【男子バスケ】驚異の3P成功率「50%」東海大との首位攻防戦を制し、57年ぶり優勝へマジック1が点灯!

男子バスケットボール

第101回関東大学リーグ戦 10月25日 神奈川・専修大学生田キャンパス

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)は今季最大の山場を迎えた。ここまで16勝2敗で首位を走る早大と、15勝3敗で2位につける東海大。優勝を争う2校の直接対決がリーグ最終盤に実現した。注目の一戦は第1Qから早大のオフェンスが絶好調。37-17でいきなり20点のリードを奪った。その後も早大は高い確率で3Pシュートを沈め、110-90で勝利。首位攻防戦を制し、優勝マジック1が点灯した。

 第1Q、早大は今季最高の10分間をくり広げた。3Pシュートへの警戒を強めた東海大に対し、F三浦健一(スポ3=京都・洛南)とF松本秦(スポ1=京都・洛南)がドライブで突破。ディフェンスでは「チーム全員で守ろう」(松本)と相手留学生のムスタファ・ンバアイ(2年)へのポストフィードをカットし、数多くのポゼッションを奪った。その後も早大の猛攻は止まることなく、三浦はFG6/6、堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)は3P3/3とシュートが落ちない。早稲田の高速バスケットがさく裂し、37-17の20点リードで第1Qを終えた。

 第2Q序盤は東海大のプレスディフェンスに苦しむが、G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)とG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)のツーガードで対応。点差を保ったまま試合は続いた。しかしQ終盤、守備で活躍を見せていたG城戸賢心(スポ3=福岡第一)が脚を痛めるアクシデントが発生。仲間に抱えられながらベンチへと引き下がった。城戸の奮闘に応えたい早大は、三浦と堀田副将の3Pシュートでリードをキープ。60-41で前半を終えた。

レイアップシュートを放つ三浦

 第3Qは松本の連続3Pシュートで開幕すると、下山の独壇場が始まった。引いて守る相手ディフェンスに対して3本の3Pシュートを沈めると、ラストポゼッションではタフな中でもブザービーターショット。岩屋主将とF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)のバスケットカウントもあり、91-63と点差を広げて第3Qを終えた。

 第4Qは岩屋主将が着実に得点を重ね、リードを保つ。終盤には東海大が3Pシュートで反撃を見せたが、28点のリードは早大にとって十分だった。最後は岩屋主将がフリースローを沈め、今季最多得点の110-90で試合終了。優勝争いを左右する天王山で衝撃の快勝を収めた。チームの3Pシュートは20/40で50%の成功率。5本の3Pシュートを沈めた下山は「自分でもビックリするくらい入った」と振り返った。

シュートを沈め、ガッツポーズをする下山

 直接対決を制し、残る優勝マジックはあと1つ。優勝の懸かる次戦の相手は、現在6位の明大だ。六大学リーグ戦と1巡目の試合は早大が勝利。それでも本日の日大戦では延長戦の末に勝利を収めている油断ならない相手だ。注目選手はスーパールーキーの湧川裕斗(1年)、大学日本代表の武藤俊太朗(3年)。本日26得点の針間大知(4年)も要警戒だ。

 最大の山を越え、開幕から吹き荒れた早大旋風はついに最終章を迎えた。大学バスケ界史上最大の下克上へ、偉業達成の瞬間は刻一刻と迫っている。唯一無二の高速バスケットを貫き、1968年以来の頂点へ。「早稲田」の3文字を、大学バスケの歴史に刻み込む。

(記事 石澤直幸、写真 北郷美結、村山諒)

1Q2Q3Q4Q合計
早大37233119110
東海大2324222790

早大 スターティングメンバー

Pos. # 選手名
下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)
三浦健一(スポ3=京都・洛南)
堀田尚秀(スポ4=京都・東山)
12 松本秦(スポ1=京都・洛南)
14 高田和幸(商4=京都・洛南)

コメント

堀田尚秀(スポ4=京都・東山)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

この試合が大事だということは全員分かっていましたし、相手にとってもこのゲームが大一番になるという中で、最高のゲームができて非常に嬉しいです。

――本日の3Pは、7/10本、成功率70%という数字を叩き出していました。手ごたえは

1本目打った時から自分の感覚が良かったのもありましたし、自分の仕事も打つことですし、東海相手に10本アテンプトを貰って打ち切れたことが大きな自分の成果かなと思います。

――相手オフェンスのゴール下から狙うボールに対して積極的にスティールを仕掛けていましたが、チームで決めていたことなどはありましたか

相手の長所でもあり僕らのウィークポイントがサイズの部分で、周りからカバーに入るっていうことは白鴎大や大東大など留学生のいるチームに対してチーム全体で意識していたのでそれができて結果につながったことはよかったです。

――このリーグ戦を通してリバウンドが課題であり、テーマでもあったと思うのですが、リバウンド面で今日の試合はいかがでしたか

ディフェンスリバウンドが安定できたことが、そのまま速攻を仕掛けて自分たちの流れに持っていくのが、前半特にで出しのところから取りきれたのが大きかったです。

――残り試合数がいよいよ3試合となりましたが、意気込みをお願いします

1位が決まったわけではないんで、残り3試合、インカレに向けても自分たちはまだまだ成長しなあかん部分が多いと思いますし、チームがもっとより良くなるように、この3戦を無駄なものにならないようにして、やっていきたいなと思います。

下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

 出だしから4Qの最後まで、しっかり自分たちの流れが作れてたのはすごく良かったかなと。ディフェンスも相手のやりたいこと一つずつ消せていたし、オフェンスは自分たちの流れで、いいディフェンスからしっかり速攻が出せたので、そこはすごく良かったかなと思います。

ーーチームは1Qから37得点という圧倒的な攻撃力を見せ、試合を通して3Pも50%と素晴らしい確率でしたが、手応えはいかがですか

練習でやってきた流れがそのまま出ていたので、それはすごく良かったかなと思いますし、しっかり3Pも50%入ったっていうところは自信持っていいかなと思います。

ーー下山選手自身も3Pを9本中5本決め、今季リーグ序盤から積極的にスリーを狙ってきた成果を発揮されましたがいかがですか

 自分でもびっくりするぐらい入ってたんで、そこはすごく良かったかなと思うんですけど。やっぱり半分は落としてるんで、そこの精度っていうところをもっと上げれたら強みになるのかなと思うんで、そこをもうちょっと確率を上げてやっていきたいです。

ーー今日の試合では堀田選手や松本選手がのびのびと気持ちよくプレーしているのが印象的でした。下山選手の圧巻のゲームメイクのおかげかと思いますが、いかがですか

 そうですね。やっぱりシューターとか、尚(堀田副将)もそうですし、(松本)秦とかも思いっきり打ってくれることで、チームの流れも作れるんで、自分としてはすごくありがたいです。

ーーいよいよリーグ優勝まであと1勝です。次戦に向けて意気込みをお願いします。

 やっぱり、今日良かったから明日もいいというわけにはならないと思うので、自信を持つところは自信を持って、反省するところは反省して、しっかり明日に臨みたいなと思います。

 

松本秦(スポ1=京都・洛南)

――東海大に勝利した今の気持ちは

 とにかく嬉しいです!

――試合全体を振り返って

 第1Qの出だしで20点差をつけられたことが自分たちのペースをつかむ上ですごく良かったと思います。

――チーム全体で3Pシュートは50%。松本選手も5/10で3Pシュートを沈めましたがその要因は

 最近自分たちのペースでバスケットができていなかったので、今週そこを厳しくやりました。もう一度フォーカスすることで、自分たちのバスケであるペースの速い展開を意識できたことが結果に繋がったと思います。

――東海大に対してはどのような対策を練ったか

 一番はリバウンドのところです。1巡目の前半はオフェンスリバウンドでやられて大きく苦しい展開だったので、リバウンドを意識していました。あとはディフェンスが強いチームなので、自分たちのオフェンスを信じてやり抜こうと話していました。

――本日は3Pシュートだけでなくドライブでの得点も目立ちました。シーズンが進むにつれシュート以外の得点も増えていきましたが手応えは

 スリーポイントが入っているから相手が警戒するところを逆手にとって、ドライブに行くところが自分の強みだと思っています。

――東海大には対戦したい相手と言っていた十返翔里(2年)選手がいました。チームは2戦2勝となりましたが対戦してみて

 直接マッチアップする機会はそんなになかったんですけど、点数は勝っているので(笑)。けれど一番はチームが勝てたことなので、それが一番良かったなと思います。

――優勝まであと少しです。意識などは

 ちょっと喜んじゃってる気持ちはあるんですけど、まだ終わってないので。明日の1試合を勝って優勝を決めて、インカレ(全日本大学選手権)に向けてチームを良い状態に上げていきたいと思います。

――次戦の明大戦は優勝がかかります。意気込みをお願いします

 1巡目は勝てた相手ですけど、気を抜くことなく。今日の勢いのまま明日の試合で決めたいなと思います。