高かった王者の壁 善戦するも日体大に敗れ、順位決定戦に回る

男子バスケットボール

第74回関東大学選手権 5月2日 東京・代々木第二体育館

 筑波大との激闘を制し、ベスト8進出を決めた早大。準々決勝は2連覇中の王者、日体大に立ち向かった。試合は序盤こそ3Pシュートを連発し先制するも、相手の速攻や高精度な外角のシュートがさく裂。第1Qで12点のビハインドを背負った。終盤に反撃した早大であったが、要所でリバウンドを取られて差が縮まらない。奮闘を見せたものの、逆転は叶わず79-91で試合終了。早大は順位決定戦へ回ることになった。

 強敵相手の試合だったが、先制したのは早大。F堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)がピック&ポップから3Pシュートを決めると、G岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)も続いて6点を先制した。しかしその後は外のシュートがなかなか入らず、日体大の連続3Pシュートとバスケットカウントで逆転を許す。早大もG城戸賢心(スポ3=福岡第一)やF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)が応戦するが、止まることの無い日体大の長距離砲。12点のビハインドを背負い第1Qを終えた。

 第2Qもビハインドの展開。相手の速攻とオフェンスリバウンドに苦しみ、じわじわ点差を離されていく。早大はG下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)とF三浦健一(スポ3=京都・洛南)の3Pシュートでくらいつくも、第2Q残り3分にはビハインドが22点にまで広がった。しかし早大の反撃はここから。下山のスティールから三浦が速攻を決めると、堀副将もバスケットカウントで続く。ラストポゼッションでは城戸が相手ハンドラーのターンオーバーを誘発すると、下山の3Pシュートがリングを射貫いた。スコアを41ー52とし、11点差まで巻き返した早大。後半戦へなんとか望みをつないだ。

ボールを保持する下山

 第3Q、開始早々に相手の連続得点を許すものの、堀副将が連続してバスケットカウントと3Pシュートを成功。3ポゼッション差まで縮めたが、その後は互いに譲らない攻防戦が続いた。早大はテンポの速いオフェンスを仕掛けるが、対する日体大も速攻から得点。城戸のスティールやオフェンスリバウンドで一時は流れをつかんだものの、結局点差は11点で変わらず。残された時間は10分となった。

 逆転を狙う最終第4Qだったが、相手の激しさを増すディフェンスを前になかなかチャンスを作れない。岩屋主将がフリースローで繋ぐものの、3Pシュートや速攻を決めきれない展開が続いた。相手の背中を捉えられないまま刻々と時間はすぎていき、残り4分での日体大の3連続得点が決定打。第4Qは岩屋主将が一人気を吐き12得点を挙げたものの、第1Qのビハインドが響き79-91で敗戦した。

ドリブルをする三浦

 絶対的留学生を擁する王者にくらいついたものの、金星とはならなかった早大。しかし第2Q以降は互角の戦いを見せたこともあり、選手たちは確かな手ごたえを感じていた。ここからは順位決定戦に回り、次戦は中大と激突する。関東1部、そしてオール日本人のチーム同士の対決ということもあり、絶対に負けられない一戦だ。昨年は順位決定戦で2連敗を喫した早大は、今年こそリベンジを誓う。進化を示す1勝で、春の代々木に確かな爪痕を残したい。

(記事 石澤直幸 写真 権藤彩乃)

第74回関東学生選手権 5月2日(vs日体大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2021221679
日体大3220221791

◇早大スターティングメンバー◇

#4 G城戸賢心(スポ3=福岡第一)

#5 F堀陽稀(スポ4=京都・東山)

#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)

#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)

#18 G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)

 

堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)

ーー惜しくも敗戦となりましたが、今回の試合を振り返ってみていかがですか

日体大が1部リーグの上位4チームくらいの強いチームになると思うんですけど、その日体大相手でも通用した部分がいっぱいあったので、負けてしまったけどあまり重く捉えず、秋に向けて良いゲームになったと思っています。

ーーチーム全体としても、堀選手個人でもスリーポイントの得点が多かったですが、そこは意識していましたか

(意識して)打っていたというよりは、打たされていたシュートが多かったです。キックアウトからのスリーではなくて、パスを回して、スリーのような単調な攻撃になってしまっていたので、アタックするところはアタックして。後半はそれができていたので、良い流れが来たんじゃないかなと思います。

ーー昨日に続いてチーム最多のリバウンド数でした

もうね、仕方ないですね(笑)。取らなしゃあない。特に意識はせず、(ボールが)飛んできたら取るくらいの感じでした。

ーー留学生とのマッチアップについては

まぁ、やりづらいなぁっていう。ディフェンスは、ゴール下に行かれたら終わりなので、その前に体をしっかり当てるというのを意識していました。オフェンスは、自分起点でズレを作って攻めることができたと思います。

ーー順位決定戦への意気込みをお願いします

勝つことはもちろんやけど、課題の改善と、良いところをしっかり出して、秋に向けて良い試合ができるように頑張ります。

藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)

ーー本日の試合を振り返っての感想をお願いします

今日は相手のインサイドに留学生のコネ(コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード)がいて、僕らはサイズがないのでそこで結構やられれてしまったイメージがあります。それでも点数は取れていたので、次の試合はいけるという気がしました。

ーーコネ選手とのマッチアップを振り返っていかがですか

身長があって、スキルがあって、フェイダウェイを決めてくるなど他の学生に比べて器用なところがありました。なるべく思うようにプレーさせないように意識してやっていました。

ーーオフェンス面では3Pシュートを決めましたがいかがでしたか

1本しか決めていないんですけど、相手が下がってくれていたので思い切って打ちました。

ーーチーム全体で3Pシュートが多かったですが、事前の話はありましたか

昨日の明星大戦で思い切って3Pシュートを打てということを監督から言われていて、日体大さんもそんなに詰めてくるスタイルじゃなかったのでみんなで思い切って打ちました。

ーー順位決定戦への意気込みをお願いします

インサイドを頑張ってチームに貢献できるようにしたいです。