【男子バスケ】天下分け目の大一番 決戦を制し、57年ぶり優勝に王手なるか/東海大戦展望

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)は残すところ4試合。ここまで早大は16勝2敗で首位を走り、優勝を果たした1968年以来となる2位以上のフィニッシュを確定させている。そして迎える次戦の相手こそが、優勝を争う15勝3敗の東海大。リーグ中盤から破竹の12連勝中で、早大と1ゲーム差の2位につけている。この2校の対決はまさに優勝の行方を占う頂上決戦。早大旋風は今季最大の山場を迎える。

1巡目は早大が逆転勝利

 1巡目の早大対東海大は、99-85で早大が勝利した。試合前半は東海大がリード。ムスタファ・ンバアイ(2年)を欠く中でもチーム合計で24本のオフェンスリバウンドを獲得し、この試合のチームORB%(オフェンスリバウンド獲得率)は48%を記録した。それでも早大は後半にリバウンドを改善し、高田和幸(スポ4=京都・洛南)や松本秦(スポ1=京都・洛南)の3P攻勢で逆転。F三浦健一(スポ3=京都・洛南)は2Pを中心にしぶといスコアリングを見せ、ゲームハイの31得点を記録した。対する東海大はインサイドで奮闘した佐藤友(2年)が20得点9リバウンドの活躍。一方でチームの3Pは6/29で成功率20.6%とシュートタッチに苦しんだ。

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堅守とリバウンドが強みの東海大 速攻と3Pシュートが強みの早大

 東海大の強みはディフェンス力。ここまでの1試合平均失点は63.7点と、全チームで最小の数値だ。一人一人の高いディフェンス力に加え、東海大は組織的なディフェンスも一級品。ゴール下まで侵入した際には、身長210センチのムスタファが待ち構えている。スモールラインナップの早大に対しては、ムスタファのミスマッチを避けるためにゾーンディフェンスを仕掛けてくるだろうか。

 また、オフェンスリバウンド数も東海大はリーグトップ1位。留学生のムスタファ以外にも中川知定真(3年)、佐藤友、赤間賢人(2年)、十返翔里(1年)はいずれも189センチ以上のオールラウンドプレーヤーであり、高さではどの大学にも引けを取らない。インサイドに弱みを抱える早大に対しては積極的にオフェンスリバウンドを狙うだろう。

 東海大の印象について、G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)は「ディフェンスの強度が高く完成されている。みんなが目指すべきチーム」、三浦は「めちゃくちゃ強いし、今季一番仕上がっている」とコメント。個々の力に組織力が加わり、スター軍団はさらなる進化を遂げている。

強力なインサイド陣に対しては堀の奮闘が求められる

 対する早大の強みはオフェンス力。1試合平均得点は89.9点、オフェンシブレーティングは113.8、3P成功本数は13.0本と、これらはいずれもリーグトップの数値だ。出場選手の全員が高い得点能力を持ち、得点ランキングには岩屋主将、F堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)、三浦、松本の4人がトップ10にランクイン。リーグ1の高速バスケットを展開し、堅守の東海大に対しても点の取り合いに持っていきたいところだ。

 早大の最注目選手は三浦だ。リーグ屈指の怪物スコアラーは、入学後に東海大と戦った全3試合で平均19.7得点を記録。いずれの試合もチームトップの得点数をたたき出している。今季序盤はシュートスランプに陥ったが、後半戦からは見事な復活。得意の3Pシュートだけではなく多彩な2Pの得点パターンを手に入れ、2巡目では平均21.7得点を記録している。「課題として取り組んでいた部分の成果が徐々に出てきている。」と三浦。リーグ戦日本人得点ランキング1位におどり出た「東海キラー」に懸かる期待は大きい。

「チームの勝利が一番」と語る三浦

優勝争いの行方

 両校の優勝条件も整理しておこう。この試合で早大が勝利した場合は早大に優勝マジック1が点灯し、残る3試合で1つでも早大の勝利、もしくは東海大の敗北があれば優勝が決定する。

 一方で早大が敗戦した場合は直接対決の点差が大きな焦点となる。大会要項は同勝ち点のチームが2チーム生まれた際の順位決定方法を以下のように定める。

(1)当該チーム間の試合における勝者を上位とする。

(2) 当該チームが1勝1敗の場合、2チーム間の試合におけるゴールアベレージ(総得点/総失点)の大なる方を上位とする。

(3)当該2チームの全試合におけるゴールアベレージの大なる方を上位とする。

 1巡目では早大が14点差の勝利を収めており、(3)の全試合におけるゴールアベレージは東海大が上回っている。そのため、早大は敗戦時でも13点差以内の敗北に収めたいところだ。早大が13点差以内で敗北した場合は早大にマジック3が点灯し、14点差以上で敗北した場合は東海大にマジック3が点灯する。

 正反対のバスケットを磨き続け、ここまで勝ち星を重ね続けた2校による頂上決戦。57年ぶり優勝に向け、この一戦が持つ意味は計り知れない。早大の高速オフェンスが火を噴き、偉業達成に王手をかけるのか、スター軍団が意地を見せ、7度目のリーグ制覇へつなぐのか。決戦は10月25日土曜日。専修大学生田キャンパスにて11時ティップオフ。

(記事 石澤直幸)