2年連続で準優勝とあと一歩で涙を飲んだ早大。王座奪還を目指して――。1回戦、2回戦を順当に勝ち上がり、好スタートを切った早大は3回戦、日体大と対戦した。試合は前半、両チーム共にオフェンスに苦しみ均衡した展開になる。しかし後半、早大が攻勢をかけ一気に点差を離しにかかる。終盤に力を見せつけた早大が70―52で勝利し、決勝リーグ進出を決めた。
第1クォーター(Q)序盤、なかなかシュートが決まらない早大であったが、PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)のジャンプシュートやC桂葵(社4=愛知・桜花学園)のポストアップからG神﨑由香主将(スポ4=福岡・中村学園女)が切り込んで得点するなど徐々にリズムをつかみ出し、20―14とリードを奪う。しかし第2Q、試合は一気に重苦しい展開へと変貌する。両チーム共にシュートがリングに嫌われ点数が動かない。先にこの状況を打開したのは日体大だった。バスケットカウントで得点を挙げると直後にスリーポイントシュートを沈め、一気に1点差まで詰め寄られてしまう。しかし本橋が冷静にドライブからレイアップシュートを決めて日体大に逆転は許さない。オフェンスに苦しんだものの30-25とリードを維持し前半を終える。
ジャンプシュートを狙う本橋
一気に突き離したい早大だったが、逆に日体大に第3Q開始早々に4点を連取され再び1点差に。この反撃ムードを断ち切ったのは途中出場の神崎とC今仲杏奈(スポ1=大阪薫英女学院)だった。神崎がドライブから難しいレイアップシュートを決めると、続けて今仲のスリーポイントシュートがリングに吸い込まれる。さらに神崎のパスから今仲がジャンプシュートを沈めると流れは完全に早大へ。第3Q終了間際にはF根岸夢(スポ3=東京成徳大)のドライブで得点を重ね50-40と10点差をつけた。最終第4Q、早大のディフェンスが日体大オフェンスを完全に封じ込める。足の止まった日体大に5分間得点を与えない。その間に神崎の速攻や根岸のジャンプシュートなどを含める12-0のランで試合を決定付けた。終盤に一気に突き離した早大が最終スコア70-52で完勝した。
身体のバネを活かした動きが特徴的な根岸
18点差の勝利だったものの、前半は苦しんだ。「流れの中でプレーできていなくて、一人一人が単独で攻めちゃっている感じ」(本橋)とオフェンスに課題を残した。王座奪還にはさらなるチーム力の強化が必要不可欠だ。あしたの対戦相手は昨年の全日本学生選手権の覇者・松陰大を下した山梨学院大。勢いのあるチームだけに油断はできないが、優勝に向けて確実に勝利を収めたいところだ。3年ぶりの頂点を目指して――。ついにあした、決勝リーグが幕を開ける。
(記事 東哲也、写真 宮西祐香子)
第48回関東大学女子選手権 | ||||
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早大 | 70 | 20-14 10-11 20-15 20-12 |
52 | 日体大 |
【スターティングファイブ】 G#22田村未来(スポ2=愛媛・聖カタリナ女) PG#15本橋菜子(スポ3=東京・明星学園) F#11根岸夢(スポ3=東京成徳大) F#7加藤臨(スポ2=山形市立商業) C#25桂葵(社4=愛知・桜花学園) |
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コメント
F根岸夢(スポ3=東京成徳大)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
きょうはリバウンド勝負って言われていたんですけど、ところどころリバウンドを取られてたり、オフェンスのリズムがなかなか取れていなくて攻めが上手くいかずに点数が全然取れていないなと思いました。
――前半はオフェンスが停滞していましたが
動きが無いというか、オーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)に細かく言われたんですけど、その動きがちゃんとできていなかったことと、センターを起点にしているチームなのにそれができていなかったというのがあります。
――今シーズンはセンターのポストアップを起点に攻めているということですか
そうですね。桂さん(葵、社4=愛知・桜花学園)がいるので。でもそこだけじゃなくて周りの全員が点数を取れるようにと言われているので、周りの人ももっと攻めていけたらいいなと思います。
――一方でディフェンスは非常に良かったと思いますがいかがですか
よかったとは思うんですけど、1対1で簡単にやられたり、最後リバウンドを取り切れてなかったたりしたのでそこは修正したいと思います。
――今シーズンの個人の目標は
もっと得点にこだわってやっていくようにしたいのと、リバウンドのところでもっと継続してオフェンスもディフェンスも取っていきたいなと思います。
――きょうまでに成果はあげられましたか
リバウンドは出だし意識的に入っていたんですけど、大事なところとかでオフェンスリバウンドを取られていたりしたし、オフェンスはもっと得点を取りにいかないといけないと思います。全然まだまだです。
――決勝リーグに向けて抱負をお願いします
あしたは山梨学院大が相手なんですけど、どことやっても自分を試せるので楽しみです。ちゃんとプレーすれば勝てると思うのでチャレンジャー精神で頑張りたいと思います。
PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
――日体大と対戦してみて、どんな印象でしたか
練習試合で対戦したことがあったので、お互いのことが分かっている部分がある相手でした。
――前半得点がなかなか決まらない時間帯が続きました。そのときのオフェンスはいかがでしたか
前半は流れの中でプレーできていなくて、一人一人が単独で攻めちゃっている感じでミスにつながっていたので、もうちょっと、お互いに関係を持ったプレーとか、流れの中でプレーできたら良かったです。
――逆にディフェンスは上手く機能しているようでしたが
練習の中で相手を想定した練習をしていて、アジャストできていたので、そこが良かったのかなと思います。
――前の2試合と比較して自身でドライブに行く場面が多く見られましたが、意識していたことはありますか
最近あまり自分の1対1をしていなかったので、試合の中で強気に攻めていこうと思ってやっていました。
――ご自身の今期の目標を教えてください
チームがどんな状況でも頼れるガードになれるように頑張りたいと思います。
――あすからの決勝リーグに向けて、意気込みをお願いします
まだ相手のプレーを見ていないのですけど、これからビデオとかを観てしっかりみんなで話し合って、対応していきたいと思います。でも、自分たちのバスケットをして、勝ちたいと思います。