【連載】インカレ直前特集『BELIEVE』 第2回 石坂悠月×高田和幸

男子バスケットボール

 第2回に登場するのはF石坂悠月(スポ3=東京・国学院久我山)とG高田和幸(商2=京都・洛南)の愛知出身コンビ。関東大学リーグ戦(リーグ戦)では限られた出場時間の中でも確かな存在感を放った2人に、リーグ戦の振り返りや全日本大学選手権(インカレ)への思いについて語ってもらった。

※この取材は11月19日に行われたものです。

お互いの紹介

スリーポイントを打つ高田

――他己紹介をお願いします。

石坂 この子は、2年の高田和幸くんです。バスケの面では基本シューターの枠で、いつも試合に絡んでいて、去年の入れ替え戦とか、今年のリーグ戦(関東大学リーグ戦)とか、本当にチームの危機を何回も救ってくれている貴重な存在です。インカレ(全日本大学選手権)でも、苦しい時間とかあると思うから、そういう時にぜひ、助けてください。

高田 3年のスポーツ科学部出身!あ、出身じゃない、スポーツ科学部の石坂悠月です。同じ愛知県出身で、中学の頃に1回試合をした気がします。

石坂・高田 僕が勝ちました!

高田 僕が勝ちました。

石坂 いや、僕が勝ったっすね。

――何年生の頃ですか

高田 (自分が)2、(石坂選手が)3です。なんかでっかいのがいるなと思いました。あとは、えーっと、ちょっと…

石坂 え、悪口言おうとした。

高田 抜けてる人なんですけど、優しいです。(自分が)これだけ適当でも何も言われないので。よく言ったら優しい先輩です。今年は去年より体張って頑張ってるんじゃないかなって思います。

――初対面は中学の頃ですか

高田 クラブチームで試合したのもあるし。一方的に知ってたのは、アンダー15の代表の合宿に行った時に、たまたま僕が14の方で呼んでもらって、その時に15の方が先に練習してて。その時愛知が多くて、先輩が5、6人ぐらいいて。悠月さん以外の 他の愛知の人はみんな選抜で一緒にやってたからそこそこ仲良くて知ってるんだけど、1人変な人おって!

石坂 俺だけ選抜じゃないからな。気まずかったし。

高田 そう。元々ちょっと知ってはいて、高校どこに行ったかまでは知らんくて。

石坂 強豪校・久我山です。

高田 高校の全国でも見ることなかったから…。あ! 国体。国体でも見たわ。高1と、(石坂選手が)早生まれやから、高2で国体に出ていて、東京の試合見ようって思ったら、なんか4番着けたでっかいやつがおって。

石坂 キャプテンだから。

高田 ちょくちょく知ってたけど、仲良くはなかったです。

石坂 話したことなかった。

――その時の印象は覚えていますか

高田 知らんよな! 1個下だし。

石坂 あんまり1個下は分かんなかったから。でも、大学に入学してきた時に、一方的に「ファンです」みたいな。

高田 おい、ちげえよ!

石坂 (そういうふうに)来てくれたから、「あ、いいよいいよ」って。

――ファンだったんですか

高田 全然。知ってるだけです。

――今の印象は

石坂 なめ腐ってるなって。今でもだけど。でも、嫌ななめ方じゃなくて…。ああ、こんなこと言わんほうが良いな。

高田 調子乗る(笑)!

石坂 嫌になる接し方じゃないから、別にそこは可愛いなと思いつつ…。

高田 調子に乗ります。

――各学年のカラーはどのように見ていますか

石坂 2年生は自由。いい意味でね。

――バランスが取れている、という話を聞きました

高田 どうだろう。スタッフがしっかりしてるからな。コーチ、吉祥啓汰(政経2=東京・早実)とかしっかりしてるから。選手は、責任感がないってよく言われるほど…。

石坂 好きなようにやってるよね。

高田 今まで、なんとなくでうまくいってきたっていうか。高校がそんな感じだったから…。責任感がないとは言われます。

石坂 俺たちは何?

高田 3年は、ちょっとネガティブ。僕ら2年は結構楽観的に物事を考える人が多くて、3年は悲観的。

石坂 考え過ぎちゃうね。

高田 考え過ぎて、どっちもいい面、悪い面あると思うんやけど、3年は考えすぎて落ち込みすぎたり。

石坂 真面目。

高田 大きい問題があっても、俺ら、2年は「なんとかなるっしょ」みたいな。まあ、それが「責任感がない」って言われています。

リーグ戦の振り返り

シュートを打つ石坂

――リーグ戦ではどのような課題が見つかりましたか

石坂 今年は去年と比べて、勝ち切れる試合を自分たちのミスで、全部なくしちゃったイメージです。去年は先輩が、しっかりしてたっていうのもあるから、我慢するところも我慢できた時間が多くて。でも、今年は、僕たちの責任だけど、チームがあんまり一つになりきれてなかった時期が多かったです。「チーム状況をよくしよう」とインカレ出場が決まってからなっているので、それは来年も続けていければ良いと思います。

高田 やっぱり「責任感ない」って言われ続けて、でも「どこかで帳尻合わせればいいやろ」みたいな、「最後はどうにかなるやろ」っていう考え方が、特に僕ら2年生は強くて。試合に出て、解決すべき問題を解決せずに、ずるずる引きずってしまいました。一つ一つ潰していけば、 改善してたであろう点も、そのまま特に何もせず。そういうところが、勝ち切るところで勝ち切れない点などに出てしまったなって。問題を見て見ぬふりしていた期間が長かったから、そこをやっぱり無くしていきたいです。

――個人的な部分はどうですか

高田 目に見えるところで、去年よりはプレータイムが減っていて。去年も自分がなんでそんなに試合に出たかはあんまり分かってなかったんですが、今年も自分の役割を最初はあんまりはっきりできませんでした。シーズンを通して、スプリング(関東大学選手権)は最初だったのでなんとかなったけど、新人戦(関東大学新人戦、全日本大学新人戦)とか試合を重ねて、去年よりもスカウティングされて。(自分に対する)プレーが厳しくなって、対応できず、あんまり何もできずに終わっちゃったなっていう感じです。

石坂 去年に比べて、ビッグマンが少ないので体を張るのはもちろんなんですが、ディフェンスの部分で、前半は大きく貢献できたのかなって。でも、後半はちょっとプレータイムが少なくなっちゃったので、その分インカレで頑張ろうかなと思っています。

――リーグ戦を通して、チームとして成長した部分、良かったところはどこですか

高田 オフコート、オンコートにかかわらず、プレーについて話す機会が増えたかな。フリースローのたびに、みんなで集まってハドルを組んで話したり。去年はあんまり意識的にはしてなくて、今年はみんな気づいたら呼んで話して、「次何しよう」とか、「ここ、こうしよう」っていうのを話し合って、意識して取り組めたところは、今年の成長したところです。それが癖になって、シーズン後半は、意識せずにできていました。

石坂 基本的には、同じです。やっぱり、1、2年生が主体性を持って頑張ってくれたから、プレー面でも、練習でも、本当に助かった 部分です。あとは、もうちょっと上級生がしっかりして、声をかけられたらいいのかなと思います。

高田 ホントだよ!

石坂 (笑)。

――リーグ戦で印象に残ってる試合があれば教えてください

高田 水戸で3日間あった最終日です。ずっとスタメンで 出してもらってたけど、1日目、2日目は特に何もできずで終わっていて。3日目は、「スタートじゃないかな」ってちょっと思ってたけど、そのまま使ってもらえて。「変わらずシュート打っていこう」と思ってたら、最初からよく入ってくれたんで。で、そのままチームの雰囲気もよく勝ち切れました。あんまりよくない印象が残っているのは、やっぱり拓殖かな。2巡目の筑波でやった拓殖戦が、その試合も ずっとスタートで使ってもらったし、20分25分ぐらい結構長めに出してもらったんだけど、シュートがとことん入らなくて。8分の0とか、1本も入らなくて。試合をやっている感じも、自分のスリーが入っていれば流れに乗れたし…。外し続けたから、ちょっと良くない印象に残ってるのは、その試合です。

石坂 いい意味でも、悪い意味でも、2巡目の山梨学院です。いい意味っていうのは、プレータイムをもらえていなかった時に、久しぶりに試合に出て、時間が少なかった割には結構いい結果を残したので。でもやっぱり、結果は負けだったから。落とせない試合だったし、 最後の時間、勝ち切ることができなかったっていう意味でも、その試合が印象に残っています。

――2部降格を受けて、チームで話したことは何がありますか

高田 何話したっけな、いろいろ話し過ぎて。

石坂 学年ごとに話すことが多くて。僕、3年生なので、来年、最上級生になるわけだから、後輩たちのためにも、自分たちのためにも、やっぱり1部昇格をしないといけないから、もっと覚悟決めて頑張ろうねっていう話を今日まで何回もしてきました。

高田 まあまあ、落ち込んではいたので、最初はちょっと脱力感もあったし、 あんまりよくなかったんですが、来シーズン、覚悟を持ってやるべきっていうのはもちろんある上で、2部降格が決まってから、今シーズンをどうやって終えるかという話をしました。4年生がずっと頑張ってきてくれたから「4年生に最後までついていこう」みたいな。リーグ戦の中央戦も、もしかしたら最後の試合になるかもしれない状況で、2部降格が決まったからといって適当に終わらせていい試合じゃない。そういうところで、「4年生のためにできることをしよう」っていうのを学年で話して。練習でも試合でも意識して頑張っていました。

インカレに向けて

――インカレに出られると決まった時はどのような気持ちでしたか

高田 うれしかった。うれしかったけど、ふわふわしていたから実感が湧かなくて。個人的には、モチベーションの入れ方が、ちょっと難しかった

石坂 自分たちでつかみ取ったインカレじゃないから、モチベーションが、難しくて。実際、チームの中でも、そんなに気持ちが入りきってないのかなっていう人たちも、しょうがないけどいたから。でも、親とか、OBの方とか、いろんな人が見てくれるわけだし、最後まで全力で頑張ろうかなと思います。

――インカレの組み合わせを見ていかがでしたか

高田 予選を勝ち上がったら、京産大で、京産大は、先輩もいるし、高校の時に練習試合とかをよくしてもらっていたので、いろいろな知り合いがたくさんいてすごく楽しみです。京産に勝ったら東海で、東海に勝ったら(おそらく)日大。もちろん上位チームなので強いですけど、個人個人、チーム的にも良い印象がある相手やから、期待感が上がったというか、すごく楽しみなトーナメントです。予選が分かんないです。神戸医療とか、たぶん結構良い留学生がいてちょっと怖いですが、予選を勝ち上がったら楽しいと思います。

石坂 去年の二の舞にならないように。予選で気を抜かないで頑張れば、あとは、東海と日大。たぶん向こうは「早稲田嫌だな」って多少は思ってると思うから、頑張りたいです。

――最後に、インカレへの意気込みをお願いします

高田 どうぞ。先輩。

石坂 2部降格が決まっちゃって、でも、来年のこともあるので。特に僕たちが来年、最上級生につなげるっていう意味でも、内容がいい試合をしたいし、日頃からの感謝を伝えるって意味でも、全力でやれることをやって頑張ります。

高田 星川さん(堅信、スポ4=京都・洛南)と最後にバスケができるので。星川さんを筆頭に、4年生にたくさんお世話になったので、4年生のために、自分たちの役割を発揮できるように頑張ります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 権藤彩乃、田島璃子)

◆石坂悠月(いしざか・ゆづき)(※写真右)

2003(平15)年3月22日生まれ。193センチ。90キロ。東京・国学院久我山高出身。スポーツ科学部3年。愛知出身の石坂選手。おすすめの愛知グルメはみそ煮込みうどん、手羽先だそうです!

◆高田和幸(たかだ・かずゆき)(※写真左)

2003(平15)年7月24日生まれ。184センチ。79キロ。京都・洛南高出身。商学部2年。石坂選手と同じく愛知出身の高田選手。おすすめの愛知グルメはみそカツだそうです!