドを背負う展開にとなる。点差を縮めたい早大は第2Q、ディフェンスからリズムをつかむ。第2Q開始から7分半に渡って白鷗大に得点を与えない。さらにG神崎由香主将(スポ4=福岡・中村学園女)がルーズボールに飛び込む気迫のプレーでチームを鼓舞。F関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)のドライブなどで15-0のランで逆転に成功した。白鷗大も意地を見せ、すかさず連続得点を挙げる。だがこのQの早大の勢いは止まらなかった。今大会不調に苦しんでいた田村がスリーポイントシュートを沈めると、さらにG中村和泉(社2=山口・慶進)がQ終了のブザーと同時にファウルをもらいながらスリーポイントシュートを決める。フリースローも決めて4点プレーを成功させ、39-30と最高の形で前半を終える。

強気なプレーでチームを救った田村

 9点リードで迎えた第3Q、田村のロングパスからC桂葵(社4=愛知・桜花学園)の速攻が決まりさらに点差を広げていくかと思われたが、オフェンスの積極性を失うと次第にペースは白鷗大へ。根岸のスリーポイントシュートなどで何とかリードを維持するが徐々に点差は縮まっていく。52―48とかろうじてリードを奪ったまま勝負の第4Qに突入。第4Q開始直後に失点し2点差となるが、田村のスリーポイントシュートで逆転は許さない。残り5分、同点にされるもののここも田村が難しい体勢からスリーポイントシュートを決める。一進一退の攻防が続き迎えた残り1分。同点の場面で桂が落ち着いてジャンプシュートを決めリードするが、直後に白鷗大の強みであるインサイドから得点を許し、またもや同点とされる。再び勝ち越しを狙った早大のオフェンス。確実に点を取って試合を優位に進めたいところだったがG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)が痛恨のターンオーバー。攻撃権を失ってしまう。しかし負けられない早大は激しいディフェンスで白鴎大のミスを誘発しスティールに成功。そして64-64の同点で迎えた残り6秒の場面、田村が持ち味の強気なオフェンスでフリースローを獲得。これを1投決めリードを奪う。白鷗大のラストオフェンス。執念のディフェンスで白鷗大のシュートを防ぎ、会場にブザーが響き渡った。65-64での勝利。因縁の相手、白鷗大についに白星を挙げた瞬間だった。

勝利の瞬間、歓喜に沸く早大ベンチ

 劇的勝利でついに因縁の相手に勝利した。昨シーズンは白鷗大の前に苦い思いばかりを味わい続けた早大。苦しみながらも価値ある勝利をつかみ取った。これで優勝への望みをつなぎ、最終戦を迎えることとなる。最終戦の相手は勢いに乗っている東京医療保健大。早大は優勝には勝利の二文字が絶対に必要だ。「まず目の前の相手に絶対負けない、先のことよりも一つのルーズボールとか一つのリバウンドとかそういうところで一つずつ勝っていこう」(田村)が語るように選手たちは目の前の敵だけを見据えている。王座に返り咲くためにも最終戦、負けるわけにはいかない。

(記事 東哲也、写真 宮西祐香子)

第48回関東大学女子選手権
早大 65 17-26
22-4
13-18
13-16
64 白鷗大
【スターティングファイブ】
G#22田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)
PG#15本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25桂葵(社4=愛知・桜花学園)
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コメント

F根岸夢(スポ3=東京成徳大)

――激戦を制しましたが、振り返っていかがですか

きのう負けてしまった分、きょうは気負うものもなく、自分のプレーをやろうという感じで臨めましたし、とにかく勝てて良かったと思います。

――きのう負けてからきょうに向けてチームではどのような話をしてきましたか

きのうはディフェンスが全然できていなかったというのがありました。きょうはディフェンスの面でオーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)が(的を)絞ってくれていたので、勝てたのではないかなと思います。

――白鷗相手の試合でしたが、意識などされていましたか

特に苦手意識などはないのですが、練習試合などでも負けていて、自分たちはチャレンジャーだったので、どちらかというとやりやすかったです。

――ディフェンスはよく守れていたと思いますが

みんなが集中して、的もオーさんに絞ってもらっていたので、やりやすかったのだと思います。

――最後のタイムアウトではどのような話をしましたか

2点もだめだったので、どうやって守るかとか、ファールはだめだとか、そういう指示をされて、その通りに守れたと思います。

――接戦を勝ち切れた要因は何ですか

リバウンドがとれているときは良かったというのと、ディフェンスもできているときは良かったので、そこが勝てた要因かなと思います。

――あすに向けて一言お願いします

とにかくあしたは医療(東京医療保健大)に勝たないと絶対優勝はないので、まず医療に勝つことを目標にやっていきたいです。

G田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女)

――劇的な勝利でしたが、今の心境は

白鷗大は公式戦とかで最近ずっと勝てなかったので勝ちたかったんですし、萩原さんも「絶対に負けたくない」と言っていて、みんなそれぞれ絶対に負けたくないと思っていて、きのうの試合は優勝という先のことばかり考えていて戦ってしまっていて、きょうはその反省を生かして先のことよりもまず、目の前の相手とか目の前のことに絶対に負けないようにしようと思って戦ったので、そこで勝ちを得られたのですごく嬉しいです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分自身このトーナメント全然調子が良くなくて、すごいみんなに迷惑ばかりかけていたと思うんですけど、でも萩原さんが使い続けてくれたので絶対シュートを決め切ろうという気持ちで臨めたので、1本入った時にみんながすごく喜んでくれたからすごく嬉しくて、そこから調子が上がってきました。

――因縁の相手の白鷗大との試合でしたが意識したことは

勝ち負けというよりはまず目の前の相手に絶対負けない、先のことよりも一つのルーズボールとか一つのリバウンドとかそういうところで一つずつ勝っていこうという意識でいきました。

――外のシュートが多く決まっていたと思いますがいかがですか

自分は外のシューターなんですけど、このトーナメントはいろいろ考えてシュートを打っていて、全然入らなかったんですけど、萩原さんが「何も考えずにいつもの自分のタイミングで打っていきなさい。」と言ってくれたんで、いつも通り打とうと思って打ちました。

――最後の場面を振り返っていかがですか

残り3分からあっという間すぎて、自分が最後6秒でフリースローをもらったのも「あれ?もう6秒?」みたいな感じでびっくりしちゃって、(フリースローを2投とも)決めてればもっと楽に勝てたのになとすごく思います。

――フリースローを打った時の心境はいかがでしたか

外すことは全然考えてなかったから1本目外れた時はちょっと自分自身びっくりしたんですけど、2本目は切り替えて打てたのでよかったです。

――今シーズンから先発出場していますが意識していることは

みんないろんな上手い選手がいる中で自分がなんで先発で出たかっていうのを考えて、自分にしかできないことっていうのを意識して頑張ろうと取り組んでいます。

――今シーズンの個人の目標は

チームにとって絶対的存在になりたくて、何より萩原さんから信頼される選手になりたいです。

――あしたに向けて抱負をお願いします

あした勝って白鷗大が負けたら優勝の望みがまだあるので、絶対にあしたの相手に一つずつ勝っていって、東京医療(保健大)もよく練習試合をするんですけど勝ったり負けたりなんで、体強いチームなんですけど自分も体強いので、体を張ってぶつかっていきたいなと思います。

思います。