100点ゲームで順大を下す

女子バスケットボール

 関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)開幕から2連勝と波に乗る早大。第3戦目となるきょうは順大と対戦した。第1クォーター(Q)は相手のタイトなディフェンスに攻めあぐね、わずか1点のリードにとどまるが、第2Qから徐々に本来のプレーを取り戻し着実に点差を広げる。後半も勢いそのままに得点を100点の大台に乗せ、危なげなく3つ目の白星を手にした。

スリーポイントシュートを狙う田村

 第1Q、主導権を握ったのは順大だった。開始直後にスリーポイントシュートを立て続けに沈められ、早大は劣勢からのスタートとなる。相手の厳しいマンツーマンディフェンスに対して、自陣でボールを失う場面もしばしば。その中でもF本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)が果敢なドライブで相手ディフェンスを突破し得点を重ねチームを引っ張るが、このQ計6本のスリーポイントシュートを決めた相手の勢いを止めることはできず、23―22で第1Qを終える。続く第2Q、早大は前がかりの相手ディフェンスに対して速いパス回しでスペースを作り、攻撃の糸口を見出す。ガード陣が供給した鋭いパスをC桂葵(社3=愛知・桜花学園)が確実に沈め、持ち味を発揮。また、途中交代でコートに立ったG田村未来(スポ1=愛媛・聖カタリナ女)が華麗な個人技で2連続ポイントを奪い会場を湧かせるなど完全に試合の流れをつかみ、49-33で前半を折り返した。

 第3Q、相手の運動量が落ちディフェンスが緩まると、早大の攻撃の勢いはさらに加速する。7分、G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)の得点を皮切りに5連続ポイントを奪って突き放しにかかると、ノータイムでG本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)が自陣エンドライン近くからドリブルで自ら持ち込みバスケットカウントを沈め、72-45とし最終Qへ。点差に余裕が生まれた早大は、第4Q、ベンチメンバーを次々にコートへ送り出す。「出てない人の分も頑張らなきゃ」とG井関夏美(社3=神奈川・金沢総合)がスリーポイントシュートや献身的なディフェンスでチームに貢献。終盤にはスターターを全員ベンチに下げるも良い流れは途絶えず、層の厚さを見せつけた。8分にはG井沢なつみ(スポ3=東京成徳)がゴール下で競り勝ち得点を決めるとチームのボルテージは最高潮に達し、100-69の大差でリーグ戦3勝目を飾った。

華麗なレイアップシュートを見せる本多

 序盤の悪い流れから立て直し、本来の力を十分に発揮できたことがこの試合の収穫だろう。「チームの雰囲気は本当に良い」と本多は語る。リーグ戦制覇のためには、山場となる終盤戦までひとつの負けも許されない。早大の強みである全員バスケで、一戦必勝、あすも勝利を目指す。

(記事 巖千咲、写真 宮西祐香子)

結果

○早大100―69順大

第63回関東大学女子リーグ戦
早大 100 23-22
26-11
23-12
28-24
69 専大
【スターティングファイブ】
G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園)
G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院)
F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大)
F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園)
C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園)
コメント

F 本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)

――試合を振り返っていかがですか

オフェンスは相手のディフェンスに対してきっちりと練習してきたので、そんなに自信がないというわけではなかったんですけど、相手がプレスで来ると思っていたら意外とマンツーマンで守ってきたのに対して少しアジャストが遅かったのが反省です。ディフェンスは出だしにスリーポイントシュートをぽんぱん打たれてしまったので、そこはあした修正していきたいと思います。

――特に第1Qは苦しい展開でしたが、要因は

オフェンスでリズムを作れなかったし、相手にスリーポイントシュートを6本も決められてしまったのでそこは対応していかないといけないと思っています。

――立て直すために、具体的にはどのようなところを注意しましたか

まず相手にボールを持たせないということと、少し寄りすぎていた部分があって、相手に抜かれたとしてもこっちの方がサイズがあるので、そこで対応できるからとりあえずスリーポントシュートを警戒しろと萩原さん(萩原美樹子コーチ、平17文卒=福島女子)に言われました。

――プレー中に意識していたことはありますか

きょうはとにかくミスを減らすことを意識しました。自分がミスをするとバタバタと崩れてしまうので、落ち着いてプレーしようということを一番意識してやっていました。

――1年生の活躍も見られましたが、一緒にプレーしていてどうですか

先週はちょっと苦しんでいる感じだったんですけど、練習はいつも本当に悪くないんですよ。なので「1年生らしく元気にやって」と声を掛けたら、きょうすごく活躍してくれたので安心していますね。

――あすの順大戦にはどのような点を改善して臨みたいですか

まず相手のスリーポイントシュートを減らすことが第一です。オフェンスは、相手がプレスで来ているのかマンツーマンで来ているのか萩原さんに言われる前に自分たちでアジャストして対応していければなと思います。

――第4Qに控えメンバーがコートに立ったとき、特にチームの雰囲気が盛り上がっている印象でした

スターターはもちろん仕事をするけれど、やっぱり後から出てくるメンバーも本来の力を発揮できることが大事なので、練習中からやり合うことを意識していています。チームの雰囲気は本当に良いんですよね。まず自分たちが出て頑張った後に、ああやって(試合に)出てくれてシュートとかを決めてくれるとすごく嬉しくて、そういうのを大事にしていきたいので、自分たちももう少しみんなを出させてあげるためにギリギリの試合をするのではなくて余裕を持ってやっていきたいと思います。

G 井関夏美(社3=神奈川・金沢総合)

――立ち上がりで流れが悪かったとき、ベンチではどのようなことを話していましたか

ヘッドコーチの萩原さんから「順大はああやって当たってくるから接戦になって点数もあまり離れないかもしれないけど、そこは我慢しなさい」と言われていました。きょうも最初ちょっとリズムをつかめなくて相手にリードされてしまったんですけど、絶対に自分たちがペースを握ることができると思って我慢する時間だ、と話していました。

――相手のディフェンスがオールコートでタイトでしたが、ボール運びではどのように対処しましたか

順大のワンスリーワンとかのディフェンスは今週すごく練習してきたので、パスでつなぐようにすることと、ボールのキープを個人でしっかりやって、ダブルチームで来ても焦らずにするってことを心がけていました。

――下の選手へのナイスアシストが見られましたが

前回の専大戦のときはあまり出場の出番がもらえなくてダメージとかもあったんですけど、やっぱり3年なので、きょうは同学年の井沢選手もリーグ戦ではずっと出ていなかったんですけど決められたし、出てない人の分も頑張らなきゃなと思っていました。

――では、これからのリーグ戦ではどのように戦っていきますか

一戦一戦を戦うことは絶対なんですけど、全体面としては白鴎大まではひとつも落とせないという気持ちでみんなで臨もうと言っていて、個人としてはスタートのメンバーを休ませられるようにサポートしていきたいと思うし、自分が出たときにちゃんと積極的に絡んでいけるようにしたいなと思います。

――あしたも順大と戦います。意気込みをお願いします

ビデオとかを見てすごく研究していたんですけど、実際にやってみて分かったこともありました。あしたの方が戦いやすいと思うんですけど、気持ち的に油断しないで、もう一回一戦一戦を戦うことを意識していきたいと思います。