第77回全日本大学選手戦 12月4日 神奈川・横浜武道館
12月4日、早大は全日本大学選手権(インカレ)の初戦を迎えた。関東大学リーグ戦(リーグ戦)を制した早大は第1シードとして登場。相手にはリーグ2巡目で敗北を喫した神奈川大を迎えた。試合は早大のシュートタッチが精彩を欠き、前半に最大19点のビハインドを負う。それでも第2Qの終盤から流れをつかむと、第3Qで逆転に成功。最後はG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)が得点を重ね、83-72で早大が勝利した。

この日がインカレ初戦となった早大はシュートタッチに苦戦。第1Qは3Pシュートが1本も入らず、ビハインドの展開となった。G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)が個人技でこのQ7得点の活躍を見せたが、19-28で第1Qを終了。「オフェンスが重くなってしまった」とF三浦健一(スポ3=京都・洛南)は試合後に振り返った。
第2Qも苦しい時間が続いた。シュートタッチが戻らず、悪いオフェンスからの速攻から大量失点を喫する。中でも火がついた三村デールアンソニー(1年)を止められず、2本のバスケットカウントを献上した。Q残り5分でついた点差は19点。加えて下山、三浦を始めとした多くの選手がファウルトラブルに陥っており、リーグ王者・早稲田が初戦敗退の危機に追い込まれた。
しかし、早大の反撃はここからだった。岩屋主将がミドルシュートを沈めると、F堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)の豪快なダンクシュートで流れは一気に早大へ。Q残り約3分にはG高田和幸(商4=京都・洛南)がこの日チーム初の3Pシュートを沈めると、堀副将、F松本秦(スポ1=京都・洛南)も続けざまに3Pシュートをヒット。点差を6点に縮め、試合を折り返した。

シュートタッチを取り戻した早大は第3Q開始直後、三浦、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)、高田の3連続スリーポイントで逆転に成功。三浦、松本がペイントアタックで得点する場面も増え、試合は早大のペースとなっていった。ディフェンスではスイッチの多用で今野海輝(4年)や山本愛哉(4年)に隙を与えず、リバウンドではこの日12リバウンドの三浦がしっかり取り切る。早大の流れが続き、63-58の5点リードで第3Qを終えた。
勝負を決する第4Qは、この日も岩屋主将の独壇場だった。多彩なオフェンスパターンでリングを射抜き、このQ11得点。相手のシュートが落ち続ける中、この時間で一気にリードを拡大した。終盤には下山と松本が5つ目のファウルを犯したが、着実に逃げ切り83-72で試合終了。最大19点のビハインドをひっくり返し、早大が準々決勝に駒を進めた。

次戦は代々木第二体育館にて前回王者・日大と激突する。本日の試合で日大は山学大を相手に56-44で勝利。高いディフェンス力はチームとしての完成度の高さを感じさせた。リーグ戦では早大がいずれも100点ゲームの快勝を収めたが、強敵であることは変わらない。「2回とも負けたチームに同じ感じで挑んでくるとは思えない」と三浦は語った。23年ぶりベスト4進出へ、早大は勝負の準々決勝に挑む。
(記事 石澤直幸、写真 高津文音)
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
| 早大 | 19 | 22 | 22 | 20 | 83 |
| 神奈川大 | 28 | 19 | 11 | 14 | 72 |
早大 スターティングメンバー
| Pos. | # | 選手名 |
|---|---|---|
| G | 0 | 下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一) |
| F | 6 | 三浦健一(スポ3=京都・洛南) |
| G | 7 | 堀田尚秀(スポ4=京都・東山) |
| F | 12 | 松本秦(スポ1=京都・洛南) |
| G | 14 | 高田和幸(商4=京都・洛南) |
コメント
高田和幸(商4=京都・洛南)

――初戦となった今日の試合を振り返ってみていかがでしたか
リーグ戦で負けている相手だったので、優勝したからといって油断するとかはなかったと思います。それでも最初は相手の勢いに飲まれて、前半はリードされてしまったので、そこは一つスタートのメンバーが反省しないといけないところだと感じています。2ピリの途中からディフェンスで試合の流れを作ることができていて、20点近くあった点差をディフェンスから一つずつ詰めることができました。そうやって自分たちの勢いを作れたというのは、これまでやってきたオフェンスがダメな時にディフェンスがどう機能するかの部分だったので、リーグからインカレまででチームとして準備してきたところを表現できたのは良かったかなと思います。
――ご自身のディフェンスが神大相手にうまく機能していましたが、手応えとしてはどうでしたか
瑛司と頼のファールが重んでいて、そこがいつもだったら相手のエースガード、この試合だったら山本愛哉(神奈川大4年)につくんですけど、僕は前半ファールがなかったのでオフェンスを他の人がやってくれる分、そこでディフェンスを頑張ろうと思っていました。相手のエースガードにしつこくいけたのは気持ちを表現できたという部分でも良かったですし、実際こう打たせてタフショットを止めるというのも多かったので、本当に最後の試合にしたくなきという気持ちでディフェンスを頑張りました。
――第3Qから3Pがチームで連発していましたが、今日のシュートタッチはどう評価しますか
リーグではあまり入らなかったんですけど、インカレに向けてかなり自主練を積んできたのでシュートタッチは良かったです。打った瞬間入ったなと思うシュートをちゃんと打つことができたので、これを明日以降も続けていきたいと思います。
――今日見つかった課題や改善点などはありましたか
やっぱり入りのところでディフェンスの圧をもっとあげて、自分たちのペースを作ることと、最後の方バテてきた時にリバウンドを取られないことです。相手のシュートが入らなかったから良かったんですけど、あそこでシュートが決まってたら流れがひっくり返されたと思います。明日の相手は日大で今日よりも大きい相手なので、リバウンドでしっかり負けないように頑張りたいと思います。
――次戦の日大戦との意気込みをお願いします
代々木は早稲田のホームですし、前に日大とやった時も代々木で自分たちのバスケを表現するいい試合ができました。そのいいイメージをしっかり持って、ディフェンスはしっかり一つずつ我慢してプレーしたいです。今日はあまり点数が伸びなかったので、明日は早稲田らしい攻撃のバスケを展開したいと思います。
三浦健一(スポ3=京都・洛南)

――今のお気持ちは
難しい初戦の入りだったなと思います。向こうは昨日試合しているし、こっちはリーグで負けているしというのが積み重なって、今回は今までと違う受ける立場になりました。そこをどうしても気にしてしまったことが1Qからの流れにつながったと思うので、試合慣れという部分や会場に入った時の雰囲気に飲まれてしまったことが大きかったと思います。
――前半の苦しい時間はどのようなことを考えていたか
バスケットって流れの激しいスポーツなので、その中で我慢しようと話し合っていました。絶対(相手の)シュートが落ちる時間が来るから、そこまで粘り強くやろう。一歩一歩やろうと考えていました。
――第2Qの後半からはどのようなことを改善したか
倉石さん(倉石平HC、昭54教卒=東京・早実)も言っていたんですけど、オフェンスが重くなってしまって。そこを改善して2ピリの終わりや3ピリの出だしは良かったんですけど、あれを出だしに持っていかないといけないと思います。
――課題と話していたディフェンス面を振り返って
ローテーションの練習はしていたんですけど、どうしてもファウルトラブルで苦しい時間帯が増えてしまったと思いますね。粘り強くコンテストをして、リバウンドを取り切るまでがディフェンスだということを意識していました。
――本日は3Pシュートが当たらない中でも22得点を挙げました
うちは空いたら打つっていうスタイルなので。今日はあまりスリーが入らなかったですけど、自分は点を取るのが役割なのでそこは気にせずにやりました。ディフェンスで声出して体を張ることがちょっとしんどかったですけど、そこはブレずに頑張りました
――明日の相手は日大ですが印象は
リーグ戦で2試合やってどっちも快勝したんですけど、そんなのは関係なくて。トーナメントは一発勝負で、2回とも負けた相手に同じ感じで挑んでくるとは思えないので。そこは気を引き締めて、しっかり準備して明日に備えたいなと思います。