【男子バスケ】最大15点差を逆転し青学大に勝利! 岩屋主将は38得点の大暴れ

男子バスケットボール

第101回関東大学リーグ戦 10月19日 神奈川・専修大学生田キャンパス

 今年2部から昇格したばかりの早大が首位を走り、早大旋風を巻き起こしてきた関東大学リーグ戦(リーグ戦)もいよいよ残り5試合。第18節では青学大と対戦した。試合は序盤から相手の3Pシュートが好調で、一時は15点差をつけられるなど苦しい時間帯が続く。それでも、第3Qに早大は得意の速いペースに持ち込み、一気に猛追。終盤まで手に汗握る展開が続いたが、残り13秒でG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)が試合を決めるフリースローを2本とも決め、その後も守り切った早大が逆転勝利。来週に控える東海大との大一番へ弾みをつけた。

 第1Qから青学大の徹底したインサイド狙いに早大は苦戦。また、リズムよく3Pシュートも決める相手に主導権を握られてしまう。一方で早大も、G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)が3本の3Pシュートを沈めて応戦。F三浦健一(スポ3=京都・洛南)のドライブにF松本秦(スポ1=京都・洛南)が合わせ、振り向きざまにフェイダウェイを決めるスーパープレーも飛び出した。しかし、インサイドでの失点が響き、26-29の3点ビハインドで第1Qを終える。

 第2Qも青学大のペース。早大は岩屋主将や三浦が個人技で得点を重ねるも、相手のオフェンスを止めきれず、一時は15点のリードを許す苦しい時間帯が続いた。それでも、岩屋主将が1対1から得点を量産し、なんとか相手に食らいつく。終盤にはG城戸賢心(スポ3=福岡第一)が相手のエース・広瀬洸生(青学大・3年)を封じると、岩屋主将がブザービーターを沈めて46-55の9点差で前半を終了。岩屋主将は前半だけで16得点を記録し、苦しい展開でも攻撃の中心として存在感を示した。

3Pシュートを放つ堀田

 第3Q、いきなり松本が1対1からレイアップを決めると、ここから早大のペース。チーム全員が足を使った仕掛けるディフェンスで青学大にプレッシャーをかけ続けると、相手の集中力が切れた一瞬の隙を突いて一気に攻勢に転じた。残り6分、G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)がドライブから外へ展開し、堀田副将がこの試合4本目の3Pシュートを決めて早大が逆転に成功。しかし、青学大も粘り強く応戦し、一進一退の攻防が続いた。その後の早大は、この試合で絶好調の岩屋主将が得点を量産。三浦もインサイドでシュートをねじ込み、雄叫びを上げる。岩屋主将の個人技と三浦のインサイドでの奮闘が光り、早大は73-74の1点差で試合は第4Qへ。

 第4Q、リーグ優勝のために負けられない早大は、岩屋主将が連続で3Pシュートを沈め、チームに勢いをもたらす。常に1ポゼッション差の拮抗(きっこう)した展開が続く中、2点リードで迎えた残り2分30秒、下山の見事なディフェンスが相手のターンオーバーを誘発した。直後のオフェンスでは三浦が果敢にドライブを仕掛け、フリースローを獲得。確実に決め、早大が4点リードを奪った。そして、早大が1点リードで迎えた試合時間残り13秒、ファールゲームを仕掛けてきた青学大に対し、岩屋主将が2本のフリースローを託される。「チームで作ったフリースローなので、絶対に決めないとと思って打ち切りました」と岩屋主将。このフリースローを21本とも決め切り、リードを3点に広げた。最後のディフェンスでは、相手のエース広瀬を松本が守り切って試合終了。94-92で早大が逆転勝ちを収め、リーグ首位をキープした。常に苦しい試合展開だったが、頼れる主将が躍動し、価値ある勝利をつかみ取った。

レイアップシュートを放つ岩屋

 今日の試合では岩屋主将が38得点と殊勲の働き。U23の3on3日本代表で磨かれた類まれな1対1能力と驚異の成功率60%を記録した正確無比な3Pシュートでチームを勝利へ導いた。三浦はフリースロー10本を含む26得点と躍動。闘志あふれるプレーと冷静にフリースローを決め切るクールさで今日もチームを牽引した。

 来週はいよいよ東海大との天王山。勝てば、1968年以来の優勝へのマジック1が点灯する。東海大はリーグ戦1巡目で早大に負けて以降、12連勝中と波に乗っているが、早大がやることは変わらない。チャレンジャー精神で、3Pシュートと堅守速攻を組み合わせた早稲田らしい高速バスケットを貫くだけだ。暑さが残る8月に開幕したリーグ戦も、いよいよ残り4試合。この2か月間に及んだ早大旋風は優勝というかたちで結実するのか。

 

(記事 村山諒、写真 石澤直幸)


  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早大 26 20 27 21 94
青学大 29 26 19 18 92

 

早大 スターティングメンバー

Pos. # 選手名
下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)
三浦健一(スポ3=京都・洛南)
堀田尚秀(スポ4=京都・東山)
12 松本秦(スポ1=京都・洛南)
14 高田和幸(商4=京都・洛南)

コメント

岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)

――本日の試合を振り返って

 入りはあっちのペースで、それをずるずると前半は引きずってしまいました。後半に修正してしっかり接戦をものにできたことは、内容が悪い部分がありましたが結果としてチームでは良い試合だったと思います。

――今日は38得点、3Pシュートは6/10の活躍でした。振り返って

 昨日は全然シュートが入らなくてプレータイムも少なかったんですけど、思い切って打とうと思ったら入りました。みんながクリエイトをしてくれたりもしたので、入って良かったです。

――最後には重圧のかかるフリースローをしっかり沈めました

 普段は(下山)瑛司が基本ガードとして運ぶようにしているんですけど、大事なフリースローの場面では僕が持つようにしているので。チームで作ったフリースローなので、絶対に決めないとと思って打ち切りました。

――前半9点ビハインドからの逆転勝利でした。後半に向けて意識したことは

 前半は相手のやりたいポストプレーやスリーポイントというところをやられたので、そこをなんとか消そうと思い切ってディフェンスをしていました。

――来週は東海大との大一番ですが、東海大の印象はいかがですか

 個人個人が上手いんですけど、それより組織力があってディフェンス強度の高い完成されたチームだと思います。みんなが目指すべきチームという感じです。

――最後に意気込みをお願いします

 あとちょっとなので、しっかり1試合1試合を勝ちきって優勝を目指したいと思います。

三浦健一(スポ3=京都・洛南)

――苦しい試合でした。今のお気持ちは

 よく勝ち切れたなっていう感じです

――相手の流れで苦しい中、どのような意識でプレーしていましたか

 自分たちの入りが悪かったので、そこは取り返しがつかないから後半頑張ろうという話でした。相手の勢いが凄かったです。それでも多分自分たちの流れは来るので、我慢しようとディフェンスから始めました。

――本日はインサイドでのスコアリングが光りました

 今日はあんまりシュートタッチが良くなくて、(岩屋)頼がシュート当たっていたので自分は中で点を取ろうと思っていました。途中はドライブでファウルを貰ってフリースローで点を取れたのは良かったと思います。

――今季はシュートタッチに苦しむ中、インサイドでの得点が増えています。プレーの幅が広がっているように感じますがいかがですか

 別にスリーが入らなくても大丈夫と考えるようになってきています。リーグの最初はスリーが入らなかったら点が取れないと思っていましたが、インサイド、リバウンド、プルアップといったずっと自分が課題として取り組んでいた部分の成果が徐々に出てきています。まだ結果には満足していないんですけど、スリーが入らない日でもある程度できるのかなと思っています。

――次戦は東海大戦ですがどのような印象のチームですか

 めちゃくちゃ強いし、今季一番仕上がっているチームかなと思います。ディフェンスでもオフェンスでも非常に強度が高いチームだと思います。

――最後に意気込みをお願いします

 来週が一番の山になることはみんな分かっています。自分が東海にどれだけできるかも重要なんですけど、チームの勝利が一番なので。そこにフォーカスして自分ができることをやりたいなと思います。