第101回関東大学リーグ戦 9月13日 東京・明治大学和泉キャンパス
ここまで6勝1敗と波に乗り、日体大と並んで首位に立つ早大。前半戦もあとわずかとなった8戦目は、早大を1ゲーム差で追う好調・明大と激突した。試合は序盤から早大のディフェンスが牙を向き、第1Qから13点のリードを奪う。そのまま2桁のリードを守り続けると、第4Qに早大が一気に突き放し89-67で大勝。他会場では日体大が大東大に敗戦したことにより、早大がリーグ単独首位に浮上した。
リーグ1のオフェンス力を誇る早大だが、この日はディフェンスから流れをつかんだ。最初の5分はオフェンスリバウンドからの失点が続いたが、ディフェンスでF三浦健一(スポ3=京都・洛南)が躍動。相手ハンドラーの千葉天斗(4年)から24秒バイオレーションを奪うと、立て続けにブロックとパスカットで明大オフェンスを止めた。するとオフェンスではG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)が3Pシュートもバスケットカウントを連続して決め、早大が一気にリード。3Pシュートを警戒する相手を前にチーム全体がドライブで得点を重ね、24-11で第1Qを終えた。
第2Qもこの日29得点を記録したF松本秦(スポ1=京都・洛南)を中心にリードを広げていく。しかし残り2分になるとターンオーバーからの失点が相次ぎ、このQで広げた点差を元に戻された。苦しい展開のまま第2Qを終え、39-28の11点リードで後半を迎える。

ドライブを仕掛ける下山
ここまでの試合で早大の強みとなっている第3Q、この日も後半開始から早大が一気に突き放す。G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)のキックアウトからG高田和幸(商4=京都・洛南)が3Pシュートを沈めると、下山のスティールから三浦が得点。さらには下山のコースト・トゥ・コーストも飛び出し、早大が一気にリードを20点に広げた。しかしここからディフェンスに綻びが生じる。ドライブからの得点を立て続けに許し、残り4分から大量失点。オフェンスも単調な展開が続き、リードが10点に縮まった。
第4Qは松本の3Pシュートで幕を開けるも、相手に連続バスケットカウントを許す嫌な展開。しかしここでチームを引っ張ったのはG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)とF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)だった。堀副将がドライブから連続して得点を決めると、岩屋主将はバスケットカウントで続く。第4Qは2人で計15得点を挙げ、早大が一気に明大を突き放した。最終的には89-67と22点差の快勝。六大学リーグ戦同様大差で明大を退けた。

レイアップシュートを打つ堀
本日の早大は3Pシュートの成功が7本と今季最小の数字。リーグ戦が続くにつれ、早大の3Pシュートへの警戒は各チームの間で高まっている。しかしそれを逆手に取り、今日の試合ではドライブを中心としたオフェンスで明大ディフェンスを攻略。対早稲田を掲げ各大学が対策を重ねる中、この試合は良い兆候と言えるかもしれない。
他会場では日体大が大東大に敗れたため、7勝1敗の早大はリーグ単独首位へ浮上。昨年は2部での戦いを強いられた早大が歴史的な快進撃を見せている。次戦の相手は関東大学選手権で勝利した筑波大。現在は岩下准平(4年)と福田健人(4年)が欠場しており、落とすわけにはいかない相手だ。前半戦は残すところ3試合。予想だにしなかった首位ターンはもう目の前に迫っている。しかし岩屋主将は「おごることなく勝ち続ける」と冷静だ。101回目のリーグ戦に巻き起こる、えんじ色の大旋風。BIGBEAERSの長き旅路は続く。
(記事 石澤直幸 写真 権藤彩乃、村山諒)
101回関東大学リーグ戦 9月13日(vs明大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 24 | 15 | 20 | 30 | 89 |
明大 | 11 | 17 | 21 | 18 | 67 |
◇早大スターティングメンバー◇
#0 G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)
#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)
#7 G堀田尚秀(スポ4=京都・東山)
#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)
#14 G高田和幸(スポ4=京都・洛南)
コメント
岩屋頼(スポ4=京都・洛南)

――勝利しましたが、試合を振り返っていかがですか
前半は39点で、自分たちのやりたいことができなかったんですけど、後半は50点取って、自分たちがやりたいバスケができたので、そこは良かったと思います。
――今シーズンは後半からの修正が上手くいっていると思いますがいかがですか
そうですね。前半に課題が出ることが多くて、そこで相手にアジャストしたり、課題を修正できているので、後半が良くなっていると思います。
――明大のオフェンスはオフボールで動いて、ミスマッチを突くようなスタイルでした。ディフェンスで意識していたことは
サイズでは負けてしまうので、そこでやられないように、でかい人が中、ちっちゃい人が外を守るっていう感じでコミュニケーションを取りながら、スイッチをして守っていました。
――オフェンスが停滞する場面では、1on1、特にミドルシュートで得点する場面が多かったです
点が止まってしまうとみんな不安になってしまうので、そこは取りに行っていました。チームを安心させられたら、という思いで攻めていました。
――ドラフトの志望届について、いつ頃提出する予定ですか
いろいろな方と相談して出すと思いますが、いつ出すかは特にまだ決めていないです。
――これでチームが単独首位となったことについてはいかがですか
しっかり勝ち続けているというのはいいことやと思うんで、これからもおごらずに頑張っていきたいと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
今日と同じような相手やと思うんで、今日出た課題を克服して、今日よりもいい試合をしたいと思います。
松本秦(スポ1=京都・洛南)

ーー試合全体を振り返っていかがですか
点数自体はそこまで前半伸びなかったんですけど、最後は90点近く取れたっていうことで、自分たちのペースで全体を通して見たら試合できたのかなというふうには思います。
ーー今日の試合でチーム最多の29得点。手応えの方はいかがですか?
今日も前半の最初から調子は良かったので、まず自分が点数を取るという意思でプレーしていました。そこが良い結果につながったのかなというふうに思います。
今日の試合では3Pシュートだけでなく、ドライブも印象的でした。ご自身で意識した部分はありますか
相手は自分がスリーポイントを打つということで、ハードにプレッシャーかけていました。そこを逆手にとって、カウンタードライブができたっていう、自分にとってもすごくいい自信になったのかなというふうに思います。
ーー今日の試合を終えて、早大はリーグで単独首位となりました
正直な話こんなに勝てると思ってなかったので。びっくりしてるというところでもありますし、そこはずっと自分たちが練習し続けたことが結果としていい方向に出ているので、すごく自信にもなっています。チームとしてもいい雰囲気なので続けていきたいなと思います。
ーー次の試合に向けての意気込みをお願いします
明日も日本人チーム相手ということなので、まずは高さで負けないようにしたいです。そこで自分たちの武器である走ってトランジションで攻めるっていうことを思いっきり出せたらなというふうに思います。