第65回関東大学新人戦 6月4日 東京・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内競技場
1、2年生のみが出場できる関東大学新人戦(新人戦)。高校バスケ界から羽ばたいたルーキーや、普段出場機会の少ない下級生にとっては絶好のアピールの機会となる。6月4日に迎えた初戦の相手は法大。選手層に不安を抱える早大にとって、早くも正念場を迎えた。試合は序盤こそ先行されるものの、第1Q終盤に10-0のランで逆転。その後も安定して二桁のリードを保つと、第3Qには相手のターンオーバーから速攻を連発。リードをさらに広げた。第4Qは疲労による失速で一時12点差まで詰められるも、そのまま逃げ切り勝利。新人戦の初戦を白星で飾った。
この試合を通して早大を引っ張ったのはF松本秦(スポ1=京都・洛南)。ファーストプレーでミドルシュートを決め先制すると、その後も3Pシュートやスティールからの速攻など、攻守で獅子奮迅の活躍を見せる。試合は4点ビハインドで迎えた第1Q終盤、ここも早大は松本のバスケットカウントから流れを引き寄せ、G小泉広翔(商2=京都・東山)がファストブレイクから立て続けにシュートを決める。終了間際にはF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)のディフェンスストップからまた松本の3Pシュートが突き刺さり、怒濤(どとう)の4連続得点。10-0のランで逆転し、28-19の9点リードで第1Qを終えた。
第2Qも松本が3Pシュートとバスケットカウントを連続で決めると、G羽鳥景親(創理2=東京・早実)も良いディフェンスから流れを引き寄せる。さらに小泉が1対1を制しシュートを沈めると、その後もG木佐貫凌汰(社1=東京・早実)、F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)の得点を演出する連続アシスト。着実にリードを広げた早大が13点リードで試合を折り返した。

レイアップシュートを放つ松本
後半は開始直後こそ連続得点を許してリードが一桁に縮まったものの、松本が代名詞のコーストトゥコーストでフリースローを獲得。相手に寄りつつある流れを食い止めると、松本とG木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)の連続速攻で再度リードを広げた。その後も木村の3Pシュートや藤山のセカンドチャンスポイントでさらに突き放した早大。72-54で最終Qを迎えた。
第4Qも開幕も松本の3Pシュートが突き刺さり、点差をこの日最大の23点に広げた早大。しかし6人のローテーションで戦う選手達には、疲労の色が見えていた。勝利まであと7分としたところで相手に連続してバスケットカウントを許すと、その後もオフェンスリバウンドを奪われ失点。早大は木佐貫がドライブから得点し対抗するが、リードは後半以降最小となる12点にまで縮まった。しかし嫌な流れを変えたのは、新人戦の主将を務める小泉。相手のディフェンスが整わない間に速攻を決め切り、相手のランを断ち切った。その後はディフェンスを修正すると、松本が着実に得点を重ねてリードを守り切り試合終了。87-74で勝利し、新人戦の初戦を突破した。

3Pシュートを放つ木村
F南川陸斗(文1=京都・東山)とF今村優志(スポ1=東京・東海大高輪台)を欠き、6人のローテーションで戦いながらも勝利をつかみ取った早大。中でもエースの松本は44得点、11リバウンドと圧巻の活躍を見せた。迎える次戦の相手は帝京平成大。関東大学リーグ3部に所属し、昨年の新人戦では早大が大勝した相手であるが、本日の日大戦では24点の差をつける衝撃のアップセットを起こした。留学生を擁するチームのため、インサイドの攻防戦が勝敗を分けるだろう。一戦必勝で新人インカレ(全日本大学新人戦)へ。早大の未来を担う若武者たちが自らの手で全国への切符をつかみ取る。
(記事:石澤直幸 写真:飯塚咲、高津文音)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 28 | 22 | 22 | 15 | 87 |
法大 | 19 | 18 | 17 | 20 | 74 |
◇早大スターティングメンバー◇
#8 G小泉広翔(商2=京都・東山)
#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)
#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)
#24 G木佐貫凌汰(社1=東京・早実)
#32 G木村魁斗(スポ1=茨城・下妻第一)
コメント
小泉広翔(商2=京都・東山)
――本日の試合全体を振り返ってみていかがでしたか
やっぱり出場選手が6人という経験が無くて、どうなるのかなとは思っていたんですけど、やっぱり秦(松本)がチームを勢いづけてくれました。それぞれが自分の役割を果たせていたことが勝ちにつながったんじゃないかと思います。
――メインポイントガードとして試合を作りましたが手応えはいかがですか
速く攻める部分とゆっくりコントロールする部分はしっかり自分の中で緩急をつけることができました。ただもう少し他の人に任せてもよかったのかなと思う部分もあったので、そこは反省点として、明日もう少しうまくやれたらと思います。
―― チームとして速攻が多かったですが意識としては
今年度の新チームが始まって、倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒=東京・早実)が指揮を取るようになってから速いバスケットを早稲田の武器にしようということをおっしゃられてました。新人戦のチームはそれこそ人数は少ないですけど、松本秦と自分を筆頭に常に速攻を仕掛けるよう心がけていました。
――第4Qは少し失速してしまいましたが疲労などはいかがでしたか
松本と自分は特に疲労がありました。それでも20点差あって、倉石さんからも一点でも多く勝てばいいという話でした。失速はしてしまったんですけど、ある程度想定内だったかなと思います。
――その中点差を詰められた中でも小泉選手の速攻から流れを取り戻しました、そこはどうお考えですか
結構ラッキーな部分はあったんですけど、常に走る意識はあったので良かったと思います。
――キャプテンとして迎える本大会ですがこちらに関してはいかがですか
去年は新人インカレの本戦には出られなかったので、練習があまりできない中でも試合を通して成長できているかなと思います。
―― 明日、帝京平成大との一戦ですが意気込みをお願いします
2日目で疲労もあると思うんですが、早稲田らしく、粘り強いプレーから速攻を出して勝ちたいと思います。
松本秦(スポ1=京都・洛南)

――本日の試合全体を振り返っていかがですか
チームとして練習期間が短く、不安な部分はありましたが、高い個の力を良い感じに融合させてチームで勝てたと思います。
――1、2年生の試合ということで、エースとしての役割を果たしていたと思います。意識としてはいかがでしたか
自分がやるという気持ちだったので、それを結果で示せて良かったと思います。
――ジャブステップでギャップを生んでからの3Pシュートが目立ちましたが、こちらを振り返っていかがですか
自分はドライブが警戒されていると思うので、そこを逆手に取りました。3Pシュートも得意なので、自分の得意なことを出し切れたことは良かったと思います。
――40分間フル出場となりましたが疲労などはいかがですか
疲れました(笑)。
――終盤の失速は疲労が原因でしょうか
疲れて、集中力が切れてというところで、第4Qはファウルが来なくなってしまったのでそこは明日改善しないといけないと思います。
――明日の帝京平成大との一戦に向けて意気込みをお願いします
相手は留学生がいて、勢いがあるので自分たちとしてはやりづらいチームです。でもやることは変わらずに自分たちのバスケットをすれば結果はついてくると思うので、明日も頑張りたいと思います。