接戦を落とし、決勝進出ならず

女子バスケットボール

 関東大学女子新人戦(新人戦)に引き続き、今大会も順調に勝ち上がり波に乗る早大が準決勝で対戦したのは、新人戦の決勝で対峙し勝利を収めた関東大学女子リーグ2部所属の東京医療保健大。早大は今大会、主力を温存しベンチメンバー主体で決勝進出を狙った。第1クォーター(Q)はオフェンスのリズムもよくリードを奪うものの、第2Qに相手の連続得点で逆転される。第3Q以降も主導権を握ることができず、終盤粘りを見せるが最終スコア60-66で敗戦。惜しくも決勝進出を逃し、今大会をベスト4で終えた。

フリーシュートを狙う加藤千

 立ち上がりはシュートに苦しむがオフェンスリバウンドからセカンドチャンスを作り、G加藤千尋(スポ4=山形商業)の連続得点でリズムを掴む。第1Q終盤にはスティールからの速攻をF平田彩乃(社3=長崎西)のバスケットカウントワンスローにつなげてリードを7点に広げる。第2Qに入るとさらにリードを広げこのまま早大ペースで進むと思われたが、残り5分の場面でG井関夏美(社3=石川・金沢総合)が負傷交代すると流れが一変。ターンオーバーなどのミスが目立ち始め、外からのシュートがリングに嫌われ得点が止まった。流れを失った早大は相手に18連続得点を奪われ、33-38で前半を折り返す。

 なんとかリズムを取り戻したい早大だが、第3Qもオフェンスは依然として単発な攻撃となり、インサイドをなかなかアタックできない。しかしディフェンスから相手のミスを誘うと、G中村和泉(社1=山口・慶進)のスリーポイントシュートなどで点差を縮める。2点ビハインドで迎えた第4Q開始直後にG酒井愛(社2=石川・金沢総合)のスリーポイントシュートで逆転すると試合は一進一退の攻防に。相手のオフェンスリバウンドやピックアンドロールに苦しむ場面も多く我慢を強いられたが、残り1分でF加藤臨(スポ1=山形商業)のジャンプシュートで同点に追いつく。しかし、その後立て続けに失点し万事休す。悔しい敗戦となった。

1年生ながら数多くの好機を演出した中村

 決して勝てない試合ではなかった。セカンドチャンスからの失点、中盤でのオフェンスの停滞と課題はある。しかし今大会、新人戦を優勝で飾った下級生のプレーが光ったことは収穫であったはずだ。秋に向けて下級生が上級生を脅かす存在となり、切磋琢磨しあうことでさらにチームは強くなるだろう。この敗戦を糧に秋のさらなる飛躍に期待したい。

(記事 東哲也、写真 森健悟)

結果

●早大60―66東京医療保健大

コメント

G加藤千尋(スポ4=山形商業)

――試合を振り返っていかがですか

きのうの試合はリバウンドでやられていて、きょうの相手は中が大きかったので、中を中心に守ろうということは全員で言っていました。対応できた部分もありましたが、何でやられているかを判断し、対応することがきょうはできなかったと思います。

――勝負の分かれ目はそういった部分でしょうか

そうですね。スターターがあまり出場せずにBチームの選手が出場し、経験を積んでいます。試合中、「点が取れていないから、中で点を取ろう」などという対応はスタートのほうができていたなと感じました。やはり試合でないとわからないものはこれからの課題にはなりました。

――中盤には運動量が落ちていたように見えましたが、次の試合が頭に入ってしまうことはありましたか

それは試合に入る前に「この試合に勝利しないと、次はない」と言っていました。でもやはり走って流れからオフェンスを作るはずが、相手のディフェンスが下がっていて、こちらのオフェンスがリズム良くできなくてどうすればいいのかと思い、迷いがというか、運動量が落ちたように見えたのかと思います。

――オフェンスがうまくいかなかった要因は何だったのでしょうか

相手がドライブを警戒していたので、小さく守っていました。自分達もボール保持者を見てしまい、動きを少なかったので、相手に守られやすくなってしまいました。もう少しスリーポイントや連動した動きなどがあってもよかったなと思います。

――この大会の収穫を教えてください

ことしのチームの課題が得点力でした。しかし新人戦などで出てきたフレッシュなメンバーがボールを持ったら1対1で入るという意識が強く、一人一人が攻めに対する意識とドライブに行ったら合わせるなどの動きができていました。あとは決めるところでしっかり決めることができれば結果も変わってきたかなと思います。

――秋のリーグ戦に向けて一言お願いします

リーグ戦は2ヶ月と長丁場です。スタートの5人だけで戦うのではなく、ベンチメンバーの誰が出てもよい流れを作ることの重要性を今大会で学んだので、一人一人がチームにどう貢献するかを明確にして、あと2ヶ月間の練習を頑張って行きたいと思います。

F加藤臨(スポ1=山形商業)

――きょうの試合の感想をお願いします

悔しいです。

――第2Qで得点が止まってしまったことについては何が原因でしょうか

ボールが中に入ったときに、敵も味方も含めて何かやってくれるんじゃないかという風に見てしまって人が止まっていたので、そこをちゃんとボールも人も動けるように集中して早い段階で修正していけたら良かったと思います。

――後半に追い上げている展開では、どのようなことを意識していましたか

とりあえず走り負けしないように、あとディフェンスをしっかり頑張ることを意識してひとつずつやっていきました。

――今大会で得た収穫はどのようなものでしょうか

新人戦では勝ったのですがまた今回同じ相手とやって負けてしまって、まだまだ改善点やいっぱい成長できる面があると思うので、自分はもっと点を取れるように、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

――最後に、夏以降に向けての抱負をお願いします

もっとシュート力を上げられるように頑張りたいと思います。