前日苦戦しながらも専大に勝利を収めた早大は、きょうの第2戦でも激しい勝負を制し、開幕から2連勝を達成した。序盤は両チーム譲らず点を取り合うも、第2クォーター(Q)終盤で早大の得点が止まり、前半終了時には7点差に離される。しかし第3Q開始直後に連続得点を決めて逆転に成功すると、再び互角の戦いに。第4Q、早大はC桂葵(社3=愛知・桜花学園)を中心に着実に得点を重ね、きのうに引き続き専大を下した。
高い打点からシュートを打つ桂
第1Qは序盤からテンポの早い展開となり、一進一退の攻防が続く。積極的にスリーポイントシュートを決めてくる専大に対して、早大はスピードのあるパスワークで対抗する。しかし第2Q終盤に立て続けに失点し、終了間際にG本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)が個人技でマイボールを保持しようと粘るも、29-36と7点のビハインドで後半に突入した。
「ここで負けるわけにはいかない」と桂が語るように、気持ちを入れ直して臨んだ第3Q。開始直後、桂のフリースローから流れは早大に傾く。前日は力を発揮しきれなかった桂を中心に相手のファウルを誘いながら得点を重ね、開始2分で逆転に成功する。早大の攻撃がリズムに乗り3連続ポイントを奪ったところで、専大はたまらずタイムアウトを要求。持ち直して再び食らいついてきた専大はここで突き放しにかかるが、早大は執念で3点差に食い下がり、勝負の行方は第4Qに持ち越された。第4Qでは桂がインサイドの選手としては貴重なスリーポイントシュートを決める。「恥ずかしかったです。でもあそこでチームのみんなも緊張がほぐれてくれたかなと思う」と桂は語る。さらにボールに対しての執着心がディフェンスに反映され、すさまじい追い上げを見せる専大に同点に並ぶことを許さない。好調の波に乗っている桂は終盤にドライブから得点した直後、1本を止めることが重要な局面において相手のシュートを完全にブロックし実力を見せつけた。残り30秒で専大のスリーポイントシュートが決まり3点差にまで迫られるも、F本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)が落ち着いてフリースローを沈め、73-69で勝利をつかんだ。
一対一の強さを見せる森主将
きょうの試合には、きのうの専大戦で得たボールマンへのマークとトランジションの速さという課題を修正して臨んだ。「勝負の分かれ目はリバウンドとディフェンス」とG森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)が語るように、堅実なディフェンスとリバウンドを徹底したことが勝利を呼び込んだ。2連勝というチームの良い雰囲気を保ちながら、次週の順大戦へ備えていきたい。
(記事 丸山美帆、写真 大口穂菜美、芦沢仁美)
第63回関東大学女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 73 | 17-18 12-18 25-21 19-12 |
69 | 専大 |
【スターティングファイブ】 G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園) G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院) F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大) F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園) C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園) |
コメント
萩原美樹子コーチ(平17文卒=福島女子)
――2試合連続で接戦を制しての勝利となりました。いま率直な感想は
とにかくほっとしています。これまでの2試合を落としてこれからのリーグ戦(関東大学女子リーグ戦)を戦うのと、内容は全然良くないですけどしっかり勝ち切るのとでは全然違うので、とりあえず安心しています。
――きのうからチームでどのような点を修正してこの試合に臨みましたか
きのうはちょっと自分のペースでプレーできていなかったので、桂にはしっかりインサイドで頑張るように指示をしました。あとは相手のオフェンスに対してこれまでの練習でしてきたことをその通りにやろうとしたんですけれども、うまくいってなかったところがあったので、なんでうまくいかなかったのかを持って帰って考える必要があるかなと思います。
――選手に対する評価は
本多はもともとキープレイヤーなんですが、最後に森(主将)が踏ん張るというのがさすがの4年生だなと感じましたね。あときょうは本橋が相手にマークされてあまりいいプレーが出なかったんですけど、そこを補うように田村が新人らしく思い切りよくプレーしていたので合格点かなと思います。
――ラスト1分でタイムアウトを取られましたが、どのようなことを指示されましたか
最後の1分だったので、オフェンスのスローインの指示をしました。ただスローインはうまくいってフリースローをもらうことはできたんですけど、そのフリースローが落ちてしまって、決めていれば9点ぐらい入っていたところが4点で終わってしまったのでそこは気を緩めてはいけないということをさっきチームに伝えました。
――開幕から2試合を経て得た収穫はありましたか
内容的には不満はあるんですけど、競って相手に点差をつけられても最後まで諦めないで頑張れば勝つことができるということを2試合続けて経験できたということは収穫だったと思います。
――来週に向けて修正していきたい課題はありますか
ディフェンスが意外にできないところが多々あるので、来週に限らずリーグ戦後半に向けて修正していきたいです。あと、順大はゾーンプレスが多いのでそこに対応できるように練習したいと思います。
――いまのチームの雰囲気はどうですか
ちょっと夏の疲れが出ている感じがしますね。でもリーグ戦始まって、競ったとはいえ2試合をものにしているのでほっとしているんじゃないですかね。
――最後に順大戦への意気込みをお願いします
順大はすごくトリッキーなディフェンスをしてきますけれども、それに負けないで惑わされることなくしっかりと王道のバスケットをしていきたいと思います。
G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
ずっと競っていた試合だったんですけど、勝負の分かれ目はリバウンドとディフェンスなのかなと改めて感じましたね。
――2日続いての専大との対戦となりましたが、修正したことや意識したことはありますか
きのうはボール周りのディフェンスがすごく甘くて、そこからの展開が早かったというのが課題でした。きょう試合前のミーティングでそこをしっかりしようという話になったので、皆で意識してできたかなとは思います。私たちのバスケットはトランジションを早くして走るのが特長だと思っているのですが、きのうはあまり走れてなかったように思ったので、きょうはしっかりそれを実践するよう話し合いました。それができたことの一つです。
――主将として、チーム全体の雰囲気はいかがでしたか
ベンチからの声もすごく聞こえますし、きょねんまではリーグ戦の1週目はあまりチームが出来上がっていなくて雰囲気も少し悪いというイメージがあったのですが、ことしはそういう意味ではいい雰囲気でリーグ戦に入れているのかなと思います。
――次戦に向けての課題、意気込みをお願いします
一対一のディフェンスのところでやられがちなのが気になりました。そこが課題だと思います。
C桂葵(社3=愛知・桜花学園)
――きのう、きょうと連戦になりましたが、同じ専大相手ということできのうから修正したポイントはありますか
きのうの試合を見られていた方は分かると思うんですけれど、自分自身が最悪な状態で。修正するも何も気持ちの部分というか、いかに切り替えてきょうに臨めるかっていうのを自分でもずっと考えていて。きのうはスタメンだったんですが自分は全然ベンチにずっと居て、みんなが勝たせてくれたので。きょうはその分きのうの分まで働かないとなと思って、自分自身は走る事から入ろうと思ってそこは意識してやりました。
――試合の前半は連続してポイントが奪えず、リズムを作り切れなかった印象があったのですが
そうですね。やっぱりどの試合もディフェンスでしっかり守って、リバウンドをしっかり取って、オフェンスで得点を取ってという積み重ねが点差になると思うんですけれど。きょうはオフェンスで決めても、ディフェンスですぐやられてというのがあって。ディフェンスが駄目だったと思うので、そこが競ってしまった原因かなと思います。ディフェンスから頑張らないと試合は上手くいかないなというのはすごく感じました。
――その中でビハインドで迎えた第3Qは全体のスイッチが入ったように感じたのですが
リーグ戦って先が長いんですけれど、一つ一つ勝って行かないと、最後に「あー最初に頑張っていればな」と痛い目を見るのはきょねん戦っている人たちだったらわかっていたと思うので。そういうのとかをみんな意識して、ここで負けるわけにはいかないという気持ちが入ったんだと思います。
――後半の第3、4Qは桂選手がほとんどの得点をたたき出していたようにも感じたのですが、きょうのご自身の調子はいかがでしたか
シュートの調子は良かったのかな、シュートタッチは良かったし一対一もすごい攻められている感じはあったのですけれど。自分の課題はきょうみたいにいいときにどうやれるかというよりも、きのうみたいな悪いときにいかに持ち直せるかっていう。いかに耐えられるかというのが課題だと思います。きょうも結構シュートを決めて、「いい感じ!」みたいになっていたんですけれど、やっぱりディフェンスで、できていない部分とかはたくさんあるし。走れていないところとか、体力面とか課題はたくさんあるので。そういうところを頑張っていきたいです。
――第4Qにはスリーポイントシュートも決めていらっしゃいましたが
恥ずかしかったです(笑)。時間なかったので、ポンッ!って打ったら入っちゃって(笑)。ちょっとなんか恥ずかしかったです。でもあそこでチームのみんなも緊張がほぐれてくれたかなと思うので(笑)。結果的にはよかったと思います。
――第4Q序盤、1点差で負けている場面で桂選手のドライブからの得点で逆転して、その後の1本を止めるというのが大事というところで桂選手のブロックがありました。あの場面は振り返っていかがですか
あれはわたしがブロックしたように見えたんですけれど、実はその前に森さんが下ではたいてくれていたのを、おいしいところだけ持って行っちゃったんですけど(笑)。結果的に防げたので良かったと思います。
――このリーグ戦に向けてこの夏に桂選手が強化してきた部分というのはありますか
インサイドプレーですね。強いプレーを意識して。前まではふにゃふにゃだったので。
――2連勝という形でのリーグ戦スタートとなりました。来週も連戦になると思います。来週に向けての意気込みを
来週は1日目と2日目で安定した力を出せるように、土曜日から気合入れて頑張りたいと思います。
G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)
――きのうに引き続き接戦となりましたが、改善されたことはありますか
きのうはボールマンプレッシャーがすごく甘いことが目立って、それをきょう改善しようという話をしていたんですけど、やっぱり自分たちが当たり負けしているのに対して自分たちはまだまだボールマンプレッシャーが甘いので、改善できなかったかなと思います。
――専大の印象はきのうと比べて変わりましたか
きのうああいう試合の中で専大は負けて、きょう向かってくるのは分かっていたんですけど、それに対してやっぱり強く行ける部分もあったと思うし勢いがすごかったです。
――第3Q開始後すぐに7点差を詰めました。このとき気をつけていたことはありますか
最初の出だしが大切なんで、そこで引かないで向かっていこうと気をつけていました。
――コートの外から試合を見ていたとき、どんなことを感じましたか
早大は層が厚くてベンチメンバーがすごく心強いので、信頼して安心して見ていられました。
――二日間の激戦を勝ち抜いた経験はチームにどのような影響を与えてくるでしょうか
やっぱり接戦で負けるんじゃなくて勝ったことに大きな意味があると思うので、またリーグ戦の中で練習していって、リーグ戦の中で成長していければ良いいかなと思います。
――では来週の順大戦に向けての抱負をお願いします
順大はプレスで当たってくるチームなので、それに対してきょうからしっかり練習して対策して、また勝てたら良いなと思います。
F根岸夢(スポ2=東京成徳大)
――接戦の末勝利を飾った2日間の専大戦を振り返って、率直な感想をお願いします
競った中でも勝てたことはよかったんですけど、ディフェンスが全然出来ていなくて、大事なところでやられていたので、そこを1週間で直していきたいと思いました。
――根岸選手の好プレーが光っていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
私もディフェンスが全然出来ていなかったので、走ることとかリバウンドをとるとかディフェンスを頑張るとか地味だけど大事なところをもっと頑張っていけたらいいなと思いました。
――きのうの初戦からどのような点を改善して臨まれましたか
まだミーティングではそんなに言われていないんですけど、離せるところとかも結構あって、やっぱりディフェンスのところが課題だと思いました。自分がやられて相手が息を吹き返したところとかもあったので、そういう面を直していこうと思います。
――専大の印象はいかがでしたか
選手みんながいろいろなプレーをしているし、シュートも当たればすごく勢いがあるチームなので、乗らせないで封じ込めるというか、そういうことをやらせないディフェンスをもっとやっていけたら良いんじゃないかと思いました。
――リーグ戦が始まり、早大の調子はいかがですか
競った中でも勝っていけてるんですけど、まだ良くなる要素はたくさんあると思うので、練習で出た課題を毎回直していけばもっと良い状態になると思います。
――次節、順大戦への意気込みをお願いします
やっぱりプレッシャーがすごいので、それを嫌がらないでしっかり攻めるプレーをするとか、ディフェンスも引かないで攻めていけるようにしていきたいです。
G田村未来(スポ1=愛媛・聖カタリナ女)
――試合の前半を振り返っていかがですか
前半のディフェンスでは課題に挙げていたところができなくて、自分もスクリーンのディフェンスなどに対応できなくて悔しかったです。でも、きのうも負けていて後半の折り返しで勝てたので、絶対きょうも競り勝てると思ってあまり後ろ向きな気持ちはなかったです。
――1年生ながら活躍されていましたが、専大を追い上げていたときどのようなモチベーションで取り組みましたか
他の先輩方はずっと試合に出ていましたが自分は出ていなくて、その状態で後半入ったので、とりあえず元気にやって走ることを意識しました。
――専大との2連戦でしたが、きのうの試合を踏まえて修正したことはありますか
チームミーティングのときにボールマンプレッシャーをかけられていないという話が出たので、全員がボールマンプレッシャーを意識して、ディフェンスを重点的に修正しました。
――専大戦を終えて見つかった課題はありますか
いつも最終Qにいいディフェンスができて相手にアジャストすることもできるんですけど、それを1ピリオド目からしっかりやって相手の特徴をすぐ捉えて、そこをゲーム中に修正していけるようにしていきたいです。
――リーグ戦へ向けて夏合宿ではどのようなところを練習しましたか
夏合宿では自分ができているプレーやできていないプレーが明確に分かったので、自主練で先輩方にも付き合っていただいてできない部分を取り組みました。
――来週の順大戦へ向けて一言お願いします
自分はスリーポイントシュートが得意なんですけど全然入っていないので、もっと積極的に狙っていきたいと思います。