第65回関東大学新人戦 ６月６日 東京・代々木第二体育館
帝京平成大との激戦を制し、全日本大学新人戦（新人インカレ）出場を決めた早大。準々決勝は中大との一戦となった。しかし試合前日、エースのＦ松本秦（スポ１＝京都・洛南）が３ｘ３の日本代表活動によりチームを離脱。５人での戦いを強いられる状況に選手も「厳しい試合になる」と言葉を残した。それでも迎えた試合当日、コート上にはなんと松本の姿。一度は日本代表の合宿地に合流した松本であったが、日本代表チームの後押しを受けて急遽今日の試合への出場が決まった。試合は序盤から松本が躍動し、第１Ｑは互角の戦い。しかし第２Ｑからは相手の高精度な３Ｐシュートに苦しみ、劣勢の展開を強いられた。第４Ｑに早大は反撃を見せたが、２ポゼッション差から詰めきることができずに敗戦。明日以降は順位決定戦へ回ることになった。
硬い入りとなってしまい、試合開始直後に先行を許した早大。重苦しい雰囲気がただよったが、エース・松本が打破してみせた。ドライブ、３Ｐシュート、速攻で３連続得点を果たすと、絶妙なキックアウトでＦ藤山拓翔（スポ２＝新潟・開志国際）のコーナースリーをアシスト。勢いに乗る早大が逆転に成功した。しかし第１Ｑ終了間際、中大に同点の３Ｐシュートを被弾。互いに一歩も譲らぬ展開のまま第２Ｑを迎えた。
第２Ｑも互角の戦いが続くが、開始４分にＧ小泉広翔（商２＝京都・東山）が敵陣でのターンオーバーから失点。ここから流れが中大に傾いていった。連続して３Ｐシュートとオフェンスリバウンドからの得点を許し、一気に10点のビハインドを負う。タイムアウトでも相手の勢いを止めることが出来ず、点差は17点に広がった。松本に良いかたちでボールが入らない早大は、立て続けに前半最後のタイムアウト。松本にハンドラーの役割を持たせ、修正を図った。すると松本のパスを受けたＧ羽鳥景親（創理２＝東京・早実）が反撃ののろしとなる３Ｐシュートを放ち、松本もフリースローから得点。ビハインドを12点に縮め、35－47で前半を終えた。
相手ディフェンスをかいくぐりシュートを放つ松本
第３Ｑも松本が内外とバランスよく得点し、徐々に差を詰めていく。さらにこの日好調の藤山が長距離砲で援護射撃を見せると、わずか５分で点差を６点にまで縮めた。しかし今日は中大のシュートタッチがさえ渡る。連続３Ｐシュートで再度点差を二桁に広げられると、第３Ｑ終了間際にまたも３Ｐシュートを被弾。51－64でで最終第４Ｑを迎えた。
窮地に追い込まれた早大だったが、ここから粘り強さを見せる。松本がフリースローを中心に得点を重ねると、藤山が本日４本目となる３Ｐシュート。小泉も持ち前のディフェンスで相手ハンドラーをくい止め、試合時間残り６分で再度６点差にまで縮めた。しかし２ポゼッション差からが遠く、なかなか点差が縮まらないまま時間が経過。早大は松本が得点を挙げ続けるも、なかなかシュートが落ちない中大の背中は遠かった。試合時間残り１分にはダメ押しの３Ｐシュートを浴び、反撃及ばず試合終了。70－77で敗戦し、関東王者への旅路は幕を閉じた。
３Ｐシュートを放つ藤山
明日からは５位決定トーナメントに回る早大。次戦の相手は昨年の新人戦で敗北した宿敵・山学大だ。前年の新人戦で得点王に輝いた菅野陸（２年）には最大級の警戒が必要になる。厳しい展開が予想されるが、早稲田のプライドを見せる戦いに期待したい。
（記事：石澤直幸 写真：田中瑠花）
| １Ｑ | ２Ｑ | ３Ｑ | ４Ｑ | 合計 | |
| 早大 | １８ | １７ | １６ | １９ | ７０ |
| 中大 | １８ | ２９ | １７ | １３ | ７７ |
◇早大スターティングメンバー◇
#８ Ｇ小泉広翔（商２＝京都・東山）
＃９ Ｆ藤山拓翔（スポ２＝新潟・開志国際）
＃１２ Ｆ松本秦（スポ１＝京都・洛南）
＃２４ Ｇ木佐貫凌汰（社１＝東京・早実）
＃３２ Ｇ木村魁斗（スポ１＝茨城・下妻第一）
コメント
松本秦（スポ１＝京都・洛南）
ーー３ｘ３の代表練習の方は
昨日から合宿に合流していて、今日も練習があるのですが、チームリーダーの方から「こっち行ってこい」と言われて、急遽こっちに決まったかたちです。
ーー２試合連続40得点、本日も38得点ですがスコアリングへの意識は
チーム状況的に、自分がエースとなって点を取らないといけないことは分かっていたので、だからこそ点数の面で引っ張ってプレーできたのは良かったと思います。ですがその分ボールに触れる時間が多くなり、ターンオーバーやシュートのミスが増えました。新人インカレに出れることは決まったので、そこはリーグ戦（関東大学リーグ戦）やインカレ（全日本大学選手権）に向けて自分としても修正していきたいです。
ーー第２Ｑ２回目のタイムアウト後には松本選手がボールを持つ場面が増えましたが何か指示などは
あれはスペインピックみたいなかたちです。サイズのある自分にドライブをして来られたら、多分相手としても守りにくいという指示が出て、自分から仕掛けました。
ーー３ｘ３日本代表への意気込みをお願いします
自分自身、３ｘ３をするちゃんとした大会が２回目です。最年少ということもありますし、海外の選手が相手ですが思い切ってプレーしたいです。その中で自分の得意なプレーを気持ちよくどんどん出していきたいなという風に思います。