第77回全日本大学選手戦 12月13日 東京・大田区総合体育館
13日、全日本大学選手権(インカレ)は準決勝を迎えた。ここまで順調に勝ち進んだ関東1位・早大の相手は、九州2位からの快進撃を続ける日本経大。熱き1戦を目に焼き付けようと、大田区総合体育館には数多くの観客が駆けつけた。試合は接戦が続くが、中盤から徐々に早大がリードを広げる。10点前後のリードを保った早大がそのまま逃げ切り、決勝戦進出を決めた。明日は57年ぶりの日本一を懸け、白鷗大と対戦する。

序盤のチームを引っ張ったのはエース・F三浦健一(スポ3=京都・洛南)。積極的なドライブで相手留学生のボディアン・ブーバカー・ベノイット(1年)を攻略し、第1Qから9得点を挙げた。しかし日本経大による3P対策は激しく、早大は流れをつかみきれない。一進一退の攻防が続き、22-23の1点ビハインドで第1Qを終えた。
第2Qは、やや早大のペースで展開。三浦が早々に連続の3Pシュートを沈めると、F松本秦(スポ1=京都・洛南)は積極的なリングアタックで得点を重ねた。さらに松本はゴール下でも存在感を発揮し、この試合9つのオフェンスリバウンドを記録。チームがやや外角のシュートタッチに苦しむ中、松本を始めとしたセカンドチャンスポイントが早大を救った。逆転に成功した早大は、46-42で前半を終了。早大が流れをつかみかけるが、日本経大が粘りを見せた前半戦だった。

後半は応援に駆けつけた早大女子バスケ部の市浦花(教4=東京・早実)による声出しから始まった。すると開始早々、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)とG高田和幸(商4=京都・洛南)のシューター2人が3Pシュートをヒット。高田はその後もバスケットカウントを獲得し、早大がこの日初めて2桁のリードを築いた。対する日本経大はオープンのシュートが決まらず、リバウンドは三浦やF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)がしっかり確保。65-55で早大がリードし、第3Qを終えた。
第4Qは日本経大が粘りを見せるが、松本、G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)の3Pシュートで点差を縮めさせない。終盤に起用されたG城戸賢心(スポ3=福岡第一)は持ち前のディフェンスで小泉太陽(日本経大4年)との福岡第一高出身対決を制し、試合の流れを決定づけた。10点前後のリードで早大が逃げ切り、92-83で試合終了。関東王者・早大が決勝進出を決めた。

「よく耐えたかな」と倉石HCは振り返る。早大の3Pシュートは10/34で成功率29.4%。最大の武器は日本経大の徹底した対策に封じ込まれていた。しかし、今年の早大の強さは外角のシュートだけではない。各選手が高い1対1の能力を誇り、積極果敢にドライブを仕掛けることができる。さらに本日はオフェンスリバウンドでも攻め立て、よりいっそう進化した姿を見せつけた。
スタンドからは多くのファンやOBが声援を飛ばしたほか、早大女子バスケ部や洛南高バスケ部も応援に駆けつけていた。観衆が一体となった声援は、間違いなく選手の背中を押しているだろう。明日は運命の決勝戦。栄冠を手にし、歓喜に包まれた紺碧の空をひびき渡らせる。
(記事 石澤直幸、写真 北郷美結)
決勝戦の展望もぜひご覧ください!
スコア
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
| 早大 | 22 | 24 | 19 | 27 | 92 |
| 日本経済大 | 23 | 19 | 13 | 28 | 83 |
早大 スターティングメンバー
| Pos. | # | 選手名 |
|---|---|---|
| G | 0 | 下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一) |
| F | 6 | 三浦健一(スポ3=京都・洛南) |
| G | 7 | 堀田尚秀(スポ4=京都・東山) |
| F | 12 | 松本秦(スポ1=京都・洛南) |
| G | 14 | 高田和幸(商4=京都・洛南) |
コメント
三浦健一(スポ3=京都・洛南)

――今日の試合を全体的に振り返ってみていかがでしたか
関東の代表で出ていて、初戦で苦しんだ神奈川大や準々決勝で戦った日大さんも含めて本当に勝たないというプライドがあったので、地方のチームには絶対負けちゃいけないという気持ちで臨みました。
――堅守の日本経大が相手でしたがゲームプランなどは
ガード陣のディフェンスのプレッシャーは非常に強いと認識していました。向こうはリバウンドが強みで、負けた関東のチームもしつこいリバウンドでやられたという印象がつよかったので、自分は徹底的に体を張りました。オフェンスに関しては今まで通りリズム良く空いたら打つというスタイルでやっていて、今日はメインコートということでシュートを思うように躊躇して打てなかったシーンも多かったので、そこは明日しっかり思い切って打つようにしたいと思います。
――本日はチーム全体でオフェンスリバウンドからの得点が目立ちました
リバウンドの部分はどのチームを相手でも取りに行けば可能性はあると思っています。相手は留学生がいる分、日本人のところが疎かになる部分があると思ったので、後半のガード陣がリバウンドでつないでくれて本当に助かったなという風に思います。
――個人ではゲームハイ30得点の活躍を見せました
チームのために、4年生のためにやると決めていて、スタッツよりもチームが勝つことが最優先と思っていました。スタッツが出たことは結果として良かったです。明日は4年生とできるラストの試合なので、勝たして終わって、いい景色を見て終わりたいと思います。
――キャリア初の決勝戦となります。気持ちはいかがですか
今日の準決勝も少し緊張気味ではないですけど、ちょっとそわそわした感じだったので、そこは明日も同様かなと思います。同じ関東のチームとして戦ったことのある相手なので、そこはしっかりやっていきたいなと思います。
松本秦(スポ1=京都・洛南)

――今日の試合はいかがでしたか
自分のキャリアの中で全国の決勝、今回の準決も初めてで少し緊張したんですけど素直に勝てて嬉しいです。
――最後の方は早稲田のバスケを展開していたな、と感じました。どこがよかったポイントでしたか
相手がかなりスカウティングとかしてきている中で、最後の方は早稲田のバスケが出来て人全員が1対1ができるところが持ち味なので、そこを中心に自分たちがやってきたことを信じて40分間やり続けたことが一番大きい(勝因)と思います。
オフェンスリバウンドを取れていましたが今日はどういう意識で臨みましたか
いつもよりはボールが回ってこなかったんですが、そこで自分が何ができるかなっていうのを考えたときにそういう泥臭いプレー、リバウンドであったりカッティングっていうのをチームのためにやろうと思っててそれがオフェンスリバウンドの数字に出ていたので良かったなと思います
――吉田先生(吉田裕司氏、現洛南高コーチ)が応援に駆け付けていたと思いますが、成長した姿をみせるぞというような想いがあったんですか
いらっしゃるということは事前に聞いていたので、吉田先生にはずっと見てもらって泥臭いプレーもめちゃくちゃ言われていたので。3Pもずっと言われていたのでそこは点数も取れましたし、リバウンドもしっかり取れましたし、いい姿を見せられたのかなと思います。明日優勝して一番良い景色を見てもらいたいなと思います。
――照明の強さや天井の高さの違いなどがプレーに影響してしまうことはあるのか
僕の場合は裏の壁との距離はちょっと気になっちゃうときもあって、(ゴールの)行くの距離が狭いといつもやっている体育館に近いのでやりやすいんですけど、広い会場だと少しやりにくいなと感じるときもあります。
――日経大の会場を圧倒するような声は気にならないのか
集中している時はもう全然気にならないですね。
――スイッチ後の相手ガードに対するディフェンスがリーグ戦とは一味違うなと思ったのですがいかがでしたか
リーグ戦でそこ(対ガード)を狙われてしまったのもあったので、そこはもうひと段階ギアを挙げてディフェンスをしないといけないなというのは分かっていました。途中はファウルしてしまったんですけど基本的には今日は止めれたのかなと思います
――明日の決勝戦への意気込みをお願いします
この舞台には誰でも立てるわけではないので最後は自分を信じてやるしかないと思っているので、そこで四年生を勝たせてあげて笑って終わりたいなと思います。