アクシデントをものともせず 速攻を武器に関大撃破! 決勝トーナメントまであと1勝

男子バスケットボール

第3回全日本大学新人戦 7月8日 東京・大田区総合体育館

 7月8日、早大は全日本大学新人戦(新人インカレ)の初戦を迎えた。1、2年生のみが出場できる本大会。F南川陸斗(文1=京都・東山)と大エースのF松本秦(スポ1=京都・洛南)を欠く早大は試合直前でG木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)が体調不良になるアクシデントにも見舞われ、わずか5人での戦いを強いられた。それでも試合は第1クオーター(Q)、早大がファストブレイクを中心に11点のリードを築く。その後第2Qに失速して2点ビハインドで試合を折り返すものの、後半はまたもや速攻を中心に13-0のランで早大が逆転。そのままリードを守り切り、新人インカレの初戦を白星で飾った。

 試合開始直後、早大がディフェンスからいきなり主導権を握った。相手のポストプレーに対してダブルチームを仕掛けると、キックアウトを読み切り連続でパスカット。そのまま速攻を完結させ、理想的なかたちで早大が先制に成功した。その後もG小泉広翔(商2=京都・東山)の素早いボールプッシュで敵を翻弄(ほんろう)すると、G羽鳥景親(創理2=東京・早実)がこのQ2本目の3Pシュート。自分たちのペースで試合を進めた早大が11点のリードで第1Qを終えた。

 続く第2Qは一転して試練の時間。ハーフコートのオフェンスで突破口を見いだせずにいると、約7分間で得点をわずか3点に抑え込まれる。ディフェンスでもダブルチームの捌きから3Pシュートを被弾し、二桁のリードはみるみるうちに縮まっていった。タイムアウトでも流れを止めることができず、ポストプレーでの失点で逆転を許した早大。2点のビハインドで後半を迎える。

3Pシュートを放つ羽鳥

 第3Qがこの試合の分岐点となった。小泉の速攻で滑り出しに成功すると、その後もファストブレイクから連続得点。ディフェンスでも激しい強度で突破を許さず24秒バイオレーションを獲得すると、ダメ押しとなる羽鳥の3Pシュートが突き刺さった。後半開始から怒涛(どとう)の攻勢を続け、13-0のランで逆転に成功した早大。55-46の9点リードで第3Qを終えた。

 第4QもF今村優志(スポ1=東京・東海大高輪台)の得点や羽鳥の3Pシュートでリードを保つ早大であったが、試合時間残り4分でアクシデントが襲う。前半から再三足を気にする仕草を見せていたF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)が足をつり、コートに倒れ込んだ。出場可能な選手は学生コーチのC岩本架(教2=長崎西)とG齋藤心音(スポ2=埼玉・浦和)しか残っていない中、藤山はプレーを続行。アクシデントにもかかわらずコーナーからの3Pシュートを沈め、点差を14点に広げる試合の決定打となった。最後までファウルゲームで粘りを見せる関大を振り切り、試合は75-62で終了。決勝トーナメント進出へ王手をかけた。

フリースローを放つ藤山

 関東大学新人戦と同じく5人での戦いを強いられながらも貴重な1勝をつかみ取った早大。チームスタイルの一つである走るバスケットが猛威を振るい、本日の大きな勝因となった。次戦の相手は九州王者の強敵・日本経済大。自分たちのバスケットを貫き、優勝候補・東海大が待つであろう決勝トーナメントへの切符をつかみ取る。

(記事:石澤直幸 写真:北郷美結)

第3回全日本大学新人戦 7月8日(vs関大)

 1Q2Q3Q4Q合計
早大27212277
関大1620101662

◇早大スターティングメンバー◇

#8 G小泉広翔(商2=京都・東山)

#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)

#10 F今村優志(スポ1=東京・東海大高輪台)

#24 G木佐貫凌汰(社1=東京・早実)

#26 G羽鳥景親(創理2=東京・早実)

コメント

小泉広翔(商2=京都・東山)

――少ない人数の中での試合でしたが、キャプテン、また司令塔としてどのようなことを意識して試合に臨みましたか

 少ないながらも、早稲田は「走るバスケット」なのでそこは40分間体現し続けようと言う気持ちで臨みました。

――速攻からの得点が目立っていましたが手応えはいかがですか

 特に第2Qのチームが沈んでいる時に、自分がボールをプッシュしてというところができず、チームからの指示もあったので、3入り(3Q冒頭)からは特にそこを意識してやりました。

――積極的にダブルチームを仕掛けるディフェンスが光りましたが、ディフェンスプランを振り返るといかがでしたか

 激しく行きたい気持ちもありつつ、5人というところもあり程々にやらなければいけない難しい状況だったのですが、それでもチャンスがあったら積極的に仕掛けていくようにしました。

――リバウンドの面では関西大が勝っていましたが、これからのどのように修正していくか、何か考えていますか

 明日は特に留学生もいて、何倍もサイズが大きくなるので藤山(拓翔、スポ2=新潟・開志国際)に頼るだけじゃなくて本当に全員でボールを下に落とすくらいの勢いでリバウンドをすることが大事だと思っています

――明日の試合への意気込みをお願いします

 もしかしたら明日は体調不良で休んでいた木村も帰ってくると思うので、しっかり万全の6人で、6人が万全かわかんないっすけど笑。しっかり、とにかく走るバスケットを40分やろうと思います。

今村優志(スポ1=東京・東海大高輪台)

――本日の試合を振り返って 

 自分たちのやりたい走るバスケットが展開できたときは良かったですが、第2Qのようにやりたいことができない時間は課題だなと思います。

――ハーフコートオフェンスではオフボールから崩していこうという動きが見られました

 周りを生かすなど、オフボールの動きを意識してここまで練習してきました。少しブランクはあったのですが、そこを意識して今日はプレーしました。

――大学バスケデビュー戦でいきなり16得点の活躍。手応えは

 自分が行くべきところと、周りにキックアウトするところの試合勘が少し鈍っていました。大学、関東でやっていく中でもっと判断をしなければいけないところがあったと思いますが、最初の試合で16得点取れたのは個人的には少し良かったと思います。

――わずか5人での戦いとなりましたがこちらの面は

 高校ぶりの40分出場なのでどうなることかと思いましたが、最後藤山さんも足つって頑張ってくれていたので。なんとか勝てて次に繋げてよかったかなって。

--次戦への意気込みをお願いします

 今日の反省を生かすゲームをして、絶対に勝ちたいと思います。