【男子バスケ】止まらない早大旋風 筑波大を振り切りリーグ単独首位をキープ

男子バスケットボール

第101回関東大学リーグ戦 9月14日 東京・明治大学和泉キャンパス

 現在7勝1敗で関東大学リーグ戦(リーグ戦)の単独首位に立つ早大。第9戦は筑波大と対戦した。試合は序盤こそ相手の高さに苦戦するが、第2Qから得意の高速バスケットを展開し、リードを広げる。終盤に点差を縮められたものの、84-77で逃げ勝ち、リーグ単独首位をキープした。

 第1Qは筑波大のペース。ゆったりとしたハーフコートオフェンスを展開し、早大が得意な速い展開に持ち込ませない。早大の司令塔であるG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)が速攻を仕掛けると、全てファールで止めようとする徹底ぶりだった。それでも止められないのが早大のスピードスター・下山だ。ディフェンスリバウンドを取ると、持ち前のスピードを活かし一気に加速。相手にファールをさせる隙も与えずに抜き去ってレイアップを決めた。しかし、筑波大もデザインされたオフェンスを確実に決め、19-23で第1Qを終える。

 第2Qは開始早々下山が3Pシュートを決めて波に乗ると、ここから早稲田の高速バスケットが展開。下山のスティールからF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が独走してレイアップを決めると、今度は堀副将のドライブから外に展開し、G高田和幸(商4=京都・洛南)が連続でスリーを決め、16-0のランで一気に筑波大を突き放す。47-36と11点のリードをつけて前半を終了した。

ジャンプシュートを放つ下山

 第3Qも早大の勢いは止まらない。連携の取れたディフェンスから速攻につなげ、堀副将が豪快なドライブで得点を奪う。ディフェンスがいようとパワーで道をこじ開けるのが堀副将の真骨頂だ。また、G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)はこのクォーターで3本のスリーをヒット。頼れる主将、副将の活躍で完全に流れを掌握した早大は、72-54と大きくリードを広げて第3Qを終えた。

 しかし第4Q、筑波大の強度の上がったディフェンスに早大は苦戦。18点差あったリードは一気に縮まり、残り2分で6点差にまで迫られる。第4Qで逆転された日体大戦での嫌な記憶が脳裏をよぎったが、ここで勝ち切るのが今年の早大。勝負所でF三浦健一(スポ3=京都・洛南)がオフェンスリバウンドから自分で決め切って再び8点差に広げた。筑波大の前から来る激しいディフェンスにも早大は冷静に対応し、タイムアップ。84-77で筑波大に逃げ勝った。

ドライブを仕掛ける三浦

 堀副将はこの試合で24得点9リバウンドの大活躍。早大のスリーに対する警戒が試合を重ねるごとに増す中、堀副将の持ち味である切れ味鋭いドライブは今後も試合の要所で効いてくるだろう。早大はこれでリーグ戦7連勝。通算成績8勝1敗で首位をキープした。高速バスケットを武器に快進撃を続けている早大。2002年の筑波大以来史上2度目となる1部昇格後即優勝を目指し、早大旋風は今後も止まりそうにない。

(記事 村山諒 写真 石澤直幸)

第101回関東大学リーグ戦 9月14日(vs筑波大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大1928251284
筑波大2313182377

◇早大スターティングメンバー◇

#0 G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#7 G堀田尚秀(スポ4=京都・東山)

#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)

#14 G高田和幸(商4=京都・洛南)

コメント

堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)

――本日の試合を振り返っていかがですか

 勝てて良かったです。

――本日はオフェンスリバウンドを5本獲得しました。今シーズンは苦しい場面でオフェンスリバウンドが取れています

 そんな取ってました?(笑)。ボールが自分の所に飛んできたので、ラッキーって感じです。

――筑波大に対するディフェンスプランはいかがでしたか

 僕らは相手に合わせるというよりは自分たちのスタイルで倒すというチームなので。今日は一緒に中国行った友達(坂本康成、筑波大・3年)とマッチアップして止めようって感じです。

――坂本選手とマッチアップしての印象はいかがでしたか

 早稲田が一番苦手とする、デカくて飛び込んで動ける選手です。僕も結構やられたんですけれど、しっかりと他のところでやらせなかったことは良かったと思います。

――現在チームは単独首位です。1、2年生の頃の1部リーグは厳しいものだったと思いますが今のお気持ちはいかがですか

 その経験があるから、今勝ってもあまり調子に乗らずにできていると思います。みんな別に「まだ入れ替え戦あるよね」という雰囲気でやっているので、そこで調子に乗らないのは良いかなと思います。

――昨年や春に比べてチームで良くなっていると感じる部分は

 みんなハッスルできて、シュートがよく入っているかなと思います。早稲田のスタイルを貫けているかなと。

――次は専大、日大との試合となります。意気込みをお願いします

 専修は留学生が復帰して、結構今負けているけど全然僕らにとって油断ならない相手だと思うのでしっかりちゃんと勝ちたいです。日大は順位的に近いところだからそこも倒して、1巡目で貯金を作っておきたいと思います。

高田和幸(商4=京都・洛南)

――本日の試合を振り返っていかがですか

 昨日は明治相手に自分たちの武器のスリーを少なくされて、今日もそうされるかなと予想していました。最初はペースを上げられずに点数が停滞してしまったので、そこは反省点かなと思います。あと途中点差が開いた時に僕たち4年生が締められずに追い上げられてしまったので、もっと突き放して普段出られない子が出れるくらいの余裕を作らないといけないと思いました。

――今日は高田選手のディフェンスが光りました

 最近堀田と一緒に出ることが多いんですけど、堀田と自分なら自分の方がディフェンスが出来ると思うので、自分が相手のエースプレイヤーに着くことが多いです。青学だったら広瀬(洸生、青学大3年)、昨日だったら針間(大知、明大4年)と着いて、感覚が良くなったというか、自信がついてきました。ただリバウンドのところで坂本(康成、筑波大3年)だったり副島(成翔、筑波大3年)にやられてしまったので、そこは改善していきたいです。それ以外のディフェンスはチームとして凄く良いかたちになってきているので、もっと磨きをかけて次の試合に向けてやっていきたいと思います。

――第4Qに少し得点が止まってしまう時間がありましたが原因はどのように考えますか

 点差があって、勝てばいいやという余裕が出てしまいました。リーグ戦ってインカレ(全日本大学選手権)で優勝するための過程にすぎないので、点数が空いても自分たちのハイペースなバスケットを続けないといけなかったと思います。けれど3週間の疲れ、最終日の疲れもあってサボってしまったところがオフェンス、ディフェンスともにありました。そこで追い上げられたことは反省点かなと思います。

――会場には松山雄亮(スポ6卒=現三井住友海上火災)さんらOBの方々も駆けつけていました

 全然(松山さんが)来るとは聞いていなくて。他にも代は被っていないんですけど、小室悠太郎(令3社卒=現三井住友海上火災) さんが来てくれました。嬉しかったし、勝たなきゃいけないなという気持ちでした。年配のOBの方も、最近卒業されたOBの方に来ていただけるのもありがたいですし、見に来たいと思ってくれることが今年の早稲田の象徴じゃないかなと思います。見ている人を魅了するじゃないですけど、他のチームと一味違ったバスケットを展開して、見ている人が楽しいと思えるバスケットへ成長できているのではと思います。

――単独首位をキープしましたがチームの雰囲気はいかがですか

 疲れはあるんですけど、勝っている分気分が良いので雰囲気はとても良いです。でも改善点が多すぎるくらい多いので、調子に乗る雰囲気もなく、また2週間後の試合に向けて課題を潰していこうという感じです。

――専大戦、日大戦への意気込みをお願いします

 1巡目があと2試合で終わるので、ここで2勝して1巡目を首位で終えられるようにこの3週間で出た課題を潰していきたいです。気分は緩くなりがちだと思うんですけれどそこは4年生としてしっかり締めて、次の2試合をちゃんと勝てるように頑張ります。