【男子バスケ】93回目を迎えたバスケ界最古の定期戦 早大が2連勝で早関戦を制した

男子バスケットボール

第93回早関定期戦 8月20、21日 早稲田アリーナ

 リーグ戦開幕を間近に控えた8月20、21日、今年で93回目を迎える早関定期戦(早関戦)が開催された。日本最古のバスケ定期戦である早関戦。その歴史は1926年にまでさかのぼる。早関戦が初めて開催された1926年は早大が「早大RDR倶楽部」として全日本選手権に出場し、初優勝を果たした。「日本バスケットボール界の育ての親」と呼ばれ、日韓大学対抗戦である李相佰杯(李相佰盃日・韓大学代表競技大会)にもその名が刻まれている故・李相佰氏(大15卒)はこの年の卒業生だ。日本バスケの黎明期から紡がれてきた歴史が重みを物語る早関戦。今年も両チームによる2日間の熱き戦いが繰り広げられた。1日目は序盤から早大が大きくリード。第2Qに関学大が反撃を見せたが、第3Qに38-9のランを作った早大が110-62で勝利を収めた。2日目は一転して接戦。早大がリードこそするが、点差を離せない展開が続いた。第4Qに3点差まで詰められる場面もあったが、なんとか逃げ切り勝利。早大の2連勝で通算成績を早大83勝、関学大10勝とした。

 「来年で100年」との開会宣言で始まった1日目。試合は第1Q、開始直後から関学大の3Pシュートに苦しめられて競った展開となる。それでも早いリスタートからの速攻が飛び出すと、一気に関学大を圧倒。この日絶好調のG堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)を中心に長距離砲を連発し、34-19で第1Qを終えた。第2Qは3x3のU23日本代表からチーム合流したG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)とF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が登場。しかしなかなか外角のシュートが決まらない苦しい時間となった。三浦が安定したスコアリングを見せるが、48-40と点差を縮められた状態で後半を迎える。

ボールを保持する堀田

 第3Qは早大の独壇場だった。F松本秦(スポ1=京都・洛南)の連続スティールをはじめとする好守で相手の攻撃を封じると、そのまま速攻が続く。堀田副将はこのQで4本の3Pシュートを決め、第3Qに限ったスコアは38-9。早大が一気に試合を決定づけた。第4QはF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)やC初宮嘉一(スポ4=東京・頴明館)といったベンチメンバーが躍動。110-62の大勝で早関戦の初戦を飾った。

フリースローを放つ松本

 2試合目は競った展開。関学大の高確率な3Pシュートに苦しめられ、1ポゼッション差のまま試合が推移する。それでも第1Q終了間際、敵陣でボールを奪ったG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)がブザービーターとなる3Pシュート。26ー20で第1Qを終えた。しかし第2Qはゴール下のフィニッシュの精度に苦しみ、一時逆転を許す。それでも堀田副将の連続3Pシュートで再びリードを奪い、55ー44で試合を折り返した。

シュートを構える三浦

 後半は岩屋主将の3Pシュートで開幕するが、相手のディフェンスシステムに苦しめられなかなか点差が広がらない。76ー62の14点リードで迎えた第4Q、オープンのシュートを決め切れずに点差がじわじわと縮まる。試合時間残り5分で85ー82の3点差にまで詰められた。しかしここで立ち上がったのは下山。持ち前のスピードで打開し、連続得点で相手の流れを封じた。早大はそのまま逃げ切り、99ー88で試合終了。早関戦83勝目を挙げた。

フローターシュートを放つ下山

 伝統の早関戦を2連勝で制し、27日に迎えるリーグ戦開幕へ弾みをつけた早大。試合中も倉石平ヘッドコーチ(昭54教卒=東京・早実)から指示が飛ぶように、結果だけでなく内容を重視する姿勢が見て取れた。リーグ戦で迎える相手は関東1部のさらなる強敵。激闘が飛び交う熱き秋はもう目の前だ。

(記事 石澤直幸、写真 川田真央、権藤彩乃、齋藤汐梨、高津文音、村山涼)

第93回早関定期戦第1試合 8月20日(VS関学大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大34143824110
関学大19211362

◇早大スターティングメンバー◇

#0 G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#7 G堀田尚秀(スポ4=京都・東山)

#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)

#14 G高田和幸(商4=京都・洛南)

第93回早関定期戦第1試合 8月21日(VS関学大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2630202399
関学大2024212388

◇早大スターティングメンバー◇

#0 G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

#3 G嘉手川太智(商3=沖縄・開邦)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#7 G堀田尚秀(スポ4=京都・東山)

#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)

コメント

G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)

ーー早関戦の2試合を振り返っていかがですか

 3人制をずっとやっていたので5対5は久しぶりの感覚でした。スピード感も違く、チームとの波長が合いませんでした。それでも1試合目に比べて2試合目はチームにアジャストできた感覚があります。あと少ししかないですが、この2試合で出た課題を克服したり、チームの雰囲気に合わせられるように努力したいです。

ーー最近まで3人制をやっていた中、5人制に移行する中で難しさはありましたか

 難しいです。ボールも違うし、コートも半分でやりずらさはありました。

F堀陽稀(スポ4=京都・東山)

――早関戦の2試合を振り返っていかがですか

 あとちょっとしかないので、早くチームになじまないといけないという気持ちです。

――最近まで3人制をやっていた中、5人制に移行する中で難しさはありましたか

 コートが広いし、自分の視界では1対1でも5人制ならヘルプがくるので。もうこれ攻められへんなと思ってボールを返すことが多かったです。別競技だなと思いました。