リーグ開幕戦を逆転勝利で飾る

女子バスケットボール

 この夏の成果が試される一戦。関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)に臨んだ早大は、専大との激戦を制し白星スタートを切った。序盤はテンポよく得点を重ねるも、厳しいディフェンスで食らいついてくる専大に苦しむ。第3クォーター(Q)では12点のビハインドを許したが、底意地の強さを見せつけ第4Qで逆転。初戦で貴重な一勝を挙げた。

ゴール下で気迫溢れるシュートを打つ本多

 早大のリズムでスタートした第1Q。そのままの流れで試合が進むかと思われたが、激しいディフェンスを前に思うようにスコアが伸びない。着実にシュートを決めてくる専大にすぐに得点差を縮められる一進一退の攻防となる。早大は、サイズのある相手の裏にポジションを取ったF本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)にガード陣がパスを合わせて応戦。両チームともにリバウンドやルーズボールへの強い執着を見せ、緊迫した試合展開が続いた。第2Q終了5秒前にゴールを許した早大は、31−33で前半を折り返す。

 後半に入るとテンポの速いバスケットで攻撃を開始する。ところが「個人の一対一とかリバウンドとかで結構やられている部分がありました」とG本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)が言うように、専大ペースの試合展開を許し、流れを一気に掴まれた。第3Q開始3分から得点が止まる早大。勢いづく専大に怒濤の12連続得点を決められ、ここでこの試合最大の12点差まで引き離される。しかし9点差で迎えた第4Q、早大は反撃を開始。「地味なことを徹底した」と本多が言うように、リバウンドやルーズボールで粘りを見せる。更にF根岸夢(スポ2=東京聖徳大)のスリーポイントシュートで勢いづいた早大は、残り5分でついに56−56と同点まで追いつく。その後得点を許すも、残り2分、勝負所でのF関根彩乃(教2=千葉・昭和学院)のドライブで64−58と6点差をつけ、流れは完全に早大へ。68−63と初戦を逆転勝利で飾った。

正確性の高いシュートで逆転勝利に弾みをつけた根岸

 あすもまたきょうと同じ相手、専大と対戦する。勝利を手にしたものの苦戦を強いられたこの試合について、萩原美樹子コーチ(平17文卒=福島女子)は「全然だめでしたね」というコメントを残した。この試合の反省を生かし、今後も夏で得た収穫を十二分に発揮してくれるだろう。チームの目標である優勝まで、一戦一戦が見逃せない。

(記事 宮西祐香子、写真 藤巻晴帆)

第63回関東大学女子リーグ戦
早大 68 19-19
12-14
14-21
23-9
63 専大
【スターティングファイブ】
G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園)
G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院)
F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大)
F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園)
C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園)
結果

○早大68―63専大

コメント

萩原美樹子コーチ(平17文卒=福島女子)
――リーグ戦は白星スタートとなりました。きょうの試合を振り返ってください
全然だめでしたね。でも途中12点ぐらい離れたところを逆転して勝ち切ったというところは、よく諦めないで頑張ったかなと評価しています。
――第3Qに点差が開きましたが、原因は
一対一で守れてないんですよね。うちのディフェンスがあまり良くなくて相手のシステムにやられているとかそういうことではなかったので、そこはちょっと不満ですね。
――第4Qで流れを取り戻した場面ではどのような指示を出されましたか
第4Qに入るときに9点の差があったんですけど、6点にすればなんとか見えてくるよ、ということを伝えたらすぐに6点差に縮まったんですよね。あれがすごくよかったと思います。そこから根岸が頑張ってシュートを決めてくれたのでよかったです。
――1年生の積極的な起用も見られましたが
田村(未来、スポ1=愛媛・聖カタリナ女)の加入はすごく大きいですし、もちろん加藤(臨、スポ1=山形商業)とかもそうなんですけど、ただきょうの試合に関して言えば私がもっと4年生を信頼して出してあげればよかったかなと思います。(1年生が)柄にもなく緊張していたんですよね。やっぱり1年生ですね。唇が真っ青になっていたので。なので最終的に井関(夏美、社3=石川・金沢総合)や森(仁美主将、スポ4=大阪薫英女学院)とか上級生をもっと使ってあげればよかったかなと思っています。そこが私の反省点です。
――夏の強化期間ではどのようなことを意識して取り組みましたか
チームの約束事を重視してディフェンスだとかオフェンスをやらせてもらいましたね。ただきょうの試合を見ていて、ちょっと約束事を強調しすぎだったかなと。一人一人の力が落ちているんですよね。夏の合宿で戦略とか戦術にこだわりすぎてしまったかなという感じがあります。
――きょうを踏まえ、あすの専大戦にはどのように臨みますか
専大はシュートがすごく上手なチームなので、しっかりとシュートにアジャストをしてまずは一対一でしっかりと守る、それでもし守れないところが出てきた場合にはヘルプをする、というところを共通の意識としてやりたいと思います。
――最後にリーグ戦にかける意気込みをお願いします
目標としては、全勝でいって最後に白鴎大と対決したいなと思っているので、きょうの試合を見てものすごい不安になりましたけど、一戦一戦積み重ねて強くやっていきたいなと思います。

G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)
――リーグ戦初戦、どのような意気込みで試合に臨みましたか
きょねんリーグ戦の初戦があまりよくなかったので、ことしは大事にしていこうという意気込みでした。でもやっぱり最初で緊張してしまっている部分もあって自分たちのバスケットがあまりできなかったので、ミーティングをして改善してあしたに臨みたいと思います。
――第3Qまでの苦戦の原因は
専大はシステムで守ってきていて、でもそういったところではなく個人の一対一とかリバウンドとかで結構やられている部分がありました。
――第4Qには逆転に成功しました。なにかチームの中で変更した点があったのでしょうか
リバウンドを取り始めるとチーム内でも安定したプレーができるので、リバウンドとディフェンスで粘れたのがよかったと思います。
――個人的な反省点はありますか
ディフェンスが煽られていて自分がもらいに行けない場面が結構あって、チームのバスケットがあまりできなかったので、煽られても受けられるようにしたいと思います。
――よかった点は
自分の相手が得点源の選手でそこはしっかり守れていたんですけど、最後にスリーを決められてしまいました。そういう細かいところを詰めていきたいです。
――この夏に重点を置いて強化してきた点は
ガードのところのボールマンに激しくプレッシャーをかけることです。
――チームとして、リーグ戦の目標は
優勝です。
――個人としての目標は
苦しい場面で、もうちょっと自分がコントロールできるようにしたいと思います。

F関根彩乃(教2=千葉・昭和学院)

――まず夏合宿での個人の成果として何か得られるものはありましたか

夏合宿の時は実業団の方とやらせてもらって、やはり逃げる気持ちになってしまうことが多かったです。練習でやったことをプレーするのが怖くてチャレンジ出来なかったのでそういう怖さをなくして積極的な一対一や逃げる気持ちをなくしてやろうと思いました。
――チームとしての成果は
アイシーやトヨタとやったときディフェンスのプレッシャーが違くて、自分たちのオフェンスがすごいやりづらかったです。そのディフェンスを同じ様に自分たちも相手チームにやりたいと思っていたのですが、開幕戦だったからなのか分からないですけど出だしがあまりいいディフェンスで入れなかったです。後半は少し立て直したかなと思うので、あしたはそれをちゃんと最初からやれたらいいなと思います。
――初戦への意気込みは
きょねんは初戦を落としてしまったというところがありました。リーグ戦は最初のゲームがあとに響いてくるので、まず一戦勝ちたいという想いはありました。
――後半どのような思いでプレーされましたか
きょうは桂さんがちょっと調子が悪くて私はその交代で出ているので、思いきり、逃げる気持ちにならないよう積極的にやろうという気持ちはありました。
――客観的にみてベンチや全体の雰囲気はいかがでしたか
ベンチはいいプレーがでたら盛り上がっていたし、声が出てたなって思います。