第74回関東大学選手権 4月30日 東京・大田区総合体育館
関東一の大学を決める関東大学選手権(スプリングトーナメント)が開幕した。4月30日に初戦を迎えた早大の相手は明星大。昨年のリーグ戦で敗北を喫した相手であり、雪辱を果たすためのリベンジマッチとなった。試合は第1Qからビハインドの展開。その後も点差を縮められず、3ポゼッション差前後のビハインドで試合は推移した。8点差で迎えた第4Q、追い込まれた早大はディフェンスを立て直し、18-0のランで一気に逆転。土壇場で底力を発揮した早大がスプリングトーナメント初戦を逆転勝利で飾った。
試合序盤、ファーストプレーこそG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)が相手のお株を奪う1on1からのミドルシュートで得点するものの、その後はシュートを決めきれない苦しい展開。ディフェンスでも明星大のドライブとキックアウトからの3Pシュートに苦しみ、第1Qを6点ビハインドで終えた。修正したい第2Q、F三浦健一(スポ3=京都・洛南)のブロックショットや前からのディフェンスでターンオーバーを誘発し、試合の流れは徐々に早大に傾く。第2Q残り6分にはG高田和幸(商4=京都・洛南)の3Pシュートが飛び出し、点差を1点にまで縮めた。しかしその後早大は攻守にミスを連発し、再度点差を広げられる。高田とF松本秦(スポ1=京都・洛南)が3Pシュートを決めるも、明星大も3Pシュートを決め返してなかなか点差が縮まらない展開。留まることない相手の勢いに押され続け、36-44の8点ビハインドで試合を折り返した。

ドライブを仕掛ける岩屋主将
後半は岩屋主将の3Pシュートで幕を開ける。だが速攻のフィニッシュでのミスが続いて差を縮められずにいると、今度は相手の速攻がさく裂。点差はこの試合最大の12点に広がった。これ以上離されたくない早大は高田の3PシュートやF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)、松本の速攻で反撃。なんとか5点差に戻したが、第3Q終了間際に明星大が3Pシュートを成功。8点ビハインドで最終第4Qを迎えた。崖っぷちに立たされた早大であったが、ここから逆襲が始まる。G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)がミドルと3Pシュートで点差を縮めると、「気持ちが出ていた」(高田)と振り返るチームディフェンスでスティールを連発。ついに明星大の背中を捉えた早大は試合時間残り6分、オフェンスリバウンドから三浦の得点でついに逆転に成功した。脅威的なディフェンス力で第4Q開始から約6分半、明星大の攻撃を完全にシャットアウト。18-0のランで一気に試合をひっくり返した。その後もリードを守り切り、78-70で試合終了。常にリードを許す苦しい試合展開であったが、劇的な逆転勝利を収めた。

ボールを保持する三浦
大苦戦の末初戦を突破した早大。昨年の敗戦を思い出させるゲーム展開であったが、それを乗り越えたのはチームの成長だと言えるだろう。次戦の相手は筑波大。埼工大との初戦では20点差の快勝を収め、中でも注目のルーキー・髙田将吾は早くもオールラウンドな活躍を見せた。厳しいゲーム展開が予想されるが、本日のような粘り強さでベスト8をつかみ取りたい。
(記事:石澤直幸 写真:高津文音、牧咲良)
第74回関東学生選手権 4月30日(vs明星大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 15 | 21 | 20 | 22 | 78 |
明星大 | 21 | 23 | 20 | 6 | 70 |
◇早大スターティングメンバー◇
#4 G城戸賢心(スポ3=福岡第一)
#5 F堀陽稀(スポ4=京都・東山)
#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)
#9 F藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)
#18 G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)
コメント
G高田和幸(商4=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか
相手のプレースタイル的にうちと似ているところがあって、それでも早稲田のペースでやろうと最初話し合ってはいました。試合が始まってみるとやっぱり初戦のぐだぐだ感というか、そういうのが抜けなかったです。それがなかなか締まることなく、最終クオーターまでもつれてしまったのは直さないといけない課題だと思いました。その一方で、最後の第4Qはしっかり修正した上で自分たちのバスケットボールをすることができました。勝ちに繋げられたのでそこは今日唯一良かったところかなと思います。
――3Pが好調でしたが感触はいかがでしたか
あまり入る気はしていなかったんですが、思い切り打てというのは常に言われていました。それを意識して打ったら入ってくれたので良かったと思います。
――第4QでDFを改善させましたがどのような指示がありましたか
これといった指示は特になくて、みんなの中で焦りというか、ちゃんとやらなきゃいけないなという気持ちが最後ちゃんと出ていたと思います。やるべきことをちゃんとやりきって、例えばディフェンスを頑張ってすぐ走るみたいな、自分たちがやりたいバスケを体現して勢いに乗れたからこそ、あのような結果に繋がったと思います。
――第4Qまでは終始明星大ペースでしたが心境はどうでしたか
去年のリーグの2巡目も同じ相手に同じように負けました。心の中で最後どうせ勝てるだろうという甘い気持ちがあって去年は負けたので、4年生になった今、ベンチからしっかり声かけをしてチームを締められるよう意識しました。焦りはあったんですがちゃんとやるべきことをやり続けて、最後なんとか勝てたので良かったかなと思います。
――背番号を変更した理由を教えてください
高校で14番をつけていたのですが、大学に入ったときは一つ上の小野功稀(令6社卒=新潟・開志国際)さんがつけていたのでつけれませんでした。もともとは洛南高出身の辻直人さん(群馬)に憧れて高校の時は14をつけていました。辻さんが群馬に移籍したときに背番号を3に変えたので、3番でいいかなと思って付けていたのが今までです。先輩が引退して14番が空いたので、最後だしせっかくだからと思って14番をつけたいと言ったらいいよと言われたのでこうなりました。
――筑波大戦の意気込みをお願いします
筑波大はどちらかというと自分たちより高いレベルでやってきた選手が多いです。そういった点で自分たちより少しずつ上手い、いい選手が多いというイメージがあります。それでも自分たちが戦えるところはたくさんあって、今日の試合の最後に出した早稲田らしさを出したら勝てるの思うので、そこをもう一度徹底して勝ちたいと思います。
G下山瑛司(スポ3=愛知・中部第一)

――試合全体を振り返っていかがですか
最後のクオーターまで相手のペースに自分たちが合わせてしまっていたので、そこは第1Qの出だしから自分たちがやりたいバスケをやっていかないと勝ってはいけないかなと思いました。
――苦戦を強いられましたが、明星大に対する印象はどうですか
去年のリーグで負けている相手で、相手のペースでやられたら危ないだろうなという印象はあったのですが、そのままの印象で今日のゲームは進んでいったかなと思います。
――素早いボールプッシュでズレを作りましたが手応えはいかがですか
自分の強みはそこだと思います。もっとドライブの勢いだったり、パスの精度を上げないといけないと思うので、そこは反省するところかなと思います。
――シュートタッチも好調でしたが感触はいかがでしょうか
自分的にはまだ感覚的なものが合ってなかったのですが、今までシューティングは結構してたのでそこは自信をもって思い切り打ちました。
――第4Qにディフェンスを大きく改善しましたが、その要因はいかがでしょうか
ディフェンスでのコミュニケーションとかヘルプの速さとか、あとはディフレクションとかスティールとか4Q目で増えていけたのはよかったと思います。
――次戦、筑波大戦への意気込みをお願いします
今日の課題でもあるようにフレームの入り方など、最初に自分たちのペースでもっていけるようにしっかりアップから声を出して、今日の第4Qのような試合をできるように頑張ります。