2部降格決まる 山梨学院大にまたも惜敗

男子バスケットボール

 早大の2部降格が決まった。1巡目で4点差で敗れた山梨学院大とのリベンジマッチは90ー93の接戦の末、惜敗した。逆転の好機を幾度もつくったが、勝負所でシュートを決めきれず、山梨学院大は序盤に奪ったリードで逃げ切った。この日の結果で早大は1部リーグ13位が確定し、自動降格となった。

 山梨学院大の3点シュートは警戒していたはずだった。しかし、第1クオーター(Q)開始すぐに4連続の3点シュートを浴びると、留学生選手にも立て続けにリバウンドを取られた。早大はF三浦健一(スポ1=京都・洛南)が速い展開の攻撃からドライブで得点して食い下がる。第2Q途中、早大の攻撃にミスが続いたところで山梨学院大が連続得点し、11点差。流れを切りたい早大はタイムアウトを要求。再開後、G城戸賢心(スポ1=福岡第一)のミドルシュート、F石坂悠月(スポ3=東京・国学院久我山)のリバウンドからの連続得点で耐え凌ぎ、44ー51で前半を終えた。

シュートを打つ星川

 第3Qは点差を離されそうな場面で早大の粘り強い守備が光り、終盤まで食らいつく。F堀陽稀(スポ2=京都・東山)の積極的なドライブで6点差まで詰める場面もあった。しかし第3Q残り1分、山梨学院大が3点シュートで畳み掛け、63ー75で終えた。12点差で迎えた第4Q、G岩屋頼(スポ2=京都・洛南)と三浦が幸先よく3点シュートを決めると、残り4分で3点差まで詰め寄る。しかし、この日の早大は勝負所でシュートを決めきれない。F星川堅信(スポ4=京都・洛南)が放った3点シュートはリングを外れ、逆に山梨学院大に3点シュートを沈められた。そのまま付かず離れず、6点をリードされて迎えた第4Q残り10秒。G城戸賢心(スポ1=福岡第一)が放った3点シュートがバンクショットになりながらもリングに入り、この土壇場で3点差。ベンチからの声も熱がこもった。しかし、あと1本が遠かった。最終スコアは90ー93。試合後、三浦や城戸は涙を流しながらコートを去った。

シュートを打つ城戸 チーム最多の20得点の活躍を見せた

 「すごく悔しい」。この日、星川が得意とする3点シュートは7本中0本。リーグ戦で黒星がかさむにつれ、4年生としての重圧を感じてきた。勝負所でシュートを打つ時も「ここで決めないと」という思いが頭を過ぎる。その中で、思うように体が動かなかった。負けられない一戦を落とし、試合後は肩を落とした。次の試合が行われているコートをぼんやりと見つめながら話していた星川。「チームが勝てないのは4年生の責任」。そんな思いを感じながらプレーしてきた。次戦の中大戦はリーグ最終戦。だから「今まで以上にバスケを楽しみたい」

(記事 落合俊、写真 権藤彩乃)

第99回関東大学リーグ戦 10月29日(vs山梨学院大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

22 22 19 27 90
山梨学院大 30 21 24 18 93

◇早大スターティングメンバー◇
G#0 下山瑛司(スポ1=愛知・中部第一)

G#4 城戸賢心(スポ1=福岡第一)

F#6 三浦健一(スポ1=京都・洛南)

F#13 星川堅信(スポ4=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ2=京都・洛南)

コメント

星川堅信(スポ4=京都・洛南)

――試合後のミーティングでは何を話しましたか

倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54卒)からは、ノースリーポイントと言っていたのに、あれだけ決められて、自分たちが練習してきたことを出せなかったということ。難しい体勢でもスリーポイントを決めてくる山梨学院大は、僕らにはないものを持っているということをしっかりと受け入れて、次の中央戦では全てを出そうということです。平久江さん(平久江卓監督、昭59卒)からは、今日試合に負けたことは残るが、それは今日だけの負けというよりはこれまでの過程での負けという話でした。学生はみんな悔しそうにしていました。こういう学生スポーツでチームが勝てないのは4年生の責任だと思うので、4年生としてチームの勝ちに貢献できなかったのがすごく悔しいです。みんなで次の中央大を頑張ろうと。他のチームの勝敗に依存するかたちではあるけれど、こういう厳しい状況でも投げ出さずに自分たちのやることをやろう、この1週間まだ頑張ろうという話でした。

――相手の3点シュートが連続で入っていた時に焦りはありましたか

やられてはいけないことを試合前に決めていて、それに対してこういう守り方をしようとも決めていました。それが個人の些細なミスが積み重なってスリーポイントを決められました。焦りもあるけれど、ベンチからも声が出ていたし、そういう意識がプレーとして反映できなかったのが敗因に繋がったと思います。

――分かっていても徹底できなかったのには原因がありますか

正面でずっとついている(ディフェンスしている)とやられるので、ノーミドル(*ボールを持っている選手をコートの中央に向かってドライブさせないこと)でボールマンの横につくことでドライブさせて、他の選手がヘルプに行って、ディフェンスローテンションで守ること徹底していたのですが、相手選手はみんなステップバックシュートを持っていて。1つのことを止めようとして、それができなくて、そのせいで他のこともやられました。次の中央戦もスカウティングして、こういうやられ方はやめようと話すと思うので、それに注力して、みんなで同じ意識を持ってディフェンスすれば、オフェンスも自然と良くなっていきます。ディフェンスで崩れてしまうと、オフェンスがうまくいかない時に点取られて、自分たちも点が入らなくなってしまうのでディフェンスを基盤にして、頑張りたいです。

――粘り強く守備ができていた時間帯もあったのではないでしょうか

6点とか5点に詰まった時もありましたが、そういう時にオフェンスでターンオーバーしてしまって、そのままイージーシュートを決められました。詰まるけど離されてを繰り返して、最後までそれが出てしまいました。追いかけていって追い越すのはすごくエネルギーを使うけど、そこでみんなで頑張らないと勝ちは来ないと思います。春の大会だったら離されていたところをカムバックできるようにはなってきたけれど、そこで相手を追い越すのができていないので、そこを特に頑張りたいです。今日の試合も第1Qの入りでビハインドから始まってしまって、それをずっと追いかけるのはしんどかったです。最初にリードして、その差を試合の中でいくつか(勝負所になる)ポイントをつくって、最後に離して勝てるのが理想ですが、徹底度合いが足りなかったり、自分たちの実力不足だったりしてビハインドになってしまうこともあります。そういう予期せぬ事態に対応できるようにならないといけないと思います。

――リーグ戦2巡目での星川選手自身のプレーはいかがでしょうか

今日はスリーポイント0本で、ここで決めないといけないと思って打ったら入らなくて。自分のタイミングでリラックスして力まずに打たないと入らないことは分かっているけれど、ボールが来ると「決めないと」というのが頭によぎるから、そのメンタルコントロールに苦戦しています。

――それは相手を追い越すことにも関係しますか

そうですね。自分たちのバスケをして勝ってる状況をイメージしてプレーしているというよりは、負けのイメージがついています。それを払拭しないといけないけれど、そういう思いがどうしても過ってしまう。(決勝のような)大舞台で感じるプレッシャーよりも、この試合で勝たないと失うものが大きいというプレッシャーのほうが重圧だと感じていて。決勝は追い込まれている状況よりも自分の成功を楽しめます。そういう時はプレッシャーを感じないけれど、「4年生だしチームを勝たせないと」という思いが強いです。

――次戦の中大戦に向けて

もしかしたら大学バスケ最後の試合になるかもしれないです。今の同期とか1、2、3年生とバスケットできるのは最後だと思うので、今まで以上にバスケを楽しんで、みんなとバスケできることを幸せに感じてバスケットがしたいです。