再延長に及ぶ激闘の末、神戸医療未来大に勝利! 予選リーグを突破し本戦へ

男子バスケットボール

 12月2日に開幕した全日本大学選手権(インカレ)。早大はトーナメント進出がかかる予選リーグの2戦目で神戸医療未来大と対戦した。予選リーグは3校のうち1位のみが本戦へ出場できる。早大は1戦目で東海大九州に27点差をつけて勝利し、神戸医療未来大は1戦目で東海大九州に3点差で敗れたため、本戦出場に有利な状態で2戦目を迎えた。前半は相手にリードされ、13点ビハインドで後半へ。第3Qから早大が追い上げて接戦となり、勝負は延長戦にもつれこむ。延長戦残り2秒、2点ビハインドの場面、F星川堅信(スポ4=京都・洛南)が起死回生のブザービーターを決め切り、再延長戦へ突入。星川のシュートで勢いに乗った早大が逃げ切り、トーナメント進出を決めた。

 試合は星川の鮮やかなスリーポイントで幕を開けた。さらにG堀陽稀(スポ2=京都・東山)、G城戸賢心(スポ1=福岡第一)が得点し、スタートダッシュに成功する。神戸医療未来大のタイムアウト後もG高田和幸(商2=京都・洛南)がスリーポイントを沈め、星川が留学生選手を相手に1対1から得点。18-10とリードしたが、第1Q中盤から相手の留学生選手のリバウンドからの得点を中心に追い上げられ、逆転を許す。2点ビハインドで迎えた第2Q、早大のシュートが落ち始め、相手のスリーポイントで一気に点差を離される。早大も星川、G下山瑛司(スポ1=愛知・中部第一)のスリーポイントで対抗するが、相手のスリーポイントが止まらず点差は縮まらない。前半を37-50で折り返した。

レイアップシュートを打つ堀

 勝負の後半戦、開始早々に堀、城戸のスリーポイントが決まり、点差は1桁に。さらに星川が連続得点し、早大が流れをつかむ。第3Q終盤、F三浦健一(スポ1=京都・洛南)が執念のバスケットカウントを決め、下山のフリースローでついに逆転に成功。2点を返され、1点差で最終第4Qへ。相手の3連続得点を許し出遅れるが、G堀田尚秀(スポ2=京都・東山)のスリーポイント、堀のバスケットカウントで追いつき、早大も譲らない。第4Qでは決着がつかず、勝負は5分の延長線へもつれこんだ。延長戦でも一進一退の戦いが続く。試合時間残りわずか、同点の場面、神戸医療未来大がシュートをねじこんだ。残りは2.2秒、早大はタイムアウトを要求。ハーフコートから早大のスローインで再スタート。星川がパスを受け取り、ハイポストから振り向きざまに打ったシュートはゴールに吸い込まれた。星川が同点弾を決める意地を見せ、再延長戦へ。星川のシュートで早大が勢いに乗り、三浦のスリーポイントやG岩屋頼(スポ2=京都・洛南)の速攻で得点を重ねる。相手の追い上げを振り切り、94-91で試合終了。最後まで粘り強く戦った早大が再延長に及ぶ接戦を勝ち切った。

スリーポイントを打つ星川

 昨年は予選リーグで敗退し悔しい思いをした早大。今年は50分にわたる激闘を制し、見事本戦進出を決めた。この試合のキーマンとなったエース星川は「リーグ戦(関東大学リーグ戦)終盤の重圧も今は無く、普段通りシュートを打てた」と振り返る。次戦の相手は関西2位の実力を誇る京都産業大。接戦を制した勢いのまま、強敵撃破なるか。今こそ『インカレに強い早稲田』をもう一度証明する時だ。

(記事 権藤彩乃、写真 濵嶋彩加)

第75回全日本大学選手権 12月6日(vs神戸医療未来大)
   1Q 2Q 3Q 4Q OT OT 合計

早大

20 17 21 16 10 10 94
神戸医療未来大 22 28 15 10 91

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商2=京都・洛南)

G#4 城戸賢心(スポ1=福岡第一)

G#5 堀陽稀(スポ2=京都・東山)

F#13 星川堅信(スポ4=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ2=京都・洛南)

コメント

F星川堅信(スポ4=京都・洛南)

――接戦を制しましたが、今のお気持ちは

うれしいです。勝つことにスポーツのおもしろみがあるなと感じました。

――1回目の延長戦、残り2秒の場面で同点弾を決めました。その時の心境は

あまり意識がないというか、あと「2.2秒だ」ってコートに入って、無心でプレーして、気づいたら入っていたという感じです。良かった、入って。

――相手に対して苦戦した部分は

リバウンドの部分は、最後は頑張れましたけど、最初はちょっとやられてしまいました。やっぱりリバウンドを取られるようになってしまうと、相手のシューター陣が「シュートを外してもリバウンド取ってくれるわ」って気楽に(シュート)を打てちゃって、それでスリーも入って、という感じでリバウンドから崩されはじめてしまいました。それをハーフとか、クオーター終わりとか、試合中に「リバウンド」「ノースリー」って言いながら、頑張れました。ダブルオーバータイムになったけど、終盤のゲームの終え方はミスが多かったし、チームのシュートで終えられてない場面が何個かありました。そういうのをちゃんとやっていかないと、この先1回ミスしたところを相手につかれて負けるっていうのがあると思うから、次の試合から気を付けていきたいです。

――ご自身のプレーについて振り返っていかがですか

思い切り良くシュートを打てました。リーグ戦終盤の重圧も今は無いし、普段通りシュートを打てたのでそこは良かったです。

――次戦への意気込みをお願いします

明日の京産大も留学生がいて、僕らは日本人だけで小さいし、今日みたいに最初にリードしてから失速してしまうバスケットだと勝率は低くなると思うので、リバウンドとディフェンスのところをちゃんとやりながら、自分たちのペースでシュートを打って、良い時間長くして、悪い時間短くしたいです。今日勝てて勢い出てくると思うので、明日も出だしから勢いに乗って頑張ります。

F三浦健一(スポ1=京都・洛南)

――接戦を制しましたが今のお気持ちはいかがですか

 勝てたのは良かったのですが、もう少し楽に勝てた試合だったのかなと思います。

――第2Qでは点差をつけられましたが、相手に対して苦戦した部分はどこでしたか

 相手のシュートが当たっていて、それにアジャストすることが出来なくて、相手の抑えるべきところを抑えられなかったところかなと思います。

――そのあと追い上げることが出来た要因は何でしたか

 留学生を軸にして攻撃してくるチームだったので、そこを頑張って我慢して抑えようという話はしていて、それが後半は上手く抑えることが出来たので、失点を減らすことにつながったのかなと思います。

――再延長戦までもつれ込みましたが、どんな気持ちで戦っていましたか

 自分は全然シュートが入らなくて悩んでいたのですが、そのままうち続けろとベンチから言われて、最後気持ちが強い方が勝つと思ったので、そこは負けずに絶対に勝とうというふうに思ってやりました。

――試合を通してご自身のプレーを振り返っていかがですか

 それは全然だったので、また明日試合あるので、切り替えて頑張って勝ちたいと思います。

――次戦、京産大戦への意気込みをお願いします

 今日は接戦で勝ち切れたのは良かったのですが、内容としては勝ったことだけが良くてそれ以外は良くもなかったので、明日はしっかり修正して、出だしから早稲田らしいバスケが出来たらなと思います。