最終盤にまでもつれた激闘 中大に惜敗し、7位決定戦へ

男子バスケットボール

第74回関東大学選手権 5月3日 東京・代々木第二体育館

 前回王者の日体大に敗戦し、順位決定戦に回ることとなった早大。関東大学選手権(スプリングトーナメント)4戦目となる本日は中大と対決した。試合は第1Qからオフェンスリバウンドを許し、0-14のランで幕を開ける。それでも第2Qにディフェンスを改善すると、 F松本秦(スポ1=京都・洛南)の連続3Pシュートが決まり逆転に成功した。後半は互いに譲らない一進一退の攻防戦が続く。ワンポゼッション差でクラッチタイムを迎えたが、ここで痛恨の連続3Pシュートを被弾。勝負どころで勝ちきれず、中大に悔しい敗戦を喫した。

 第1Q、いきなり相手のオフェンスリバウンドから失点すると、その後もリバウンドを取り切れない。オフェンスでもターンオーバーを連発し、試合開始から4分間で0-14のランを許す最悪の立ち上がりとなった。なんとか立て直したい早大はF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)がバスケットカウントを獲得し初得点。ディフェンスでもリバウンドを改善したが、ターンオーバーが続き点差は詰りきらず。11-21の10点ビハインドで第1Qを終えた。

 続く第2Qは早大がディフェンスで流れをつかむ。G城戸賢心(スポ3=福岡第一)がスティールから速攻で得点すると、G高田和幸(商4=京都・洛南)と松本も連続して相手のオフェンスをくい止める。徐々に点差を詰めた早大は、松本の連続3Pシュートと堀副将の速攻でついに逆転に成功。32-31の1点リード試合を折り返した。前日の試合を40分間フル出場したエース・G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)は前半0得点に終わり、後半に巻き返しを誓う。

ボールを保持する堀

 迎えた後半、松本のオフェンスリバウンドから岩屋主将が初得点となる3Pシュートを沈める。さらに松本にもリバウンドからコーストトゥコーストでのバスケットカウントが飛び出し、早大が流れに乗るかと思われた。しかし中大にキックアウトからオープンでの3Pシュートを許すと、懸命なディフェンスを無に返すオフェンスリバウンドから失点。中大にペースの試合展開が続いていき、50-54で第3Qを終えた。

 第4Q、松本と堀副将の得点で追いついた早大だったが、松本が連続でファウルを犯し、痛恨の4ファウル。ここまで攻守で活躍を見せていた松本であったが、この試合再びコートに戻ることはなかった。それでもF三浦健一(スポ3=京都・洛南)がインサイドで得点を重ね、必死にくらいつく早大。互いに一歩も譲らないまま、試合はクラッチタイムを迎えた。2点ビハインドの残り2分、堀副将がドライブで相手を引きつけると、キックアウトからG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)から3Pシュートを成功。しかし直後に中大が連続で3Pシュートを決め返し、5点ビハインドとなった早大はたまらずタイムアウトを請求した。タイムアウト明けは三浦がオフェンスリバウンドから得点するが、直後に中大の坂口大和(3年)1on1を堀副将が止めきれず失点。連戦の疲労もたたった早大が激闘の末、66-71で敗戦した。

フリースローを放つ松本

 クラッチタイムで勝ちきれず、熱戦を落とした早大。試合を終えた選手たちの姿には連戦の疲労が表れているように見えた。次戦はついにスプリングトーナメントの最終戦。相手は因縁の好敵手、青学大だ。昨年は計4試合を戦い、戦績は3勝1敗。全日本大学選手権では早大が劇的な逆転勝利を収めており、青学大は目の色を変えて戦ってくるだろう。互いに今年1部復帰を果たした古豪同士の対決。明日こそ勝利をつかみ取り、最後は笑って聖地を後にしよう。

(記事:石澤直幸 写真:高津文音)

第74回関東学生選手権 5月3日(vs中央大)

 1Q2Q3Q4Q合計
早大1121181666
中央大2110231771

◇早大スターティングメンバー◇

#4 G城戸賢心(スポ3=福岡第一)

#5 F堀陽稀(スポ4=京都・東山)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)

#18 G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)

コメント

三浦健一(スポ3=京都・洛南)

――今日の試合を振り返ってみてどうでしたか

 点数で見たら自分たちはあまりとれなかったです。毎試合毎試合80点を目標にしてたんですけど、そこでオフェンスを停滞させてしまったのがよくなかったのかなと思います。

――終盤にドライブ、ポストプレーで得点を重ねたが感触としてはいかがでしたか

 本来だったらもっと長い時間コートにいないといけないと思うんですけど、前半にファールを積んでしまって、そこを自分でコントロールしきれなかったところが反省点としてあります。外のシュートも全体的に少なくて、もっと打っていいよとも言われていたんですけど、どうしても中が後半空いたので行けた部分も多かったんです。そこをうまくバランスとりながら、外ももうちょっと打てたらよかったのかなと今振り返って思います。

――スイッチから相手ハンドラーと対峙する機会が多いですが意識していることはありますか

 やっぱりスイッチしている分、身長が小さい人が大きい人につく場面が多くなると思います。でも自分の場合は両方ともある程度つくことができるので、そこで自分の良さを生かしたいです。後手にならずに、自分から仕掛けてうまく誘導してタフなシュートを打たせるようにはいつも意識しています。

――チーム全体で3Pの被投数が多かったですがこちらについてはどう考えていますか

 相手のやりたいバスケットをやられたという印象が強かったし、前半にあのようなスタートを切ってしまうと、追い上げるとなった時に多分しんどいと思うので、切り替えるとなったらやっぱり出だしのところが、重々わかってはいたんですけどそれでもやられてしまった部分はあったので、そこは詰めの甘さと疲労もあるんですけど、関係あるのかなと思います。

――試合が開始してすぐ相手にランを作られましたが、その時の気持ちとしてはどうでしたか

 我慢がどうしても必要だったので、自分たちが我慢すれば自分たちのペースでやれる時間帯が来るから。そこは慌てずにやろうとは思っていたんですけど、いい流れというのがどうしても持ってくるまでに時間がかかってしまいました。それで後半追い上げたものの離しきれず、相手の方が勝負どころで決めてきたので、そこは魂で負けたのかなと思っています。

――スプリングトーナメント最終戦、明日の意気込みを教えてください

 どちらにしろこれから一部で試合をするので、それはやっぱり試合をやるからには勝たないといけないです。最終日で疲労もあると思うんですけど、自分たちがしっかり得るものを得られて、今までの4試合をいいものに変えて明日全部出し切れるくらいの気持ちで、勝って終われるようにしたいなと思います。

松本秦(スポ1=京都・洛南)

――本日の試合を振り返っていかがですか

 チームに入ってから2カ月ほどで、自分自身初めての公式戦でした。緊張もあり最初は良いプレーができませんでしたが、勝負の中でゲーム感が生まれていって、自分の持ち味である3Pシュートを決められたのは良かったと思います。

――今大会はここまで調子の良い日と悪い日が交互に続いているように思いますが、ここまでの大会全体をどのように振り返りますか

 波が激しいというのが自分の良くないところで、今日みたいに良いプレーができるとチームに貢献できるのですが、逆に悪い時はマイナスのことが起こってしまっていると思います。そこが自分の課題だと思います。

――印象的なプレーであったコーストトゥコーストを振り返っていかがですか

 自分はこの身長でボールプッシュをしてレイアップまでいけることを武器にしているので、その武器を出せたことは良かったと思います。

――アウトサイドでもインサイドでも良いディフェンスを見せました

 この身長だと将来的に活躍するにはガードの選手もマッチアップしないといけないので、そこを自分としては課題にしてきました。それが1部のチームを相手にできたことは自信に繋がったと思います。

――チーム全体では相手に18本のオフェンスリバウンドを許しましたがこちらに関してはいかがですか

 どれだけ良いディフェンスをしていてもオフェンスリバウンドを取られてしまうと全部相手に持っていかれるので、セカンドチャンスを相手に許してしまったことが自分たちの流れを持って来れなかった要因だと思います。

――第4Qに4つ目のファウルを犯してからプレータイムがありませんでしたが振り返っていかがですか

 チームとしてもあの時間帯は自分が貴重な存在だったと思いますが、立て続けに2回ファウルをしてしまいました。そこから試合に出れず、結果負けたことは自分の責任だと思います。

――スプリングトーナメント最終戦、明日への意気込みをお願いします

 自分がまだ出し切れていない持ち味があるので、最後は最大限発揮したいと思います。