２年生ながらスタートメンバーに定着しているＧ本橋菜子（スポ２＝東京・明星学園）、Ｆ根岸夢（スポ２＝東京成徳大）、そして冷静沈着なプレーでチームを支えるＦ関根彩乃（教２＝千葉・昭和学院）。優勝を果たした関東大学女子新人戦（新人戦）でチームを率いた２年生は、続く関東大学女子リーグ戦（リーグ戦）でも主力として上級生に劣らない活躍を見せた。今季のワセダにとって欠かすことのできない存在の３人に、今シーズンの振り返り、そして全日本大学選手権（インカレ）への思いを聞いた。
※この取材は１０月２９日に行われたものです。
「優勝できるチャンスはあった」（根岸）
笑顔で質問に答える３選手
――リーグ戦３位という結果についての感想は
関根 チームの結果としては悔しいですし、個人としても途中けがをしてからチームに貢献することができていなくて。最後には復帰できたんですけど、そこでも自分の思うようなプレーができなかったので、悔いが残った感じです。
根岸 優勝できるチャンスはあったと思うし、個人としてももっとできたのかなというのがあるので、悔いがあります。
本橋 ポジション的にもチームを引っ張っていかなきゃいけない立場にいるんですけど、それができなかったので悔しいです。そこが勝敗に大きく関わったと思うので…悔しいです。
――３人は上級生の中に混ざってプレーすることが多いと思いますが、どういった気持ちでプレーされているのですか
本橋 昨年までは１年生という立場に甘えて、ガードでもちょっと控え目であまりチームの役に立っていなかったんです。だからことしはコートに出たらそういった学年とかは関係なしに気にしないでやろうと思ってやっていたんですけど、まだまだ甘いと思います。
関根 新人戦のときは自分たちが最高学年だったので、自分がやらなきゃという気持ちがやはり強かったのですが、チームに戻ったときに３、４年生に任せていいとは思っていないけど、まだ頼っちゃっているという部分があるなと思って。新人戦のときの気持ちで、チームに帰っても自分がやるという気持ちを持って常にプレーしていかなきゃいけないなと思います。
根岸 自分も二人と一緒で、コートに出たら関係ないと思っています。いざ試合となると、結構そういう風に頼ってしまう部分があって、焦らないと自分で攻めていかない部分があるので、これからもっと頑張ります。
持ち前の高い跳躍力でゴールに向かう根岸
――リーグ戦の中で印象に残っている試合はありますか
本橋 勝ち進んでいって最後の４チームになったときに、最後の大一番の出だしという大切な試合が松蔭大戦だったんですけど、１戦目でいきなり負けたことが、何だったんだろう、ってすごく印象に残っています。負けた瞬間、ああ終わった、って感じになっちゃいました。
根岸 白鴎大の１戦目です。まだ優勝するチャンスがあったのに負けちゃった試合で。みんなの気合いが入りすぎて力んだという試合はこれが初めてだったかなと思ったので、すごく印象に残っています。
関根 松蔭大の２戦目と、拓大の２戦目。そんなに力んじゃう？みたいな感じでした。なんか、（力の）出し方分かってないよね？自分たちで。土曜日に気合いが入っていないわけじゃないんだけど…。
根岸 みんな力をうまく発揮できないみたいな。
関根 そうそう。それで負けちゃって、その日が終わったら…。
本橋 チームが変わってるよね。
関根 そうだね。でも、これだけできるチームなんだなということが分かって、それで印象に残っています。
――一度負けてしまった相手に対して、翌日に修正して勝つことができるというのは、ワセダの良いところなのでしょうか
一同 良いところではあるよね。
本橋 でも、できるんだったら一戦目からやれよ、っていう感じですね。
関根 リーグ戦だったから良かったけどね。
――関根さんはリーグ戦途中でけがをされましたが、試合に出られない間はどういった気持ちでチームを見ていらっしゃいましたか
関根 やはり自分が出られていないので、プレーを見ていて、自分だったらこうするのになとか何でこうしないんだろうとか思う部分はあって。でも松蔭大戦と拓大戦の２戦目は、見ていても楽しかったです。出ていなくても。白鴎大戦は、出られていなかったときに感じていたことをコートに立たせてもらったらやろうと思っていたけど、実際コートに立ったときにそれを出すことができなくて。それが個人的には悔しかったです。
――白鴎大はやはり手強いライバルとして意識しているのでしょうか
一同 そうですね。
本橋 ことしの白鴎大は強いので。もうめちゃくちゃ（意識しています）。
――では個人的なライバルはいますか
関根 自分かな。
一同 （笑）。
根岸 こういうの全部載るよ。（笑）
関根 うそです、うそです（笑）。あまり意識していないな。
根岸 特にいないです。
本橋 私は今回白鴎大とやって、あとリーグ戦を通して色んな試合を見てきて、ライバルとか意識しているわけでもないんですけど白鴎大の落合さん（落合里泉）のプレーは、ゲームメイクとかの面で勉強になりました。
「考えるべきことはちゃんと考えている」（関根）
正確なシュートで得点を重ねた関根
――３人から見て、いまのワセダはどんなチームなのでしょうか
根岸 個人の能力はすごく高いけど、発揮しきれないときがあるチームだと思います。
関根 歯車が合うときと合わないときがある。
本橋 波がある。
根岸 それが言いたかった。（笑）
――２年生同士ではお互いのことをどのように思っていますか
関根 やだわこういうの。（笑）
根岸 みんなマイペース。
本橋 のんびりしてますね、他の学年より。他の学年は結構きびきびしていると言うか。
関根 ある意味要領いいのかも。
根岸 うちらは主張が無いかもね。良い意味で干渉していないのかな。
関根 個人的には、二人ともしっかりしてるなといつも思う。マイペースだけど、考えるべきことはちゃんと考えているなと思いますね。
根岸 すごく評価されてる（笑）。菜子（本橋）は普段とバスケのときのスイッチの切り替えがすごいです。
関根 人違うもん。
本橋 入れてるんだよ（笑）。
根岸 彩（関根）は、すごく要領がいいです。
本橋 考えてなさそうで意外と考えてる。
根岸 落ち込んだりもするから、ちゃんと考えてるんだ、って思う。
――そんな２年生を中心とした新人戦、優勝しましたね
一同 楽しかったよね。
本橋 自分たちでやってた。１年生も２年生も、上級生だからとか関係なく対等にやっていて。だから楽しかったです。
根岸 楽しいよね、自分たちの代になると。
――ことしの１年生はどんな印象ですか
関根 元気ですね。「１年生」って感じで、フレッシュで。
根岸 うちらには無いものを持ってる。
関根 真逆です。
本橋 うちらはきょねんあんな風じゃなかったよね。
関根 絶対可愛くなかったよね。（笑）
本橋・根岸 うんうん。（笑）
本橋 でもプレー的に言うと１年生の勢いというかそういうのがあるから、（試合に）出てきたときはすごくいいですね。
「主体的にやろうと変化している」（本橋）
指示を出す司令塔・本橋
――今回のインカレは山口遠征ですが、遠方での試合には慣れていますか
関根 大学になったらあまり遠征には行っていないけど、高校では結構遠征していたから、慣れてはいるのかな。
――インカレに向けて今はどういったことを練習されていますか
本橋 おととい、ワセダのＯＧの方に講義をしてもらいました。リーグ戦が終わって選手だけでもビデオを見たりとか、ミーティングをいっぱいすると結構反省が出てきて。
根岸 リーグ戦が終わって最初からやり直すのではなくて、リーグ戦の反省を生かして練習をやるという風にオーさん（萩原美樹子ヘッドコーチ、平１７二文卒＝福島・橘）が言っていたので、特別新しいことをやっているわけではないです。
本橋 結構みんな主体的にやろうと変わってきてない？いままで練習はオーさんの言葉に左右されやすかったんですけど、ミーティングとかを経て…。
根岸 自分たちで何かをやろうとしている感じ？
本橋 が、見えてきてる。
――今のチームの雰囲気はどうですか
一同 いい雰囲気です。
根岸 継続できればいいと思います。
――ご自身の調子は
関根 調子は良くないです。まだ戻し切れていないです。
根岸 自分も良くはないです。もっともっと上げられると思います。
本橋 私はまあまあですね。
関根 インカレに向けて上げていきます。
――最後に、インカレの目標をお願いします
一同 『王座奪還』です。
――ありがとうございました！
（取材・編集 巖千咲、宮西祐香子）
集合写真では腕でＷを作ってくれました
◆本橋菜子（もとはし・なこ）＃１５（※写真左）
１９９３（平５）年１０月１０日生まれ。１６３センチ。東京・明星学園高出身。スポーツ科学部２年。ガード。コートネーム『リコ』。新人戦・ＭＶＰの本橋選手は、リーグ戦でもアシスト王に輝いたワセダの若き司令塔。コート上では普段のふんわりとした雰囲気とはガラッと変わった力強いプレーでチームをまとめ上げます。インカレでの勇姿は必見です！
◆根岸夢（ねぎし・ゆめ）＃１１（※写真中央）
１９９３年（平５）６月２６日生まれ。１７５センチ。東京成徳大高出身。スポーツ科学部２年。フォワード。コートネーム『リリ』。高い跳躍力を生かしたリバウンドが根岸選手の持ち味。自分より背の高い相手から何度もボールを奪うその姿は華麗で、見ている者を引きつけます。ゴール下でチームを支える根岸選手の活躍に注目してみてください！
◆関根彩乃（せきね・あやの）＃１８（※写真右）
１９９４年（平６）１月８日生まれ。１７５センチ。千葉・昭和学院高出身。教育学部２年。フォワード。コートネーム『キコ』。持ち前のユーモアで、取材陣を笑わせてくれた関根選手。コートに立つと、確実で献身的なプレーでチームに勢いをもたらします。けがから復帰し、調子を取り戻しつつあるという関根選手の今後のさらなる活躍に期待です！